第三十五話(?) 第一章あとがき
【注意】
この話(?)はゲロムスの遺児第一章のネタバレを多分に含んでおります。「ネタバレ踏みたくないぜ!」という方は第一章をお読みになってから読んで下さりますようよろしくお願いします。
また、ゲロムスの遺児本編では和製英語やアラビア数字などを使わない、といった縛りを設けておりますが、ここでは特にそういった縛りはせず、またメタ的な発言もします。ご了承下さい。
はい、突然出てきました。作者の粟沿曼珠です。
いやー、章ごとにあとがきを書きたいなーとはずっと思っていたのですが、思い切ってやっちまいましたね。雰囲気ぶち壊しで申し訳はありませんが、自分はなるだけ好きなようにやるというスタイルですので、ご了承下さいまし。
新版ゲロムスの遺児を投稿し始めたのが2023年の2月半ば、そして内容に満足いかず改訂版を投稿し始めたのが同年9月の後半、そして第一章が完結したのが2024年の1月後半。
新版ゲロムスの遺児の公開から一周年が目前に迫っている訳ですが、それまでに改訂版第一章を投稿し終えたのは、まあ就活だの卒論だのあった身としてはよくやった方だなーと思っております。まあもっと早く終わらせることもできただろと言われたら否定はできないのですが……
旧版は2020年に投稿し、そこから筆を折って長い時を経て新版の執筆を開始、そしてその内容に満足いかず改訂版の執筆を開始——そうして出来上がったのが、本作です。
上手い人と比べたら遥かに下手でしょうし、自分としてもまだまだなところがあると痛感しているのですが、それでも自分のできる限りの能力で、自分の満足いくような作品を作ることができたと思っております。
それもあってか、自分の想像以上に読まれたり、評価されたり、コメントを貰ったり、果てにはファンアートまで貰ったりして……うぅ、涙ちょちょ切れですわぁ。
いや本当に、こうなるなんて予想していなかったんですよ。流行から外れ、難しい用語が飛び交い、ストーリーは重苦しく、酷く残酷な世界——まぁ多少読まれることはあれど、どうせほんのちょっとじゃろうなぁ、としか思っておりませんでした。
勿論上には上がおりますし、そんな方々と比べれば自分なんてうんちの鼻糞でありますが、それでも評価された。
それは本当に嬉しいことで、それもあって自分がここまで続けてこられたのでしょう。本当にありがとうございます。
ゲロムスの遺児は、元々ある作品を作っていたら勢い余ってできた作品でして、正直最初はあんま愛着無かったんですよね。
でも、今では作品そのものに対しても、作中世界であるゴーノクルに対しても、ミーリィ達キャラクターに対しても、そしてその物語の行きつく先に対しても、非常に愛着を抱いております。
或いはだからこそ、こうやって何度もより良くしてきたのでしょう。そう考えると、何かこみ上げてくるようなものがありますな、ハハハ。
というか、新版第一章が改訂版第一章の話数の半分で終わったと考えると、どんだけ内容が薄かったんだ……って話になりますね。まあ何というか、あの時は早く終わらせたい、早く結末に辿り着きたいと逸る思いがありました。
今でも早く結末に至りたいという思いがあります。でもそれ以上に、例え時間が掛かろうともより良いものを作ろうという思いを抱いております。
ですので、遥けき旅路になると思いますが、これからもミーリィ達の旅路を一緒に辿っていただければ幸いです。
さて、少し解説コーナーでも挟もうかなーと。説明した方が良いかなーって思った要素があったので。
・魔術のシステム
この世界の魔術は、我ながら少々独特なシステムだと思っております。
ゲロムスの魔術師の右腕には『魔腑』と呼ばれる光り輝く無形の内臓が存在しております。魔腑はそれぞれ固有の魔術を持ちまして、それに応じて願うことで魔術を発動することができます。
この「願う」という行為は、文章としての願いも可能ですし、魔術によって起こしたい状況をイメージすることでも発動できます。例えば失った脚が再生する状況を想像すれば、その通りに脚が再生します。
この魔腑の中には『魔粒』と呼ばれる不可視の粒子が溜まっております。願うと同時に魔粒が放出され、その願い通りの事象を起こします。
魔術には、大雑把に分けると性能の弱い『基礎魔術』、性能の強めな『特化魔術』、そして一番性能の強い『奇跡魔術』の3種類存在しております。
それらの違いは「一度に消費できる魔粒の量」で、一度に消費する量が多い程強力になります。その為基礎魔術は弱く、奇跡魔術は強すぎるのです。
当然ですが魔腑が保有できる魔粒の量には上限があり、第三十一話でミーリィは魔粒が枯渇しております。またポンの魔腑は子供故に完全に成長しきっておらず、ジャレンは比較的早く魔粒が底を尽きると考えたのです。
ちなみにゲロムスの魔術師では無いミーリィやダス達も魔腑を持っておりますが、獲得方法は至って単純です。魔腑を食べるだけです。
一般ゴーノクル人も基礎魔術程度なら魔術を行使できますが、これは生物濃縮を想定して頂ければ。魔術師の死体が大地の中で分解され、彼らの魔腑を動植物が獲得し、そしてその動植物を食べることで人間が魔腑を獲得するに至りました。
勘の良い方は「じゃあ特化魔術や奇跡魔術が使えるんじゃね?」と思うことでしょう。実際、理論上は可能です。
魔腑は無形の臓器であるが故に、分解されてもくっつくことができます。しかしくっつくことができるのは同一人物の魔腑同士のみで、他人の魔腑同士ではくっつくことができません。まあ厳密に言うと違うのですが……その辺りは今後のお楽しみということで。
・ヘローク教団
これは魔術師の時代より続く人間の宗教の1つです。「ヘローク」とは「魔術」を意味し、その名の通り魔術にまつわるあれこれを崇拝する宗教です。
本編でも触れておりますが、教団にはいくつもの宗派があります。その中でも特に大きなものが『イレーム派』、『ネドラ派』、『昇天の民』の3つです。ちなみに前者2つは人名から来ており、またどの宗派も「天(信仰によって魔術師が死後に行くと信じられている世界)に還る」ことを目指しております。
ついでに軽く説明しておきますと、ゲロムスの魔術師を生み出した始まりの者は帝国建立を手伝った後に天に昇っていき、その姿を見て「俺らも天に還って、始まりの者のいる世界に行けるんや!」と思ったのが、ゲロムスの魔術師の天信仰の始まりです。当時奴隷だった人間はその対象では無く、それ故に教団が発足しました。
3つの宗派の大きな違いは信仰対象です。イレーム派は「魔術師」を、ネドラ派は「魔腑」を、昇天の民は「魔獣」を、それぞれ信仰対象としております。
前者2つについて詳細に説明しますと、イレーム派は魔術師そのもの、つまり魔腑と(便宜上の表現ですが)人間を信仰しております。一方でネドラ派にとって大切なのはあくまで魔腑のみで、その持ち主たる人間はどうでも良いのです。
ジャレンがポンの両親を殺したシーンに違和感を抱いた方もいらっしゃることでしょう。その理由はコレです。魔腑さえあれば、人間は殺しても構わない。実際昔のネドラ派は魔術師を襲いまくったキチガイ集団でした。
そんな彼らが今や主流となったのは、魔腑を喰らっていたことで、魔術師が滅びた後の荒廃したゴーノクルを簡単に復興させることができたからです。
ちなみに本編で全然触れられなかった(気がする)昇天の民なのですが、ゴーノクルで一番ヤバい組織と言っても過言では無いです。というか皆が本気でそう思っている。
具体的には、その気になれば世界を滅ぼすことができ(当事者達は善行をしているとしか認識していない点が非常にたちが悪い)、少しでも動きを見せればバチバチに争っているイレーム派とネドラ派が停戦協定を結んで全力で殺しに掛かり、さらにネドラ派にさえあまり関心を向けなかった程人間のいざこざに興味が無い魔術師が唯一介入して滅ぼそうとしました。まあ滅んでいないのでこうして残っている訳ですが。
・地理
地名や国名がいくつか出ているので、一応分類を。
・ゴーノクル:ミーリィ達の世界で、特に未開領域を除いた部分を指す
・ペリーエングシャ、バイドーグシャ、ブライグシャ、ヴァザン、ユール、モダール、ラードグシャ:地方
・新ダプナル帝国、ガース、ソドック王国、エトロン:国(ガースは本編で名前が出ていなかったと思いますが、ボリアのある国の名前です)
・ボリア:都市
とまあ、こんなところですかね。まあ語ろうと思えばもっと語れるんですけど、これ以上は需要が無いでしょう。
さて最後に、繰り返しになりますが、自分がここまで来れたのは読んで下さった方々の応援や評価があってこそだと思います。改めまして、本当にありがとうございます。
自警団おねショタ世界戦争系ハートフル曇らせ残酷冒険ストーリー——ゲロムスの遺児がどのような作品かと言えば、こう表現するのが気に入っております。
今後ともこの表現通りの物語を紡いでいきますので、どうか今後ともよろしくお願いします。え? 更新頻度が遅い? 正直毎日投稿とか無理っすよ……
——ゲロムスの遺児作者、粟沿曼珠




