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その後④皇子様が部屋から出てこない

コンコン


『お食事の準備ができました』


 執事がノアの部屋をノックした。


ノア「……ドアの前に置いといてくれ」



『…かしこまりました』


 執事はメイドに指示を出し、ため息をつきながら廊下を歩いていった。



 ララは目を細くうっすらとあける。


ララ「…ん…あ、さ?」


 部屋の中が真っ暗で時間がわからない。


 あれから何度も何度もノアに抱かれた。


 記憶がはっきりしているのは初めの1時間ぐらいしかない。


 ララが身体を起こすと、それを邪魔するかのように2本の手が体にからまりふたたびベッドへひきずりこむ。


ララ「ノア?…今…何時?あっん…」


 ララの唇はすぐにふさがれてしまった。


 口づたいに冷たい水が入ってくる。


 こうしてノアは時より甘く冷たい水でララの喉を潤わしていた。


 刹那にまかせ声をだしているせいか喉がカラカラになっていたララは喉を鳴らし夢中で水を飲む。


 ノアが口から注ぎ込む水を全て受け入れきれずララの口から漏れて首筋、胸、腹へとゆっくり流れた。


 ノアはララの体に流れた水を、柔らかな曲線をえがく腹部から今度は舐めて拭き取る。


ノア「なんて甘いんだ…もっと飲みたい…やめてあげられない…」


ララ「あ…あぁっ…」

 (だめ…また……あたまが…おかしく…なる)


 ララはまた、意識を手放した。




 ノアはゆっくりとベットの上で体を起こした。

 

 ララを起こさないようにそーっとベットから抜け出す。


 眠っているララは口が少し開いていていつもより幼く見えた。

 

 柔らかなピンクブロンドがふんわりと広がり彼女のその小さな顔を優しく守るように囲っている。


 首筋と胸が呼吸と共に上下し自分がつけた跡がその白い肌には痛々しく見えてしまう。


 少しの罪悪感と反省、充実した征服欲が与える満足感にノアは酔いしれてしまった。


 無意識に微笑みながらララに上掛けをかける。


 そのまま起こさないようにガウンを羽織り自室を出た。


 廊下に出るとフルーツの盛り合わせとパンが何種類かワゴンの上に置いてあった。


ノア(そういえばさっき持ってきてたな…あの声は執事のベンだったか?)


 フルーツの中から葡萄を一粒もぎとり口に放り込む。


「やっと満足しましたか?おそようございます皇子様」


 ノアが振り返るとマックスが立っていた。後ろには何人かのメイドを連れている。


ノア「マックス…なるほどな、ベンはお前に頼みに行ったわけだ」


マックス「もう夕方になるからね。ほぼ丸一日寝室から出てこない皇子様を心配するのは執事としては当たり前でしょ」


ノア「…もうそんな時間か」


 廊下の窓から外を見ると確かに陽が傾き始めていた。


マックス「僕はララちゃんが心配だよ…かわいそうに絶倫皇子様に抱き潰されちゃって…」


 マックスの後ろにいるメイドたちがうつむいて顔を赤らめるが、ノアはそんなことは気にせず満足げに微笑む。


ノア「ララの入浴の準備をしてくれ。そこの食事も彼女に」


メイド「かしこまりました」


 ノアは部屋に入ろうとするメイドの1人を呼び止めた。


ノア「そうだ。脱ぎ捨ててあるドレスは彼女が眠ってるうちに処分してくれ。今何か新しいものを用意するから」


メイド「??はい、かしこまりました」


 メイドは不思議そうな顔をして、静かに皇子の部屋に入って行った。


マックス「あのドレスかわいかったのに」


 マックスは残念そうに言う。


ノア「バカ言うな。女とお前の『かわいい』ほどあてにならないものはない。なんなら姉さんにゆずろうか?」


マックス「ははは…それより一杯どう?どうせスカーレットにドレスを借りに行くんだろ」


ノア「そうだ、苦情とお礼を言わなきゃいけない。それと…2人には話しておきたい大事な話がある」


いつになく真剣な表情のノアにマックスは少し驚いた。


マックス「そりゃあ、いいワインが必要そうだな……」


ノア「…特上のやつが必要だ」


 2人はスカーレットの部屋に向かった。





いつもお世話になっております。

評価ありがとうございます。

完結まで頑張りますのでよろしくお願いします。

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