22 魔灸の森
さすがに全行程を幌馬車行脚ってわけにもいかず、
イオちゃん『転移』にも頼ったり。
エルサニア王国とクルゼス王国の国境の街ジオーネには、
イオちゃん『転移』でのご挨拶。
慌ただしくてごめんね、カミスさんたち。
後ほどのんびりお泊まりに伺います。
で、またまた『転移』でエルサニア王国南部へ。
エルサニア王都から南下したところにある、"魔灸の森"っていう深い森の奥、
フォリスさんのお宅も、さすがに幌馬車じゃ無理。
フォリスさんはベテラン狩人さんなんだけど、
さすがに竜とは初対面だったようで。
いや、常日頃から精霊さんたちとアレコレしてるのに、
そんなに驚かないでくださいな。
そんな感じで、フォリス家の皆さんと交流。
シュレディーケさんとのハグ、
マジごちそうさまでした。
「人妻、深追い禁止」
「我が家の乙女たちの総意」
あー、ごめんね、イオちゃん。
でも、シュレディーケさんはサバサバしたお姉さまだし、
夫のフォリスさんにベタ惚れだから、
絶対に変な方向には向かいませんよ。
『浮気とつまみ食いとの境界、難しい』
『嫁として引っ張ってくる予定なのが浮気で、そこまでじゃないのがつまみ食い、でOK?』
レミュさんは勉強熱心ですね。
とりあえず俺は、人妻さんとは絶対にそんなことしませんから。
「いや、人妻以外でも自重しろっ」
「そもそもこれ以上の増員は、この幌馬車じゃ無理でしょ」
あー、確かにそうだね、
みんなはメリシェラちゃんみたいにちっちゃくないし、
結構いっぱいいっぱいだよね。
荷物とかはイオちゃんの『収納』のおかげで余裕だけどさ、
乙女密度が高いっていうか、なんていうか。
俺はみんなと密着出来て、すっげぇ嬉しいんだけどね、この状況。
『なんなら、私に乗って空の旅』
うん、それってすごく楽しそうだよね、レミュさん。
でも、行く先々で大騒ぎになっちゃうから、変身は自粛してね。
そういえば、レミュさんの人族への変身って、
羽根とか尻尾とか無いタイプなんだね。
『あった方が、萌える?』
うーん、どうだろ。
今のままでもめっちゃ可愛いし、
せっかく揃えた衣装も全部手直ししなきゃならなくなっちゃうよね。
『じゃあ、いろいろ付いてる方の私は、お風呂とベッドのみの限定フォーム』
マジありがとうございます……




