scene5 【クダカンの遺跡】
「援護お願いっ!」
「了解」
私の眼の前に立って見事な舞踏を演じる佐門君から声が上がった。即座に私は視界端のウィンドウを認識、唯一敵に攻撃を加えられる【ロックストーン】を選択すれば、再び私の右腕には紋章が浮かび上がり、発動の準備は整った。
目標は蛮族のような布きれを不恰好に纏い棍棒を振り回す子鬼。ファンタジーではおなじみの緑色の身体がそこにはある。
そんなモンスターを2体相手にしながらも佐門君の戦いぶりはそれはもう、彼女の美学に反しない立派なものであった。
振り下ろされる棍棒に細身の体をしならせて回避し、そのまま円を描くようにして戦場を移動し続ける。例え2匹しかおらずとも挟まれる愚を避けてのことなのだろう。そして流れるようにして子鬼の背後に立てば、女性の身では重かろう槍を遠心力を利用するかのように身体を回転させ薙ぎ払う。
槍、とは地味なものだ、というのは所詮武術など微塵も知らない私が思い描いていた空想だった。盾を構え、その陰から槍を突き出す。相手を間合いに入れぬようにチクチクとけん制して傷を与える。そういった印象が先行していた。
だというのに彼女の戦い方はどうだろうか。彼女の心をうつすかのように槍は宙を踊り、その美しい身体は地を駆ける。大立ち回り。その言葉がよく似合う。
【アビリティ『ロックストーン』発動】
残りは一匹。そしてその一匹は今しがた片割れにとどめを刺した佐門君に気を取られて私に背後を見せている。後衛こそが厄介ということなどそれは知らず、ただ怒りに身を任せて唸り声をあげていた。
――――安全なのはいいが、もう少し私に構ってはくれないのだろうか。
私はそんなことを考えながら右手を勢いよく押し出した。狙いは外れず、子鬼、つまりはゴブリンと思われるそれは見事に石つぶてを背中に喰らい倒れ伏した。
「ナイスアシスト」
「私が必要だったのかは微妙だがね。怪我がないようで何よりだ」
「この程度、障害にもならないわ」
槍を地面に差し、それにしな垂れるように笑う彼女は無駄に妖艶だ。どうやら戦うことが大好きな性分らしい。まあそうでなければ彼女の美学は成立し得ない。
しかし――――私たちは街道のど真ん中で倒したゴブリン(仮称)を見下ろしながら腕を組んだ。
「突発的なイベントではないでしょうね。街道の意味がないんじゃないかしら?」
「街道と言ってもただ馬車が通りやすいように整地されただけだろう。別に周りを柵で囲んだわけでもないようだ」
「ギルドじゃ護衛任務なんてものが依頼されているのかもしれないわね」
「今更さ。さぁ行こう。もう少しだ」
「漁らないの?」
「…………まぁ、寄り道もいいか」
私たちは倒れ伏したゴブリンを眺め、頷いた。
VRMMOの戦闘に限らずとも古来よりRPGの戦闘は変わらぬままだった。HPという概念があり、MPという概念があり、コマンドという概念があり。そういったものが微妙に形を変えながらVRMMOにたどり着いたものだろう。ターン制はアクティブに、MMOが出始めてからはリアルに。
それを考えればVRMMOの戦闘は他のゲームと比べてシビアと言わざるを得ない。我々も自由であるならば、モンスターもまた自由であるのだから。
unIQueの戦闘方法は特筆すべきもない普通の戦闘らしい、というのは佐門君の言だ。
例え情報が整理され対策が練られたとしても目の前にあるのはリアルにほど近い予測不能の連続であれば、どうしたってその場での対応が主になる。この敵はこういう攻撃をしてくる、だから事前にこうしておけば、というのも一つの作戦ではあるが――――どちらにしても油断はできない。VRMMO戦闘における常である。
「緊張感で心が削られていくな」
「慣れなさい。そのうち鼻歌交じりで戦闘できるようになるわよ」
と佐門君は言ってくれるが目の前で棍棒を振り上げる鬼のような形相のゴブリンを思い出せば、どう考えても慣れる気がしてこない。そのうちゾンビなどという精神上悪い敵も出てくるのだろうか。スケルトンが出た時点でお察しだが。
そういった点では視界に端に常に表示されるウィンドウが、これはゲームなのだと主張して私の心を癒してくれる。どうやら佐門君にはリアルファンタジーの空気が汚れるといって好評ではないらしいのだが、逆に私からすればそれくらいがあったほうがリアルと『此処』の境界がはっきりできていいようにも思える。
例え世界そのものにのめり込んでも、生き死にが関わるこの状況においてはゲームであることを忘れたくない。随分と都合のよい考えであったが、それはそれ、これはこれ。
戦闘中にウィンドウに浮かぶ情報は様々だ。パーティ登録している味方の詳細なデータやら、鑑定スキルを取ればさらにモンスターのデータなども表示されるのだろう。HPゲージ、アビリティゲージ、現在補正が掛かっているスキル表。文字が乱列するその様は少々私にはつらいものがある。
unIQueにおける特技、魔法の消費はMPではなくアビリティゲージによって表示されている。数値の類は一切なく、ただバー一本があるだけ。HPも同じである。
未だ情報の錯綜する序盤も序盤。わからないことは、多い。
【ボロボロの布きれ】【要鑑定】
【何の材質か分からないぬめぬめとした布きれ。すごく臭う】
【粗雑な角材】【要鑑定】
【一見棍棒に見えなくもない角材。振り回すこともできる】
【小さな角】【要鑑定】
【モンスターから取れた角。中指ほどの大きさで鋭くはない】
例のごとく得られたアイテムはどれもこれも未鑑定。それらを道具袋に入れながらため息を吐く。早く鑑定したい。これはどういったものでどういった使われ方をするのか。ゲームの最初にしか味わえぬ焦燥に気勢が上がる。戦闘の醍醐味だろう。
戦闘後の処理を終え、立ち上がれば佐門君が不審げな顔でこちらを見ていた。
「…………モンスターの腰布なんて回収しても使い道がなさそうなものだけど」
「貧乏性でね。何かに使えるかもしれないと思ってしまうのだよ」
「そのうちそこら辺に落ちている小石すら拾いそうね」
「はは、そこまでは……どうかな?」
「やめてよね。今回の目的は魔力結晶でしょ?」
呆れたように首を振る彼女に苦笑する。良くも悪くも彼女と私は合わないようだ。
取りあえず彼女が先を急かすように目的地へ急ぐ。未だ太陽は頭上にあり、それが地平線の向うに落ちるにはまだまだ時間がある。それでも急ぐに越したことはない。
そうこうしているうちに目的地近くの雑木林へとたどり着く。隙間の広い木々の間を目を凝らして見るが、その奥地に遺跡のようなものは見えない。さて、情報ではちょうどこの林の中心にあるらしいのだが、どこにあるのか。
「前に来た時は遺跡みたいなものはあったかな?」
「見てないわね。と言っても奥地までは踏み込んでないわ。ちょっと進んだところで戦ってただけだもの」
「まぁ、深い森でもない。迷うことはないと信じたいね」
視界に広がる木々の隙間に日光が差し込んでいる。それだけだというのにどこか神秘的な光景だ。少々見とれもしたが隣で槍を握り締めた佐門君の姿に気を引き締める。さて、自分はどれほどやれるのやら。
scene5 【クダカンの遺跡】
森での戦闘は平原のそれと違って余計に気を遣う。唯一の攻撃魔法とて射出型。弓矢を扱うアーチャーのように射線を気にしなければ取り回しの悪いただの大砲となる。
それに手に持っている杖とて振り回せば一応の護身になるものの、木々によって狭い場所ではそれすらも容易ではない。佐門君のように槍を使い慣れているものでなければ、の話だが。
道中の話を聞いていると彼女は他のVRMMOもそれなりに嗜んでおり、その時からずっと槍を愛用していたようだ。無論正常な法則が働いている現実ではこのような動きをできるわけもなく、『外』ではそれはもう一般の女子に過ぎない、とは彼女の弁。まぁ、そうでなければ仮想空間で幾人もの超人が生まれることになってしまう。
話は逸れたが未だ数回の戦闘しか経験していない私にとってはこの林の中での戦闘はずっと難易度の高いものである、ということである。
幸いにも出てくるモンスターは佐門君の情報通り腰辺りまである大きさの羽なし鳥と、人の頭の大きさほどの緑色のトカゲだけ。事前に情報を知っていれば対処はしやすい。しやすいのだが――――。
「シスケッ! 左!」
「むおっ……」
痛みそのものはなくとも衝撃はある。突如視界の端から伸びてきた何かに驚き、佐門君の言葉に反応するかのようにがむしゃらに杖を構えた。それだけの反応ができる身体に感謝する。しかし衝撃は杖をびりびりと震わせ、私はたたらを踏むようにしてよろめいた。
衝撃の正体はでろんと樹の幹から垂れあがる舌。いや、樹が保護色であるかのようにへばりつくトカゲの正体であった。幸運にも防御が間に合ったのかウィンドウに表示された私のHPバー少々削れただけだ。
「よっ……と」
「……うむ」
不意打ちを常としてくるこのトカゲだけは厄介に過ぎる。攻撃自体は幾度か喰らってみて分かったのだが、防御力的にも危ういはずの私でもあの舌攻撃で削れる割合は約5分程度。枝にぶら下がっていたものから後頭部を舌で叩かれたときも減って一割程度だった。
それに一度見つけてしまえば動きはのろい。何気なく突き出した佐門君の槍に串刺しとなったトカゲは鵙の早贄のようにしてピクピクと痙攣し事切れた。
「うーん……やっぱり近接系のスキルがないと反応や索敵にも差が出るのかしら」
「私が気づかなかっただけ、ということのような気もするが」
「結構重要よ? スキルによる補正って。感覚的なものだから説明するのは難しいけど普通だったらこんな槍を持って駆け回れないもの。軽業師のスキルの補正が掛かってるんだわ、たぶん」
「ふぅむ」
「まあ試行錯誤と情報収集は大切ね。それより回復しておいたほうがいいわ。戦闘中以外はアビリティゲージも回復するんだし」
佐門君の言葉に頷き、ウィンドウから聖魔法を選択する。
右手に浮かぶ紋章の色は白。これはおそらく各属性に対応しているのだろう。炎は赤、水なら青なのだろう。
この魔法アビリティを行使する際に頭の中で鳴る針の音は7つ。どうやらロックストーンよりも長いらしく、やはりそこは回復魔法という利便さゆえのデメリット。戦闘中での運用も頭を悩ませる。さらに減少するアビリティゲージの割合がロックストーンより幾分か多いようにも見える。当分はポーションの方が便利だろう。タダで、というのは何よりも勝る利点だが。
【アビリティ発動『ヒールライト』】
足元に白色の魔法陣が展開し、やがて宙に浮かぶようにして光の粒が舞い上がるエフェクトが展開された。じんわりと温かい感覚が身体を包み、やがてウィンドウのHPバーを満タンにすることが出来た。当たり前だが便利なことである。
そうすればリン、という鈴の音のような音が響いた。
【スキルが上昇しました】【精神統一LV1→LV2】
【あなたは精神を行使する行動において一定の補正を受けることが出来る。それは日常でも行使される人間の根幹であり、しかしあなたはその効果を魔法行使の間にしか実感し得ぬだろう。精神とはマナ。マナとは魂。未熟な魂は未だ発展の余地を残している】
相変わらずのコメントではあるが、今回は少々その文面に考えさせられるものがある。このスキルが戦闘以外でも補正が効くような午が書かれているということは新たな事実である。そしてスキルLVが上昇すればそれが解放されるやもしれぬという期待も。
マナがどうのこうの言うのはフレーバー的な何かだろうか。このシステムコメントはどうも含ませる物言いが多い気がする。
「あら。レベルアップかしら?」
「精神統一が上がったよ。案外早いのだな」
「まだ限界値が定かじゃないもの。もし999が限界値だったら果てしなく遠いわよ」
「まぁ上がるに越したことはないさ」
先ほど防御に使った杖の先端を眺めながら先を見据えた。
襲い掛かる敵、と言ってもトカゲだけだがそれを倒しながら進んでそれなりに立つ。ゴルドさんも試験と称したほどの場所ゆえそうも遠くないと考えていたのだが。
地図を買うという話もあったのだが、道具屋で売られていた地図の価値はなんと50000ガルズ。この世界における地図の価値はやはり高いらしい。それゆえクダカンの遺跡の場所も聞き込みによる情報のみ。どこまで正確なのやら。
スキルLVが上がったことはさておき先に進む。唯一道具屋で変えたコンパスは精度が悪いらしく、時折立ち止まってコンパスを固定してみても中々止まってくれない。物自体が悪いのか、それともこの世界で使われるコンパスはこの程度なのか。どちらにしても今は手元の情報を信じて前に進まねば。
そうしていけばやがて私たちの視界には倒壊した家屋のような崩れた建物が現れた。
「これ?」
「いや、まさか」
それを目の前にして佐門君はじとっとした目でこちらを見やる。さすがに私もこれがクダカンの遺跡だとは思えなかった。
半円上に広がる石畳。その上に積み重なる石煉瓦は確かに建物であったことを匂わせる。だがしかし家一軒分の大きさしかない、この崩れたものが遺跡というには……。
予想していたものとあまりに違う風景に私たちは確かに落胆し、そしてどうすればよいか悩んでいた。魔力結晶など、どこにあるというのか。
「まぁ予想していたのはあれよね。地下に潜って」
「罠などを避けて」
「宝を守るボスを倒して」
「運がよければ貴重な品を発掘したりか?」
佐門君と顔を見合わせ、同時にため息を吐いた。
とにかく、もしもこれが『遺跡』というからには探索しなければならない。そのようなことをするほど大きい探索場所でもないというのに。
「ひょっとしたら隠し通路とかもあるんじゃない?」
「どうだろうか。この場所の情報は街の酒場で手に入れた。つまるところ少し詳しい者ならここを知っているということになる。だというのに隠し通路云々というのは」
「あれよね。観光地のような口ぶりだったものね。情報提供者」
やる気が一気に削がれたような表情の彼女をちらりと見て、思案する。
正直な話。今日一日で魔力結晶を取ってくるつもりは毛頭なかったのだ。なにせ遺跡の中に潜り宝を取ってくるというのだ。とても適当な段取りで成功させられる試験ではなく、であれば今日は遺跡の前まで行って場所を確認し、また明日に備えるつもりだった。
それは佐門君とて了承済みであったし、どちらかというと今日は初めてのパーティプレイと適度な戦闘経験を得るための慣らしだったのだ。
「まぁ、場所がわかっただけでも」
「わかってもその先がなくちゃしょうがないでしょ。モンスターすら……」
「どうした?」
「……おかしいわ。モンスターの姿が一切ないもの」
だらけた雰囲気を一変させ、鋭い目つきで周りを警戒し始めた佐門君の態度にこちらも危険なものを感じ、杖を構える。
言われてみればそうだ。ノンアクティブモンスター(佐門君談)と呼ばれる羽無し鳥は常にこの雑木林の中を徘徊しており、手を出さなければそこらの野草を啄む、見た目可愛らしい動物でしかなかった。
そんな彼らが、この遺跡から見える範囲には一匹もいない。トカゲと戦闘を繰り広げる横で食事していたりもする、あの間抜けなモンスターが、だ。
よく聞けば鳥の鳴き声も遥か遠く、この遺跡の真上は巨大な木々の枝葉で隠され、まるでこの地だけが隠されたようにして薄暗くなっている――――いや、薄暗くなりつつある。
「いくら林の中でもさすがに暗すぎるわ」
「現在進行形で、ね」
どんどん、どんどん周りから光が消えていく。まるでそれは鬱蒼としたジャングルの奥地を感じさせるような湿った闇。ごくりと唾を飲み込めば――――私たちは一斉にその視線を遺跡の中心へと向けた。
山となった煉瓦の中。その隙間から漏れ出るようにして蒼い何かが這い出ている。
すでにウィンドウはロックストーンで待機させておく。選択してから発動までを維持して自分のタイミングで発動できれば幸いなのだが、そんな都合のいいことはできない。
蒼い何か。それは炎であった。
液体にも見えたそれは渦を巻くようにして宙で混ざり合い、やがて意志が宿ったかのようにしてぐるぐると踊る。
大きさは人の身体程度。そんな大きさの蒼い炎がゆらゆらと蠢いていた。
「どう思う?」
「敵だろう」
「槍が効くように見える?」
「…………ありったけを撃つ。隙を作れるかな?」
「任せなさい」
戦闘は佐門君が炎に向けて駆けだしたことで始まった。
彼女からの明確な敵意を察したのか揺れるだけだった炎は体を震わせ、脈動するかのようにしてその身体を大きくしていく。しかし佐門君の踏み込みは何よりも早く、その振る舞いとは真逆の武骨な槍が炎の中心を貫いた。
「っ!?」
手ごたえは、ないのか。背中越しに見える彼女の表情はわからない。だがしかし一突きしただけで佐門君は飛び上がるようにして後退し、私の方をちらりと見ては疲れたようにして首を一度傾げた。
炎に物理は効かず。互いに分かりきったことだったが――――炎はその身体に風穴を作りつつもそれを包むように元の形に戻っていく。
しかし、私ならばこの状況を打破できるはず。
【アビリティ発動『ロックストーン』】
右手に浮き出た紋様を勢いよく突き出し、押し出すようにして岩塊を発射する。射線上の佐門君はすでに退避し、一直線に炎に向けて飛んでいく塊。確かな確信。当たる!
はたして、魔法ならば通ると考えた私たちの考えはどこから来たのか。それはゲームに親しんだ佐門君だからこその判断かもしれないし、遠い記憶の中にあった、魔法なら、という私の万能感によるものなのかもしれない。昔のゲームでは『そんな感じだったはず』という。
「…………」
びっくりするほどあっけなく、塊はぼふりと音を立てて炎にぶつかり、そして地面に落ちた。
時が止まったようにして固まる私と佐門君。炎は一度霧散するかのようにして散らばり、やはり何のことはないように再び集まりだした。冷や汗が流れる。
そんな我々をあざ笑うかのようにして炎は踊る。そして――――やがてその不定形は輪郭をはっきりと形作り始めた。蒼い炎が揺らめきを止め、丸い輪郭を帯びてその中心に表情を描いていく。
そして出来上がったのは――――佐門君がたまらず声を上げた。
「こいつ…………幽霊!?」
薄水色の球体に苦悶の表情を色濃く映したそれはまさに、霊魂そのものであった。
――――であれば、突破口は開ける。
未だ不安が離れぬ思考の中で、私は一筋の光明を見たのだった。
【土属性魔法『ロックストーン』】
【展開させた魔法陣より魔力で編んだ土の礫を射出する土属性魔法の基礎魔法。射出された礫にも射程距離があり、やがては地面に落ちて消えていく。土属性を持ちながらも物理属性の面も持っており、単純な魔法防御を打ち破る力も有する】
【原初魔法の始祖であるヘヴァティゴの弟子、土塊のルルニによって生み出された土属性最初の魔法。まず彼女は土を投げることから始め、やがては自らの魔力を土に変換させるまでに至った。投げ続けた土の山はルルニの山とも呼ばれ、彼女の魔力が混じったその山は霊峰と称されるほどになった】