表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生航路  作者: 智楼
27/63

真由美の入学式

新学期が始まり、浩一は三年生になった。


四月十一日、今日は真由美の入学式 新一年生だ!

昨晩は寝る事が出来ず、四時に起きたが朝食も取らずに、一路、二人の愛児 浩一・真由美が居る孤児院へと車を走らせた。

出来る事なら、ここの家から真由美を入学させてあげたかった。それが私にとって一番悲しい事。

由美子から電話も来ず、子供達の事を心配しているのだろうか?

心配しているなら電話くらいよこしてもいいはず。何でもない日の真夜中に電話をかけてくる気持ちが分からない。そんな事を考えているうちに車は孤児院に着いた。


真由美は孤児院の玄関で待って居た。

車が着くと直ぐ走ってきて抱き付いてくる。

『パパー』

「真由美、綺麗な洋服 着てるな」

『先生が、お洋服 着せてくれたんだよ』

「そうか、良かったな」

『うん』

来るたび重たくなる真由美、孤児院で用意してくれた、綺麗な洋服を身に付け、新しい靴を履き、髪の毛も整えてあった。

学校は孤児院の直ぐそば、浩一の運動会で行った事あるから真由美も知っている。

浩一は孤児院の門の前で通学する所だった。

『パパー、今日は真由美の入学式だね』

「そうだよ」

『パパの洋服カッコいいね』

「おーそうか!」

浩一にそんな事を言われると少し照れくさい。

『じゃ、僕 学校行くね』

「気をつけろよ」

少し話をして先に学校へ行ってしまった。

「真由美、そろそろ行こうか?」

『うん』

真由美の手を取り、学校まで十分ほど歩き着いた。

新一年生・大きなランドセルを背負い、綺麗に着飾った洋服、新しいピカピカの靴、可愛い一年生が沢山居た。

私は、子供達の入学式に参加するのは、これで二度目、緊張したが、前ほどでもない。

やっぱり母親と来る子が多いと思ったが、今回は父親と来てる子を見て、何故かホッとした。

入学式も無事に終わり、二人の子供達に別れを告げ我が家に一人帰って来た。


入学式が終わって二ヶ月後・・・

六月三日~五日、最愛の子供達と一緒に過ごすと決めていた。

三日の朝、孤児院へ車を走らせた。浩一・真由美に会うのは二ヶ月ぶり。

この時の気持ちは、子供達に会いたくて、会いたくての一心で、あとの事も考えず仕事を休んでしまった。子供達のためなら、仕事も金、この命などいらない。

誰の子でもない!私一人の子供だ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ