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人生航路  作者: 智楼
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子供達と別れの日

昭和五十一年十一月十六日 可愛い二人の子供達の行き先が決まった。

場所は「浦和にある児童一時保護所」


前日に子供達の荷物をまとめておいたが話す事は出来なかった。

当日、朝早く目を覚まし、二人の子供達に最後のご馳走を食べさせようと思いハンバーグを作った。

『うゎー朝からハンバーグだ』

『ヤッター』

「早く食べちゃえよ」

何で朝からハンバーグが食べられるのか、浩一・真由美は不思議に思ったに違いない。

こうして子供達とご飯が食べられるのも当分ないだろう。

そして浩一と真由美には何も知らず車に乗った。子供達はドライブでも連れて行ってもらえると思っているようだ。

裏切る気持ちで辛い、かわいそうな子供達の顔をミラー越しに見る。やっぱり言い出せない、どうする俺、

車の中は、いつもより静かだ。実は事前にこれから向かう施設に子供二人を預ける手続きをしていたが、この事を子供達には話せないで今日まで過ごしてしまった。 やがて


午後 浦和の一時保護所に着いてしまった、まず最初に色々と本手続きをした。

「お待ちしてました。佐山様ですね こちらが浩一君と真由美ちゃんですね 約半月くらいで孤児院が見つかると思いますので、その時はこちらからご連絡します。その時はまた迎に来て下さい」

「はい、分かりました。」

浩一と真由美は保護所に居る子供達と仲良くなったのか楽しそうに遊んでいる。

「孤児院は、兄妹が別々になる事はないですよね?」

「それは大丈夫です、二人一緒になります」

「そうですか、それでは よろしくお願いします」

一通りの説明を聞き、いざ子供達と別れる時、訳もわからず浩一は目にいっぱいの涙を溜めて顔を見ていた。

『パパ、僕ここに残るの?』

『えーなんで?僕は家に帰るよ』

浩一は泣いていた。

『パパおうちに帰ろよ』

真由美は、何度も何度も繰り返し泣き訴えた。

その時、二人の手を取って「じゃあパパと一緒に帰ろう」とどれだけ言いたかったか分からない。

私の目にも大きな涙が流れ、言葉では言い表す事が出来ないほど辛い、子供達に何て言葉をかけていいのか…良い言葉が見つからない。

浩一・真由美にすまないと思いながら保護所をあとにした。


それから半月後

保護所から電話があり、二人の子供達の孤児院が決まり、十二月一日来て下さいと連絡がきた。

場所は栃木県にあるI・Vと言う施設に移される。

その日は今も忘れもしない快晴だった。


そして保護所に迎えに行き子供達を車に乗せた、そして保護所の職員の乗ったワゴン車に付いて行く、車二台で孤児院へ向かった・

『パパはお家に帰るの?』

「・・・・・・・・・・・・・・・」

『もうお家に帰りたい』

浩一は、しきりに聞いてくるが何も答える事が出来なかった。

『パパーおうちにかえりたい』

真由美の長い綺麗な髪は短く切られていた。


二時間程で孤児院に着き、こちらでも手続きがあり、これからの事や外泊の事など色々と説明を聞いているうちに、浩一と真由美は他の先生に別の部屋に連れて行かれてしまった。

「佐山さん、申し訳ないのですが子供達の混乱を避けるため、こっそりとお帰になるようお願いしたいのですが・・・、その辺はご了承下さい」

「子供達に一目でも会う事 出来ないですか?」

「申し訳ございません そうしてしまうと子供達が別れるのが辛くなると思います。お気持ちはわかりますが、今日はこのまま お帰り下さい」

「分かりました   それでは二人をお願いします」

浩一と真由美は大丈夫だろうか?  ここの施設の学童たちも歩いて地元の小学校に通学するらしい 当然、地元の小学生と一緒に勉強する 仲良くできるかな

不安でいっぱいだろうけど帰るしかなかった。

帰りの車の中は静で寂しい

我が家までが凄く遠く感じ、家に着いても浩一・真由美の事が心配で胸が張り裂けそうな気持ちだった。  


そして、約一ヶ月の月日が過ぎた。

浩一・真由美 元気で居るか?と毎日 心配で一日だって子供達の事を忘れた事はない。

仕事をしている時も、何をしてても、どこに居ても子供達の事を考えていた。


今年の年末年始は外泊許可を取って親子三人で過ごそう。

十二月三十日に子供達を迎えに行く予定を経て、毎日 仕事も手に付かずにいた。

この日が来るのを子供のように待ち、一日過ぎるのが、こんなに遅いものかと思った。



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