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ジジイ爆ぜる  作者: おやびん


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1/5

糞適当な内容なんで細かい事は考え無いで読む事をオヌヌメします。ご都合主義ってやつです。

爆ぜるとか言っておいてジジイが爆ぜるのは3話目からです。

それまでは爆ぜないジジイをご照覧あれぃ。

 「おめでとうございま~すっ!!」


 師走の慌ただしい商店街の一角、歳末福引き大会の仮設テントにて、景気の良い叫び声と派手なハンドベルの音が鳴り響いた。


 「特等賞ご当選おめでとうございます! 賞品はこちらの最新型VR機器一式と、専用ソフト【Elegant paradise】でございます」


 ゲームのぅ…… (わし)ゃあ6等のスルメイカがほしかったんだがのぅ。


 特等を運良く引き当てた鮫島哲也は、正直まったく嬉しくなかった。

 ゲームなんてガキの頃にやったくらいで、ジジイになった今では、とんと興味は無かったのである。


 そうは言っても、当たってしまったものはしょうがないと、中々な大荷物をえっちらおっちら運んで帰宅して、とりあえず開封してみる。中にはヘッドギアやらなんやら色々と入っていた。重てぇわけだと思いながらも取り出してセッティングしてゆく。


 「ほんでじゃ、これがゲームなんじゃろ? フルダイブ型VRMMO…… さっぱりわからん」


 いわゆる【侵略者(イン◯ーダー)】世代の哲也は、自分が知っているゲームとは明らかに違うそれを理解する事を諦め、放置する事にした。そもそも大して興味もない物だったので、所詮はそんなもんである。


 【Elegant paradise】


 このゲームは高い自由度が持ち味のフルダイブ型VRMMOとして好評を博しており、老若男女広く指示されているヒットゲームである。

 ただ、自由過ぎるがゆえの弊害か、ゲームバランスに問題があったりもする。運営が採算を度外視した悪ふざけとしか思えない事が多々あるのだ。

 人気がある反面、アンチも多数存在する。その為、人は何時しか【愛すべき糞ゲー】と揶揄するようになった。


 そんな有名ゲームだなどと露も知らない哲也の思考からは一切消え去り、部屋の片隅で埃を被っていくこと数日の事。


 「ぶはぁ~い! 効くぜぇ。安ワインらっぱ飲みこそ漢の誉れよのぅ」


 誉れではない。


 その日も哲也はしたたかに酔っぱらっていた。晩酌が哲也の日々の楽しみであるからだ。


 「うぉっと、空になっちまったのか。なんじゃい夜はこれからだってのに。買い置きも無ぇのかこんちくしょう! 誰かエチルでもメチルでもいいから持ってこーいっ!!」


 工業用アルコールは流石に如何なものかと思うのだが、そんなくだを巻く哲也の目にある物が映った。


 そういやぁ、こんなもん当たりよったな……


 部屋の片隅で埃を被っていたゲーム機材一式である。

 普段なら100%スルーするだろうが、いかんせん今は酒が入っている。良くわからぬままに、それはもうただ何となくヘッドギアを装着して、ゲームの世界へと身を委ねていった――――


 

 『ユーザー名を登録して下さい』


 真っ白い空間の中で、目の前には可愛い妖精が飛んでいた。


 「なな、なんじゃあこりゃあ!!」


 ジェネレーションギャップである。久方ぶりに始めたゲームは、ジジイをビビらせるには十分なインパクトがあったようである。


 『さっさとユーザー名を登録しろってんだクソヤロー』


 「おお、す、すまんの」


 妖精は短気な上に口が悪かった。


 「でもユーザー名言うてものぅ、なんて付けたらいいもんやら…… まぁええわい適当で。[便所コオロギ]でよかろ」


 酔っぱらっいジジイが適当に決めたらこんなもん。妥当とも言える素敵な名前であった。


 『便所コオロギさん、はじめまして! 私は妖精のリルリル。今から私と一緒に便所コオロギさんのキャラクターメイキングをするよ!』


 妖精リルリルの指示のもと始まったキャラクターメイキング、先ずは種族の選択。


 『この中から好きな種族を選んで!』


 リルリルが表示した種族には人間やらエルフやら色々と種類がある。勿論その種族によって得て不得手、特殊なボーナスなどの注釈もあるのだが。


 「ど・れ・に・し・ちゃ・ろ・か・な……」


 酔っぱらっいなんてこんなもんである。天の神様のみぞ知るやつだ。


 「リルリルちゃんこれでお願いじゃ」


 『人間(ヒューマン)ですね!』


 人間、それは良く言えば万能、悪く言えば器用貧乏。当たり障りのない種族で、もっとも初心者向けとも言える。


 『続きましてビジュアル設定になります。このキャラクターの男性、女性どちらかを選び、お好みの容姿に変更出来ますが、行いますか?』


 初期設定のキャラクターはそこそこ美形に出来ている。美形過ぎない良いさじ加減だ。


 「かぁ~こんな優男、儂ゃあ嫌いじゃね。変更したろかい。ほうほう、年齢をいじくると年相応に変化しよるんか。下は10歳~100歳までじゃな、大は小を兼ねるしの、100歳にしたろ」


 100歳が10歳を兼ねたらたまらない。しかし酔っぱらいにそんな理屈は通じない。


 「なんか仙人みたいじゃの。面白いからもっと仙人色を濃くしてみるかの……」


 ゲームに不慣れな酔っぱらいが調子こけば、待ち受けているのは惨憺たる結果のみである。


 「な、なんじゃか、仙人てより河原のガード下で段ボールハウスこさえてる方みたいになっちまったのぅ……」


 ボサボサヘアーに伸びまくった髭。歯っ欠けガリガリ爺さん爆誕である。


 『こちらのキャラクターで登録致しますか?』


 「作り直すの面倒だし、まぁええわい」


 『それでは続きましてステータスの割り振りになります。こちらは今は行わずに後から割り振る事も可能です。ただしその場合におきましては、割り振るまで最低値のステータスでプレイして頂く事になります』


 このゲームは自由度を上げる為に、ステータスはレベルアップでは上がらない。イベントやクエストをこなしたり、レベルアップするとステータスポイントが手に入り、自分で好きなように【力】や【速度】に割り振るのだ。一部例外を除き、魔法やスキルはステータスが一定値に達すると取得出来るようになる。


 種族によって魔法等の取得ポイントが違うので得て不得手こそあるが、頑張り次第ではドワーフでバリバリの魔導師や、エルフでタンク職みたいなプレイも出来る。そのプレイにどんな意味があるかは別問題ではあるが。


 「よくわからんから後回しじゃ!」


 当然、ジジイにはなんこっちゃわかるべくも無い。

 

 『では以上を持ちましてキャラクターメイキングを終了致します。それでは【Elegant paradise】の世界を存分にご堪能下さいませ』


 リルリルが手にしている小さなステッキを振り回すと、ジジイの視界は暗転していった。


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