17 紹介
眩しい光が収まると、
あらやだ、可愛い娘さん。
『私、歳上』
ごめんね、不躾で。
って、なんかデジャブなやり取り。
目の前にいるのは、イオちゃんと同い歳くらいに見える、
シンプルドレスでシンプル体型な、
赤髪ショートヘアも可愛らしい娘さん。
『この大きさならお世話も楽々』
ありがとうございます、竜さん。
『名前で呼んでほしい』
えーと、レミュラシ……
すみません、お名前がちょっと長めなので。
『愛称でも、可』
……レミュさん?
『満足』
『では、人族の住処へ』
出来れば俺の方も名前でお願いします。
『アマツ、さん?』
呼び捨てでも良いですよ。
『呼び捨ては夫婦のみ』
『夫婦、する?』
えーと、そういうのはちゃんとお付き合いしてからってことで。
『アマツさん、かなりお堅い』
『いっぱい嫁を連れ歩いてるのに』
あー、確かに嫁は多いですけど、
ってか、とりあえず俺んちに行ってから、
ゆっくり紹介しますんで。
じゃあイオちゃん、『転移』よろしく。
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我が家に到着、
まずはお茶の支度ってところが、さすがナナさん。
『お茶、美味し』
『こじんまりした住みやすそうなおうち、好印象』
『ではそろそろ、嫁紹介、よろしく』
「イオタです」
「"天使"ですが、それよりもアマツさんの嫁でありたい、です」
「レミュさんがアマツさんのお嫁さんになってくれるよう、頑張ります」
「これからよろしくお願いします」
『"天使"と暮らせて嬉しい』
『後で、この家の嫁のしきたり、詳しく教えて』
「妻のナナミリスです」
「アマツさんの甘やかし担当です」
「この家に住んでるみんなが気持ち良く暮らせるよう、頑張ってます」
「やりたいこととか不満があったら、遠慮無く相談してくださいね」
『私も甘えても、可?』
「どんとこい、ですよ」
「でも、アマツさん最優先が私のルールですから、順番は厳守、かな」
「メリシェラ、です」
「お嫁さんではなくて、居候です」
「アマツさんが変なことをやらかさないかを監視する仕事してます」
「……手遅れだけど」
『ステータスが可愛さ極振り』
『早いとこお嫁さんするべき』
『何なら里の親戚を紹介したいくらい』
『細マッチョでイケメンな竜、興味ある?』
「勘弁してくださいよぅ」
「ってか、国への報告、本当どうしよう……」
『お仕事なら報告は構わないけど、人族の世界ではあまり目立つなと里長から言われている』
『血とか心臓とか、いろいろ欲しがるみたいだし』
『それに、この家が騒がしくなるのは、あまり好きくない』
『出来れば、静かな暮らしを希望』
「分かった、レミュさんに迷惑を掛けないようにって国に報告する」
「でも、この家で静かに暮らすって難しいと思うよ」
「一家のあるじがアレだし……」
はい、そこまで。
ってことで、自己紹介完了。
マウント合戦とかにならないのが、
うちの乙女たちの素敵なところ、だよね。
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「レミュさんは、食べ物の好き嫌いとか、あります?」
『生肉生魚生野菜は食べ飽きたので、それ以外で』
『もちろん甘いものは別腹』
「はい、デザートも頑張ります」
「じゃあ、イオちゃんとお夕飯の支度をするので、お部屋の準備の方はよろしくね」
おっと、そうでした。
えーと、今空いてる部屋は、と。
『静かな地下室があれば、嬉しい』
ございますとも、
結構な広さの地下室が。
じゃあ、俺は掃除しておくから、
メリシェラちゃんはレミュさんを連れて、日用品のお買い物、よろしくね。
『お買い物、楽しみ』




