09 夜営
無事に野営地に到着。
すっかり暗くなった中、
大型魔導ランタンの灯りの下で、
みんなで夜営準備。
「いいんですか、私もご馳走になっても」
はい、嫁たちも張り切ってますから、
がっつりいただいちゃってください。
「では、遠慮無くご相伴させてもらいます」
「歳上の素敵な奥さまと、歳下の可愛らしい奥さまと、やんちゃな妹さん」
「羨ましいくらいに幸せ家族ですね」
「私、ここにいる中で一番歳上ですよ、イレージュナさん」
えーと、こう見えてマジで歳上なんですよ、メリシェラちゃんは。
ただ、やんちゃなのは大正解ですから、お気になさらず。
「もしかして、皆さんお嫁さんでしたか」
「大変失礼いたしました」
「それにしても、ちょっと通報したくなっちゃうくらいに幸せさんなんですね」
マジ勘弁してください。
巡回司法官のお世話になるのは本当こりごりですから。
ナナさんとイオちゃんが競い合うようにして作った夕食は、
野営料理の範疇を超えたご馳走いっぱい。
イレージュナさんとメリシェラちゃんが、
競い合うようにして夢中で食べちゃってるね。
俺も負けじと全力で。
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片付けも終わって、
ナナさんとイオちゃんは早めのおねむ。
まあ、睡眠不要のイオちゃんの役割りは、
ナナさんの抱きマクラなんだけどね。
メリシェラちゃんは、まだ寝ないの?
「イレージュナさんだけに夜番させるのは申し訳ないし」
「アンタとふたりきりにしてなんかあったら、それこそ申し訳ないし」
はい、頑張ってね。