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樹の翁  作者: A.TER
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scene3 【始まりの街、サファル】

始まりの街、サファル。基本的にチュートリルクエストを終えたプレイヤーたちが立ち寄ることになる街ではあるが、だからといってそれは一角の小さな街ということではない。

街の入り口から見える領主の屋敷は広大で、見上げんばかりに天を衝く見張り塔はそれだけで異様だ。街の周りは灰色の石壁で覆われ、それはもはや街というよりも砦にふさわしい。

だというのにその内部は人々の活気に満ち溢れ、多種多様な人間で賑わう一個の国とも言えるほどだ。住宅街を走り回る子供たち、店先で客引きに余念がない商人たちの大声、街中を巡回する衛兵はどれもフルプレートの鎧に覆われている。


ただ単純に圧倒させられた。


サファルの街の中央広場。女神の樹と呼ばれる巨大な樹を囲う中央公園の一角に私は腰を落ち着けて街の様子を眺めていた。

樹に留まる鳥たちの鳴き声と子供たちの遊ぶ声が混じり、心地よい日光が降り注ぐその有様は『休日』のそれと同義だった。

さすがに情報収集と称して一日中街中を歩き回ったのはいささか精神的に疲れた。それにどことなく空腹感というものもある。これは何かを腹に入れねばなるまい。


さて、街中を探って得た情報を整理すれば、冒険者と呼ばれたプレイヤーたちがまず立ち寄るのは何といっても【冒険者ギルド】である。ギルドが国、組織、個人から問題ごとを請け負い、それを冒険者たちが解決する。そしてその際に金銀やアイテムの類が払われる仕組みは珍しくもないものだろう。

今の私はただの自称。だからこそそこでライセンスを発行してもらうことが第一の前提なのだが……。


「ままならないものだ」


盛大にため息をついて装飾付きのベンチの背もたれに身体を預け脱力する。

ギルド施設の場所を突き止め、そこへ向かった私が見たものはプレイヤーと思わしき冒険者たちが長蛇の列を作っている光景だった。

当然の話ではある。βテストとして多数の冒険者が一斉にこの世界に現れそしてその目的のほとんどが同じであるというのならば、こうなるのは目に見えている。ひょっとすればあの列は今日中どころか明日まで続くのかもしれない。


であるのならば、私にとってあのような列で一日を過ごすのは少々我慢できないものだった。歳を重ねてもなお、いや、新たな自由を得たのだからこそ年寄りが唯一持ち得る忍耐というものを私は捨てた。

せっかく身体が自由に動くこの世界、ただ座して待つというのはあまりにもったいない時間の浪費だ――――といっても他に考えが及ばない今も時間の浪費に他ならないが。


すでにライセンスを得たプレイヤーに話を聞こうかとも思ったが、彼らも我慢できないのかギルド施設から出てくるなりそそくさと依頼書のようなものを片手に走り去っていくものばかり。まぁ、それはそうだろう。一人を許せば質問攻めにされるのは目に見えており、彼らもまた早く冒険がしたくてたまらないのだ。


再び私はため息をついた。これではまさにリストラを勧告された哀れな中年親父ではないか。客観的に見た己に嫌悪感を抱き、無理やり顔を振って立ち上がる。何か行動せねばならない。

なぜ冒険者ギルドに入るか。それはてっとり早くイベントに関わることができるからであり、そしててっとり早く金を得られるからである。であるならば――――。


「別段ギルドに入らずとも、か」


つぶやきと共に私は歩き出す。正攻法というものも悪くはない。

だが金を得る方法など一つではなく、イベントを発生させる方法などそれこそ無数にあるはずなのだから。




scene3 【始まりの街、サファル】




サファルの街は先ほど私がいた世界樹の広場を中心として東西南北にそれぞれ区画が分けられている、なんというか分かりやすい街である。

街そのものにはそれぞれ各区画に巨大な門が設けられそこから続く街道はどこかの地方に繋がっているのだろう。東区は住宅街。南区は商業区。北区が駐屯所や領主の館がある行政区。西区が鍛冶屋や工場の存在する工業区となる。

工業区からは時折金床が鳴る音が響き、行政区からは馬車や兵たちがよく出入りしている。街の正門入り口でもある商店街は人々に溢れ、住宅街はこれといったイベントがなければプレイヤーは立ち入ることは少ないだろう。


そして、私はそんな街の商業区に向かっていた。

やはり他の区画と比べればプレイヤーらしき、つまるところ貧弱な装備に身を固めキョロキョロと辺りを見回す冒険者が多く見られ、中にはすでにパーティを組んでいるのか複数で屯している集団もいる。

もともとこの街に住む人間は冒険者の姿に慣れているのか、ちらと横目で見てはそれだけ。特に鬱陶しいと思っているわけではないらしい。


さて、街の様子もそこそこに私は商業区のさらに南部側。大通り商店街から少し外れた正門近くの店へと足を運んでいた。裏通り、というわけでもないがやはり大通りより人の姿は少なく、まるで迷路通りのようにして立ち並ぶ石造りと木造りの家が立ち並ぶ光景は、あまり商売に適した立地ではないだろう。

だがそんな場所でこそ掘り出し物を発見できるのか、好奇心に駆られたプレイヤーや商人らしき風貌の人間がうろついている――――プレイヤーの数のほうが街の人間より多い気がするが。


とにかく、私が訪れた店は一県普通の雑貨のようにも見えるが、店先に吊るされた野獣らしき燻製の肉やらショーケースに保管されている見た目黄金のナイフなど、もはやそこは雑貨屋というより何でも屋といったほうが正しい。そして店先の看板にはこう日本語で書かれていた。


【ゴルドの不思議な雑貨店】


その呼称はどうにかならなかったのか、と一瞬呆れもしたが、カウンターで頬杖を付いていた男がこちらを見るなり笑顔を浮かべて手を振ってきた。無論店名が示すようにチュートリアルクエスト後に会ったゴルドさんである。


「また会いましたな。シスケさん」

「どうも、ゴルドさん。何とも風情のある店だ。こういうものを見るとわくわくしてくる」

「はは。家内にはもう少し片付けろと言われてはいるんですがね。商品の陳列だけでも客は変わると」

「私は好きだがね。無作為に並べられた品々はどこか隠れ家を思わせる雑多な雰囲気がある……男の子にしかわからぬ感覚だ」

「ですな」


他愛ない話で盛り上がる。カウンターに座る彼は草原であった姿よりも店に居座るその姿のほうが似合っていた。玄人しか知らないような秘された雰囲気。実に好ましい。

本来であれば金を持った状態で立ち寄りたかったのだが、ギルド申請さえ面倒であるこの状況では彼を頼るしかあるまい。申し訳なく思うのだが。


「ゴルドさん、ここは一つ話があるのだが……」

「儲け話ですかね?」

「そう言われると自信がないな。言わば投資だよ」


言葉にすればのんびりとした雰囲気を漂わせていた彼はその空気を一変させ、目を細めてこちらを値踏みするように視線を投げかけている。これがこの世界に生きる商人の姿か、と私は少々身震いした。


「商業区のギルドの様子をあなたは知っているかな?」

「勿論ですが…………成程。今すぐまとまったお金が欲しいと」

「そういうことでもある。だがそれ以上にあのような道だけが一つだけでもあるまい、と考えていてね。だが私は所詮駆け出しだ。知り合いも少ない」

「だから私の元に来た、と」

「……駄目かな?」


内心の不安を隠すようにして問えば、ゴルドさんはゆっくりとため息を吐いて苦笑した。


「シスケさんは冒険者がギルドを通す意味、というのを理解していますかな?」

「依頼と受注の簡略化。依頼者側への保険、冒険者の安全の保障、といったところかな? ギルドという仕組みがあれば依頼者と受注者が互いに相手を探す手間も省け、どちらかが不手際を起こしても間に入ったギルドが仲裁し、ある程度の補助をすることもできる。余計な争い、余計な手間。そういったものを省くためにあると考えるが」


合っていたのかそうでないのか、ゴルドさんはほぉ、と一息吐いて目を輝かせた。


「それとリスクの軽減もありますね。簡単に依頼、と言っていますが要は信用問題です。これだけの金をやるからこれをやってきてくれ。よく考えればそれは実にハイリスクハイリターンです。冒険者にとっても我々依頼者にとっても」

「ふむ」

「失敗すれば依頼金は全くのムダ金になり、悪ければ前金をもらって逃亡する輩もいる。冒険者からしても依頼の難易度を偽る依頼者もいるかもしれない。そうなればそこで起きるのは両者の争いです。そして依頼者はより良い冒険者を求めることになる。新人冒険者は冷や飯食らいですな」

「成程」

「だからこそギルドを通さずに依頼し、そしてそれを受注する。それは互いに、それこそ病的なまでの信頼と信用がなければ成立しない。依頼者は金が。冒険者は命が。そこらの聖教者ならば命が第一と謡うのでしょうが、私ら商人にとってはそれは同貨です。天秤に乗せられるものではない」


道理である。そしてこの流れを読めば私の申し出が如何に双方にとって難しいことだと理解出来た。さらに言えば私は何の実績も持たない冒険者。そう考えれば実に私は恥ずかしくなった。

相手の都合も考えず良心に寄り掛かろうとするなど……それにギルドを優先しない理由もただ単に時間が掛かるから、面倒だから程度の話である。例えゲームであろうとも、いやVRMMOであってもなお急がば回れ、ということなのだろう。

しかし渋い顔を隠すことができず顎鬚にを撫でれば、ゴルドさんは慌てたようにして両手を振った。


「あ、いや、だからといってシスケさんの話を飲まない、というわけじゃないです」

「む? しかしだね……いや、それはありがたい話だが」

「こちらも考えがあってのことです。お気になさらず」

「なら――――」


一度良しとしてくれた好意を無駄にするわけにもいかず、少々の罪悪感を抱きながら私は詳しい話を展開させた。

詰まる所、商売に繋がる人間と直接関係を結べばギルドの手を借りずとも依頼受注の関係を受けることができるのではないか、ということだ。勿論ギルドという組織は巨大でその分利便性では他の追従を受け付けないだろうが、そういった一般的な選択も面白くない。

――――まぁ先ほど赤っ恥を掻いたばかりだがゴルドさんが了承してくれるなら是非に及ばず。


ゴルドさんは足がかりだ。この世界でも現実と変わらぬルールが働いているのならば、商人同士の繋がりは深い。これを機に他の伝手を手に入れることが出来れば攻略も進みやすくなるだろう、と考えたのだ。

今はその攻略、というよりもゲームそのものの目的があやふやしているせいで微妙な展望ではあるが。

そんな話をしてみれば、ゴルドさんの目つきはさながら面接官のような厳しい瞳に変化した。これからが本番、というところだろう。


「分かりました。何の因果か冒険者が急増した手前、新しい風を入れなければならんのでしょう。ですがこちらも商売。私の眼鏡に適わなければ……」

「もちろん。一考してくれるだけでも有難い。では、その試験とは?」


こちらも相応の覚悟を以て相対する。そうすればゴルドさんは店内の品々を指差しながら真剣さを帯びた口ぶりで説明し始めた。


「見ての通り私の店はこれ、といった傾向なく様々な商品を扱っている店です。ポーションや解毒薬を売る薬屋でも武器防具を扱う武具店でもない。しかしそのどちらもある、と言えばあります」

「何でも屋、と言っていいのかな?」

「間違いではありません。ありとあらゆる商品を取り扱うつもりですから。しかしシスケさん。思い出してください。我々が出会ったのはどこですかな?」


別に遠い記憶でもない。ほんの少し前の話だ。そしてそれを鑑みれば彼と出会ったのはあの岩肌に扉を取り付けた地下部屋の前だろう。であるならば――――そこでふと首を傾げた。あんなところに一介の商人が立ち寄るものか、と。

あの後すぐに帰還のスクロールでこの街に移動してしまったせいであの場所がどの辺りかはわからないが、周りに街道らしきものはなかったはず。その事実に思い当ればゴルドさんは満足したように頷いた。

おそらく彼は。


「そう、私の店の本質は【掘り出し物屋】といったところでしょうか」

「だから私がいた場所を探索しようとしていたのか」

「ええ。本来なら冒険者を雇い、それこそギルドの手を借りて探索してもらえればよいのですが……まぁ、世知辛いですから」

「成程、なるほどね」

「ですから自然とシスケさんに課す試験もそういった類のものになります。つまりは――――遺跡探索」


言葉を区切り彼の口から出た言葉に、私は生唾を飲み込んだ。

遺跡探索。なんと甘美で恐ろしげな響きだろうか。冒険者である私が遺跡の中を探索する。ただそれだけで期待に高まる胸を押さえつけた。これだ。これを待っていたのだ。


「そのような眼をされると頼もしいですね。しかし前人未踏の遺跡に潜れというつもりはありませんよ」

「それは有難い。いや、遠い未来、そういった遺跡にも潜ってみたいのだが」

「その一歩目もここから、ですよ」


互いに笑いあえば、ウィンドウが勝手に開き、クエストの欄が点滅し始めた。



【クエスト『崖の淵』発生】

【普通、凡俗、常道。それをあなたが嫌ったのかどうかはあなたしか知りえない。しかしあなたは孤独に邪道を行く道ではなく、縁を頼り突き進む王道を得たはずだ。しかし悲しいかな、いくら大仰な言葉で隠しても、あなたは踏み台となる伝手を求め、商人は金の成る木を求めただけだった】



――――中々ユニークなシステムだな。

私はゴルドさんと握手をしながら口元をヒクつかせた。



◆◆◆




さて、ゴルドさんの店から出て再び女神の樹がある中央広場に戻り、しばし情報を整理する。

ゴルドさんから課された試験はこうだ。【サファルの街より南西にある『クダカンの遺跡』に向かい、そこで『魔力結晶』を持ってくること】である。

――――この街周辺の地理、クダカンの遺跡に現れるであろうモンスターもしくはトラップ、魔力結晶とやらの所在。その全てがわからない状況から始めなくてはならない。


本来であれば、あの場でゴルドさんに聞くこともできたのだ。だが私はそれをしなかった。

ゴルドさんが私に望むのはそういったことを独自に行える冒険者のはずだ。独自に情報を集め、準備し、そして+αも期待できるような。さすがに初めて故に+αまで欲張ることはしないし、できそうもない。

だがしかし普通に仕事をこなす程度は見せてやらねばならない。


そこで私はウィンドウを開き、しばしそこに並ぶ内容について思案した。

所持品の中に光る【所持金:2000ガルズ】をどう使うべきか。実のところすでに金は持っている。それでも商業区の店を一瞥すればこれが如何に雀の涙であることが伺えたのだ。

体力を回復させるポーションなど一番低級の物で一個400ガルズ。武器防具にいたっては頭か腕の部分装備を一つ買えばそれが吹っ飛ぶ額だ。

未だ他プレイヤーによる生産者が出ていないらしく価格の変動はないらしいが、これから時間が経てば経つほどそれは顕著になるのだろう。


であれば私はこれを最大限活用して遺跡探索に備えなければならないだろう。

全く、たとえ現実だろうと仮想空間だろうと金があらゆることの根幹となってしまうのは歯がゆいものだ。それゆえに馬鹿に出来ない。

それにもう一つの問題として他プレイヤーを誘うかどうか、というところである。


ただ単純にギルドライセンスを受け取り、ギルドから受けた依頼をこなすのであれば他のプレイヤーを誘うのもいいかもしれないが、これは金銭やアイテムが絡む依頼というよりかは、信頼を勝ち取るクエストだ。あまりパーティを組んで依頼をこなす、というのも如何なものか。

そこをゴルドさんはどう思うか。彼の口ぶりではそう多くの冒険者を抱え込む午の発言はしなかった。ならば、どうするべきか。


「ふむ」


一息吐いてもう一度ウィンドウを睨み付ける。

スキルの欄は相変わらずで変動したところも見受けられない。その中で目立つのはやはり農業のスキルだろうか。金に困るとは予想していたがこのような状況になるとは。農業などは先立つものがなければ何も出来ない。設備に人員、そして種子に情報など。これは初期スキルとして取るものではなかったか。私はソフィア君がこちらを困惑した表情で見ていたことを思い出し、苦笑した。あれはこういう意味か。


などと考えていれば視界の向うから確かにこちらへ近づいてくる人影が見えた。

中央広場はそこらの学校のグラウンドほどの大きさはあり、女神の樹だけでなく観賞用の花々なども綺麗に並んでおり、つまるところ単なる観光用か休息用の場所であり、ゲーム開始から街中を駆け回る冒険者が立ち寄るような場所ではない。

とどのつまり、その人影、冒険者の出で立ちをした人間が来るのは非常に珍しい。ともすれば私と同じく小休止か、とも思ったが――――どうもそうには見えない。


確かに装備は初期装備の貧弱な皮鎧だった。だがしかし風に靡かせる黒髪は腰まで届き、日光を浴びて光るそれは漆器のようだ。流れる髪に隠れてちらちらと見える顔はソフィア君にも負けず劣らず美麗で、彼女と比べればどこか艶っぽくもある。それに加え体つきも冒険者というよりはまるで舞台役者か何かと見まごうほどだ。所詮見えたのは鎧から露出された腕と太ももくらいだったが。

そんな如何にも着物の似合いそうな黒髪の美女がこちらへゆっくりとやってくる。確かに彼女はこちらを目的としているらしいが、さて、何の用があるのやら。


「こんにちは、ご老人」

「こんにちは、お嬢さん」


邂逅は朗らかに。

それでも彼女の真紅の瞳には、あまりに大きな炎が見えるようだった。

情熱ともいえる、真っ赤な炎が。

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