初仕事
まだ子供達の声が耳から離れない。
早朝。
♪ジリジリジリリリー♪
目覚ましが鳴った。
今年 初仕事。
日曜日まで、子供達が居たこの部屋、今日は誰も居ない、一人で朝食を済ませ仕事へ、家を出る前に子供達の部屋を覗いて見た、まだ浩一・真由美の匂いが残っていた。少し寂しいが仕事に行く。
トラックに乗りエンジンをかけようとするが、かからない。初仕事だと言うのにトラックが故障してしまった。そのままトラックは修理工場に入る。
新年早々、少し嫌な気分になる。
トラックが動かないのなら仕事は休み。
実家でも行ってみるか・・・
今年こそ前進して二人の子供達の喜ぶ事がしたいけれど決断でず・・・
「孝、再婚する気はないのか?」
「再婚なんて、その気はない」
「その気なしでは、いつまで経っても子供達を引き取れないんじゃないかい?」
「分かってる、同感はするが、もう結婚はこりごり」
親、兄、姉妹から再婚をせまられるがその気なし。少し弱気になっているとこもあった。
しかし、もう少し考えてみる・・・
子供達のために再婚するか?しないか?
やっぱり、妻・由美子の事が頭から離れない。
最愛の子供達の母親であると同時に、私にとって最愛の妻、最愛の女性だったかもしれない。




