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人生航路  作者: 智楼
22/63

小学校運動会①

十月二日、待ちに待った浩一の小学校の運動会。


朝から天気が良く秋晴れ。

いつものように早く目を覚まし、ドキドキする気持ちを押さえ車に乗り、一路 子供達が待つ孤児院に向かった。

朝七時半 孤児院到着。

浩一はすでに学校に行ってしまったと言われ、真由美を連れ二人で手を繋いで、坂を下り十分程で浩一の通う小学校に着いた。

学校には運動会の準備がしてあり、真由美と二人、空いてる場所のシートの上に腰を下ろした。

大勢の親御さん達が観に来ていて賑やか。


「間もなく入場行進が始まります、生徒は入場門に整列して下さい」

アナウンスが校庭に響きわたる。

私は、その場に立ち上がり浩一を探した。

『パパ、抱っこして』

「はいよ」

真由美を抱きかかえ、待って居た。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

入場行進曲が流れ、生徒達は校庭を一周する、浩一が前を歩いて来たら手を振ってあげよう。

先頭から一年生、二年生と続き次は浩一の学年三年生だ。

「おっ!浩一がニコニコしながら行進してきたぞ」

『お兄ちゃん、どこ?』

「真由美、あそこだ」

『見えた!お兄ちゃん』

生徒たちは行進が終わると校庭の中央に集まり開会式、そして六年生の選手宣誓。

そんななか浩一ばかり見ていた。

開会式が終わると直ぐ競技が始まる、浩一の出る種目は何個か有り、前もって運動会のプログラムを貰ってあった。

☆借り物競争☆

三年生の競技が始まる、浩一は三番目に走る、何と書かれた紙をもってくるか楽しみだ。

ヨーイ ドン   始まった

30メートル走った所に、色々な物が書かれた紙が落ちてる。

浩一は一枚の紙を拾い走ってきた。

『パパ、眼鏡を貸して』

「眼鏡じゃないけどサングラスなら持ってけ!」

『うんサングラスでもいいよ!』

「おう!早く行け早く行け」

浩一は一番にゴールした。私は浩一の頑張ってる姿を目に焼きつけた。


☆親子二人三脚☆

浩一とペアを組み走ったが一位を取る事が出来なかったけど楽しかった。


☆リレー☆

運動会のメインと言えばリレーだ。

浩一は、リレーの選手に選ばれアンカーを務める。

保護者達も立ち上がり応援♪ 浩一のクラスを応援した。

「頑張れ!浩一!」

『お兄ちゃん、がんばれー!』

浩一は最後、一位のままゴールする事が出来た。さすが私の息子。

そして閉会式となり無事に運動会は終わった。

浩一は大活躍!

真由美と二人 ひと足早く孤児院に戻り浩一の帰りを待つ事にした。

それでも浩一のクラスは三位だった、浩一は残念そうに参加賞を持って走ってきた。

『ちきしょう あいつのせいで優勝できなかったよ』

「そんな事言うもんじゃない、でもよく頑張ったよお前は」

『はーーい何も言いましぇ~ん』

優勝出来なかった事にちょっと、ふて腐れてるみたいだ。   やがて時間が来る


明日も仕事、のんびりもしていられない・・・

『パパ、もう帰る時間?』

私がそろそろ帰らなくてはいけないと思う事を浩一・真由美は敏感に感じ取れるのか

『ぼくも、家に帰りたいなぁ』

『まゆも帰りたいよー』

今度会えるのは年末

「冬休みになったら来るから、それまでしっかり勉強しろよー   元気でいろよー またすぐ来るから 頑張れよ また・・・じゃーな ・・・元気でなぁー」それだけを言いゆっくりと車を走らせた

浩一と真由美は何度も何度もバイバイ バイバイ バイバイと手を振っている ミラー越しに映る子供達がだんだん、だんだん小さくなっていく



二人の子供達、もう少し待っててくれ!必ず一緒に生活出来るようにするから。

ただ今は出来ないんだ・・・分かってくれ・・・



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