13 手助け
そしてイオちゃんは……
「時々、側を離れるけど、ごめんなさい」
いいんだよ、イオちゃんのやりたいように頑張れば。
知り合いの手助けのために、陰でこっそり『転移』で飛びまわってるんでしょ。
「バレバレ……」
うん、優しいイオちゃんなら、きっとこうなるだろなって思ってたし。
"天使"のチカラ、無理しない範囲でバンバン使っていいんだよ、我慢しないでさ。
「この間、夜営していたイレージュナさんに、結構ヤバい魔物が近付きそうだったので、気付かれないようにこっそり瞬殺してきた」
「でも、こうやって知り合いがどんどん増えていくと、いずれ誰を助けるかを選ばなくちゃならない時が来る」
「そういうのは、なんか、困る」
もっと家族や仲間を頼っていいんだよ。
ナナさんも、メリシェラちゃんも、みんなだってイヤとは言わないと思う。
俺は、こんな感じだから、荒事には役立たずだけどさ。
それでも、なんかかんかは出来るかもしんないから、遠慮しないで頼ってね。
もちろんこれからも今まで通り、いっぱいイオちゃんに頼っちゃうんだけど。
「家族だからこそ……」
そゆこと。
「やっぱり、家族増量計画、急がなきゃ」
あー、そっちは俺のペースを重視していただきたいですね。
「嫁以外でも、頼れる家族が増えるのは良いこと」
「つまりは、マシマシは正義」
えーと、戦力重視じゃなくて、人柄重視の人選でお願いね。
どんなに強くても、一緒にいて疲れるような人は、ご勘弁ですから。
「もちろん、心の相性も身体の相性も、両方大事」
「ナナ姉は相性抜群とお薦めした理由、お分かりいただけたかと」
はい、その節は大変お世話になりました。
イオタ先生の慧眼、実にお見事でした。
「良きに計らえ」




