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人生航路  作者: 智楼
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外国旅行

五月三日~六日 休みを取り、子供達と一緒に過ごそうと計画していたけれど、孤児院から許可が下りず計画がダメになってしまった。

 

♪トゥルルルル♪

「もしもし平田か?俺だけど」

平田は直ぐ電話に出た。

「おー佐山かぁ!どうしたんだよ?」

「GW 子供達と一緒にと思ったんだけど孤児院から許可が下りなくてさ」

「そうかぁ!残念だったな!」

「また、いつか日曜日に会いに行くよ」

「その方が子供達 喜ぶよ! ところで佐山、休みの日を変更出来ないか?」

「変更できるけど、何でだ?」

「俺と小島と奥さんで旅行の計画立ててるんだよ」

「へぇ~」

「たまには、佐山も旅行でも行かないか?一緒に」

「あー良いねぇ旅行かぁ、かまわないけど」

「じゃ決まりな。フィリピンだぞ!」

「旅行か~任務ではあっちこっち外国に行ってたけど遊びでは初めてだな~楽しそうだなぁ~」

「そうか、仕事で行った事あるんだよな、なら大丈夫だ」

「そうだよ、じゃ後は平田に任せたよ」

平田は、気を使って誘ってくれたんだ。話しは進み、計画も立った。


五月二十四日、四人は成田からフィリピンへ飛び立った。

初めて乗った飛行機は、夕方五時、成田出発→夜九時十五分、ノースウエスト機はフィリピン マニラ空港に着いた。

初めてのマニラ、四人はマニラ空港から町に出た。

現地の人は、日本人を見ると「オカネヲクレ」とせがむ。ライターを出すと「ライターヲクレ」また、 「ニモツヲモタセテクレ」としきりに言う。

まるで三十年前の日本を見ているようだった。

みんなはタクシーに乗り「ダコタマンションホテル」に着いた。

チェックイン、四人は別々の部屋を取り、着替えを済ませた。部屋の中は全部、洋式スタイルで少し戸惑った。

日本語は殆んど分からず、現地語と英語しか話せないフィリピン人。

四人は夜の街へ。

その中で、日本人向けの、有名なナイトクラブ「エスペランサー」に入った。

平田は何回も来た事があるから英語もペラペラ、店のシステムも良く分かっていた。

他の二人は別の所に行ったようだ。

「ヒラタサン、ヒサシブリネ!」

中に入ると、店の女の子が名前を呼びながら近付いてきた。

「佐山、お店の女の子三十人ほどいるから、その中から好きな子を一人選べよ」

外国人はみんな同じ顔をしているし、誰がどうだか分からない。

少し困ったが・・・

「一人かぁ!わかったよ」

選べと言うのだから、時間はかかったが私の好みの女の子を選んだ。

「佐山は、やっぱり自分の奥さんに似てる人を選ぶんだなー」

「そうか?」

私の妻を知っているからこその一言だった。

その一言で、よくその女の子を見てみると、やっぱり妻にどことなく似ていた。

その子の名前は「ヨーリー」

浩一・真由美には悪いが、四日間、子供達の事、嫌な日本の事を全て忘れヨーリーと過ごした。

ヨーリーを見ていると、十年前の由美子に逢った気がした、ヨーリーはスペイン系で大変美人である。

少し由美子に似たところもあるが殆んど日本語が出来ない、

ヨーリーは、朝四時頃から起きて身の回りの整理をし五時になると起こしてくれる。

本当の妻のように良くしてくれた。

「アナタハ、ホントウニ ヒトリモノカ?」

「ニホンジンハ フィリピンニクルト ミナ ヒトリモノニナル ナゼ?」

ヨーリーの言っている事は分かるが答える事が出来ない。

言葉が通じたなら本当に私の気持ち分かってくれるのだろうか?

言葉が通じないと気持ちまで通じないものなのか?


日本に帰る時、ヨーリーは涙が出て仕方がないと大きな目で見る。

「アナタ フィリピンニ ムカエニキテ!」

ヨーリーの言う事は半分くらい分かるが、私の考えや気持ちが言葉に表す事が出来ず、どこまでヨーリーに通じたか分からないまま日本へ帰って来てしまった。


ヨーリー、ヨーリー、今 何をしている?気になって仕方がない。

今度いつ行けるか分からないが元気で居てくれ。

その時は誰かの奥さんになっているかもしれない、幸せになってくれ。


けれど、必ずもう一回、いつか分からないが、五年後・・・十年後・・・になるか、もっともっと先になるか分からないが必ず行く。

そして、ヨーリーと過ごしたダコタマンション、マニラの事、たった四日間だけど死ぬまで忘れない。

妻に裏切られ、最愛の子供達と別れて生活してるなかで、ヨーリーは、ほんの少しの光を照らしてくれた。

もう二度と会う事が出来ないかもしれないが・・・

    yorry i love you   you havu me?





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