アーバン・スイーパーズ 「ダストシューター」06
「PWプレイヤーズ」。
まず、我々独自の情報網でいじめの事実を掴んだならば徹底的に「証拠集め」を始めます。
まかり間違って別人を「いじめっ子」と誤認して「成敗」したなんてことになったら大変だから。ま、今まで最初の目算が外れてたことなんて一度も無いけどね。
申し訳ないけど、一度は我々が情報をキャッチした後にも「いじめっ子」くんには被害に遭ってもらいます。映像と音で証拠を掴んでおかないといけないからね。
状況証拠、物証、映像の証拠その他「どこをどう転がしても」犯人と間違いないと結論が出たならば彼らの出番です。
この日は「いじめられっ子」くんには一日仮病でも使って「セーフハウス」に入ってもらいます。万が一の為にね。
そして、「PWプレイヤーズ」に「転校」してもらいます。
そ、「転校」だよ。「転入」ってこと。
私立の高校だったりすると結構面倒臭いけど、そこは蛇の道は蛇。どうにかこうにかしちゃえるんだなこれが。
後はもうこっちのもの。
何故かって?決まってんじゃん。「生徒」になった以上、校内でどんな犯罪行為やら暴力行為やら起こしたとしても一切外部には漏れないし、漏れたとしても「証拠不十分」「少年の将来の更生を考え」て何の罪にも問われないんだからさ。やりたい放題だよ。
いつもはその不条理に泣かされてきたけど、正義の為に使わせてもらう。
いじめの首謀者に「プロレスごっこしようぜ」と持ちかけて、嫌がっていようがなんだろうが強引にプロレスごっこに持ち込みます。
ここで教師が駆けつけてくる前に、「いじめっ子」連中全員の両腕と両脚の骨をへし折ります。
そう、両手両足骨折させるのね。
まあ、こちらも鬼じゃないから関節部分を粉砕・解放骨折させて再起不能にするんじゃなくて、腱を切断しないように関節じゃない部分を単純骨折で勘弁してやるわ。
あ、首と背中の真ん中、頸椎と脊髄は傷つけない様に注意ね。半身とか全身不随になっちゃうから。打ち所が悪いと死んじゃう。
まあそれでもいいとは思うんだけどさ、そうなったらこいつらの治療費が税金から支払われちゃうでしょ?勿体ないじゃん国民のケツ税。
もう分かってもらえたよね?「3番」ってのは「両手両脚をへし折って物理的に動けなくすること」なの。
確かにかなり乱暴な方法だとは思うよ。でも、これなら人間関係もクソもありゃしない。何しろ自力で歩けない様なのが一体どうやって暴力を伴った「いじめ」が出来るわけよ?あぁ?
これなら少なくとも数か月は「いじめられっ子」の身の上は安泰。でしょ?
しかも、「犯人」は分かりやすいくらいに分かりやすいじゃん。大量の目撃者を出しながら目の前でやってんだから。
当然、「PWプレイヤーズ」たちはすぐに転校させて一件落着!実にエレガントだわ。
まあ、成長期だし、何か月か経ったら退院してくるかもしれないね。でもその時はもう一度両手両脚をへし折って病院に逆戻りしてもらうわ。
卒業までの時間が稼げればそれでいいんだから。学校なんて3年くらいしか続かないんだから出ちゃえば勝ちよ。ま、同窓会への出席は止めといた方がいいかもしれないけどさ。
誰も死なないし、いじめっ子の肉体以外は傷つけない。人間関係も悪くしないし教室には平穏が戻ってくる。理想的だわ。
次に「2番」を解説するね。
(続く)
*「PWプレイヤーズ」
「アーバン・スイーパー」の実行部隊の中の下部組織で、非常に特殊な分野を請け負う。
13歳以下の少年少女で全員が構成されている。出自は刑務所内の少年服役犯などとされているが詳細は不明。
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【用語解説】
「アーバン・スイーパーズ」(都会の掃除屋)
非合法組織。
「皇法子」
現時点で不明。
「ダストシューター」(ゴミ捨て屋)
「アーバン・スイーパーズ」対いじめ部門。
「手紙部門」
「アーバン・スイーパーズ」の一部門。
「手紙作戦」
加害者に被害者(故人)を装った手紙を出し、精神的に追い込む。
生きている限り何十年でも続く。