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人生航路  作者: 智楼
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孤児院の運動会②

今日は、浩一・真由美の居る孤児院の運動会。

朝から雨が降っていたのが残念だったが、今回は一人ではなく、兄貴一家と従兄弟と皆で朝早く出発した。

孤児院に着くと、浩一と真由美がきた。

『パパー・・・あっおじちゃんがいる』

「あららら、しばらく見ないうちに浩一と真由美は大きくなったな~」

『僕、三年生になったんだ』

「もう三年生かぁ早いもんだな真由は何年生になった?」

『まゆは一年生になった』

「そうか真由も小学生になったか」

            

「せっかくの運動会 雨だな!」

「これじゃ直ぐ中止になるかもな」

「今日は、せっかく大勢で応援に来たのに」

「そうか、今日は皆で応援してるから頑張れよ!」

『うん!任せて』

運動会は子供達の成長が見られる、最高に嬉しい楽しい一日。

しかし雨の降りが強くなり、午前中で終了してしまった。せっかくだから子供達を外泊させようと手続きをしたら許可が下りた。そしてその事を浩一と真由美に伝えると、

「お前達、外泊の許可下りたから、家に帰るぞ!」

『本当に?えっホントに?ホントに?ヤッター』

『まゆ、お家に帰れるって』

『パパー!一緒に帰れるの~』

「おー、帰ろう、帰ろう。今日は皆で帰るよ」

「お前達、着替えてこい」

『分かった』

浩一・真由美を連れ、一緒に行った兄貴一家と従兄弟と皆で我が家に帰って来た。

兄貴は、浩一・真由美に大変、よく気を使ってくれる、心の中で感謝した。

金沢には子供達が帰って来てる事を電話で知らせた。もしかしたら遊びに来るとの事だ


♪トントン♪トントン♪

「はーい」

『あ!誰か来た』

あれ、もしかしたらと思い玄関へ

「よう!」

「よっ!金沢いらっしゃい、まぁ!上がれよ」

「子供達、元気そうじゃないか?」

「あー、思ったよりも元気でいるよ」

友人の金沢も一家で子供達に会いに来てくれた。

「実は、子供達もだけど、お前の事も心配でさ」

「俺の事か?俺は何とか大丈夫だ!」

「それなら良かったよ!」

こんな話をしていると、友人 平田と吉山から続けて電話がきた。

「金沢から連絡があってよー、子供達は喜んでるだろう?」

私は、つくづく思った・・・

友達!それは、良い友達が沢山居れば居る程、その人は幸せ、少しくらいの苦しい事も悲しい事も耐えられる。

本当に良い友達に恵まれた。

だから、少しくらい辛くても、挫けず今日の今日まで生きてこれた。

私の友人は、一生懸命働いて、自分の家庭を築き上げている。友人の有難みが本当に分かった気がした。

浩一も真由美も本当に良い友達に巡り会える事を心から祈る。

今までの分も幸せになってほしい。

やがて夜になり・・・

お寿司やオードブルを頼み我が家で夕飯に!

「浩一・真由美 夕飯だぞ!」

『うわーすげーご馳走』

『もう食べていいの?』

「いっぱい食べるんだぞ」

大勢で食べる食事、子供達はとても楽しそうではしゃいでいる。実は、子供以上に嬉しくて、はしゃいでいたのは私かもしれない。

夕飯を食べながら、昔の話しや、子供の話しで盛り上がり話は尽きなかった。

「孝、俺たちそろそろ失礼するよ」

「兄貴、今日はありがとうな!」

「じゃ!俺たちも失礼するよ!」

「金沢も帰るのか?みんな、ゆっくりして行けよ」

「今夜は親子三人、水入らずで楽しめよ!」

「あーそうだな!子供と楽しまなきゃな」

「じゃ!帰るからな」

「みんな気をつけて帰れよ」

あんなに大勢居たこの部屋が、みんな帰って親子三人になると急に寂しくなったが、今日は、親子三人で寝るまで、おしゃべりした。

「今日は、三人で一つのベッドで寝るか?」

『うん、いいよ』

『パパ、真ん中ね』

「じゃ、寝るか」

子供達は疲れたのか直ぐ寝てしまい、私も寝る事に。

朝、目を覚ますと子供達は夢の中!

浩一・真由美のお腹をコチョコチョ。もう一回、コチョコチョコチョ!

『パパ、もう、やめてー』

浩一が起きた。

『パパ、くすぐったいー』

真由美も起きた。

三人はベッドの中でふざけ、私は楽しかった。

自分自身を忘れ、この時間がいつまでも、イヤ、毎日続けばいいと思った。

一日も早く、浩一・真由美と毎日を過ごせたらと心から思う今日この頃。

夕方には、いつものように子供達を孤児院に送って行かなければならない。楽しかった二日間は、あっという間に過ぎてしまった。

 

やがて夕方になり、孤児院に送って行き、別れる時、子供達も孤児院に行く意味を少しは理解してくれたのか、私を困らせなくなった。

『パパ、今度はいつ来るの?』

「そうだなー!次は年末かな?」

『そっか、分かった』

「それまで良い子にしてろよ」

『うん』

そう言って孤児院をあとにした。


帰ってから、あまりの寂しさから一人で酒を飲むが美味しくない。浩一と真由美と一緒に食事をしたり、お酒を飲めたら一番美味しいであろう。

一人で酒を飲んでると、すぐ傍に子供達が居るような気が・・・

浩一・・・浩一・・・

真由美・・・真由美・・・

小さな声で名前を呼んでみるけど返事がない。こんな事を考えて、また酒を飲んでしまった。

気が付いたら、目から涙がこぼれて・・・

浩一・・・真由美・・・

今度は大きな声で名前を呼ぶけれど、大きな声でも、小さな声で呼んでも返事などあるはずはない。

また、しばらく一人の生活が始まる。

明日は、四時半に起き、五時には家を出なければならない。そろそろ寝よう。

浩一・真由美 おやすみ!


 





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