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人生航路  作者: 智楼
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朝起きた時、浩一と真由美を見ていた気がする。

朝食を食べ会社へ。


浩一・真由美に会いたくて、会いたくて涙がこぼれて止まらず、ただ会いたい気持ちで、このまま会社を休んで子供達が居る栃木へ行こうか本気で考える。

浩一・真由美に会いたくて、そして、別れた虚しさに一時は仕事もする気にならず、毎日 子供達の事を考え、一歩も家から出なかった。

今では、子供達に会うのが、たった一つの楽しみとして毎日 元気に働いている。

朝起きると、いつもなら元気のいい浩一・真由美に「おはよう」と言いあう、そうすると今日も元気に仕事が出来るぞ!と思い、出かけたものだ。

しかし、今は誰も居ない家、静まりかえって寒そうな家、夜遅く一日の仕事を終えて帰っても真っ暗な家、一人で鍵を開け、電気を手さぐりで点ける。

元気な子供達、浩一・真由美は居ない。帰っても一人だ。

あの賑やかに兄妹ケンカをしている子供達は居ない。


まるで夢を見ているようだ・・・・・

イヤ!これは夢だ、長い夢を見てるのだ。

いつか夢から目が覚めれば子供達がこの家の中で騒いでいる。

「お前達、うるさい!少し静かにしろ」

浩一・真由美 誰でもいいから背中を踏んでくれ。

台所では、みそ汁のいい匂いがする。

魚の焼ける匂いもする。

トントン包丁の音・・・・・

まだ夢の中だ。

また子供達が騒ぎだした。

「今日は日曜日だから、もう少し寝かせてくれ」

『パパ、今日はどこか連れてって』

そうだ、今日は良い天気だ。どこかドライブにでも行こうか。

あー!幸せだった。

あの頃は戻ってこない、もう二度と戻ってこないような気がする。

今、夢を見ているのか、現実なのか分からない。

もし夢なら早く覚めてくれ。

何でもいい。

浩一と真由美が傍に居てくれたら。

そうだ、今夜 早く帰ったら子供達の所に電話をしてみよう。


あっ!子供達の声が聞こえるようだ・・・・・




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