ポーション製作
翌日、ララは眠たい目をこすりながら学校の授業に出ていた。
魔法魔術学校は全過程を通常3年間で終える。
1年目は全員共通して一般魔術を学び、
2年目は治癒魔術、攻撃魔術、魔術研究それぞれの自分で専門を選んで学び、
最後の1年は治療院、軍、研究所での実習が中心となる。
先生「今日は体力回復用ポーションの製作実習をしま〜す」
太ったメガネの先生アダムが資料を配る。
アダム先生「実習は3人でやってもらうよ。今材料配りながらグループ決めちゃるからちょっと待っててな〜」
ざわざわと教室が騒がしくなる。
アダム先生「ほな、グループは…ここ3人とそこ3人、そっち3人と…」
先生が近くに座る生徒を適当にグループ分けしていく。
アダム先生「じゃ、ここ3人ね」
ララとノアとマックスが同じグループに分けられた
ララ「!!!!」
ノア「!!」
マックス「!ラッキー!!ララちゃんよろしくね!」
ララ「………」
アダム先生「薬草とフラスコとガラス瓶揃ってるかな〜。作り方は教科書見て確認してちょ。基本的に女子のがポーション製作は得意だろうけど全員できるように順番でやってな〜。記録してしっかりレポート提出することね〜」
アダム先生はそう言うと教卓でお弁当を広げはじめる。
生徒があっけに取られていると、
アダム先生「ん?早く始めんかい?ほれほれ」
先生は紅茶用のお湯を三角フラスコに沸かし始めた。
生徒たちはグループごとに集まりポーション製作を始める。
ララたち3人もララの机に集まった。
マックスが教科書を読む。
マックス『薬草をフラスコに入れて、魔力3から5で黄色になるまで変化させ、黄色になったら魔力2で緑から青になるまでゆっくり魔力を注ぎ青になったらすぐに魔力7で冷却し液化させる』
ララ「………」
ノア「………」
マックス「…だって。…聞いてた?」
ノア「聞いてたよ。お前できる?」
マックス「んー。やってみる」
マックスが薬草をフラスコに入れ手をかざした。
薬草がクルクル周り色が変わり始める。
黄色に変化するのかと集中して薬草を見ていた3人だったが…
薬草は赤く光って燃えてしまった。
ララ「!!!」
ノア「…燃えたな」
マックス「あらら…」
ララ「…魔力が強すぎたんじゃないかしら」
ノア「そうかもな」
ララ「次、私やってみます」
ノア「…ああ」(…結構、自発的なんだな)
マックス「がんばれララちゃん!」
ララが薬草をフラスコに入れて手をかざす薬草がクルクル周り黄色に変化した。薬草は、フワリフワリとフラスコ内を上下に揺れ徐々に緑色になる。
ノア「…おぉ」(…集中してる顔めっちゃ可愛いな…)
マックス「わぁ」
ララ(…魔力2を維持して青に変わったら魔力7で冷却…)
薬草が青に変わった瞬間ララは手を少し閉じ魔力を上げて冷却させた…すると薬草は液体に変わったがすぐにカチコチの氷になってしまった。
ララ「…クソ!」
ノア(クソって言った!!?)
マックス(クソッ??)
ララ「悔しい!もう一回いいですか?」
ノア「あぁ、頑張って」
ララ「はい!がんばります!」
ノア(一生懸命でかわいいな…)
ララは次の挑戦で見事にポーションを製作できた。
ララ「できました!」
マックス「すごいよ!」
ノア「すごいな!」
嬉しそうに笑うララを見てノアもマックスも笑った。
ノア「じゃあ次は俺の番だな」
ララ「頑張ってください!」
ノアが薬草をフラスコに入れて手をかざすと…一瞬で薬草が灰に変わり黒い煙がたった。
ララ「!!!!」
マックス「ぷっ!!」
ノア「………」
ララ「…くく、く…」(笑ったら失礼よね…でも)
ララは肩を揺らして笑うのを我慢した。
ノア「灰になったな……ぷっ!ははは!」
それから3人は目を合わせて大笑いした。
ララ「ふふふ、きっと魔力の出し始めが強すぎるんです。徐々に出すことって出来ますか?それかフラスコからできるだけ手を離してみるとか…」
マックス「なるほどね!よし!もう一回やってみよん!」
それからマックスとノアも試行錯誤し何回も挑戦してやっと3人ともポーションを製作することができた。
ララ「レポートは2人が挑戦してる間にまとめて提出しておきました」
ノア(けっこう真面目でしっかりしてるんだな)
ノア「あぁ、ありがとう」
マックス「ララちゃんありがと〜」
ララ「……べ、別に…2人のためにしたわけじゃないです」
ノア(この気の強い感じ…タイプなんだけどな…)
ララはこの日、学校に入学して初めて充実した気分を味わえた。