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後輩と二人で下校していた

「先輩、あれ、前歩いてるの先輩の幼馴染さんですか?」


 ある日の下校の時。天文部の後輩の深結芽みゆめがそんなふうに話しかけてきた。


「そうだね」


「えー、マジですか? え、あの、なんか隣歩いてる明らかに彼氏っぽい人、すごいイケメンじゃないですか?」


「たしかにな。まあクラスメイトだから知ってるけどな」


「ああ、そうなんですね。え、先輩は、いいというか、あせらないのでしょうか」


「いやあせるっていうのは、ないな」


「あ、なるほど」


「……」


 ちょうど星をストレスなく見上げられる時間帯だ。


 暗いけど眠くはない。


 お腹は空いてるけどご飯を抜いたわけでもないし、めちゃくちゃ空いてるわけではない。


 そして、まだまだ、星以外の灯りもたくさんある。


 星以外の灯りがたくさんあると星は見にくいんだけど、僕は別にそれでもいい。


 何個かの星だけ見えれば十分だ。


 あ、夜空の下じゃんってなれるから、それでいい。



「そういえば少し前の天文部員の告白エピソード、知ってますよね?」


「知ってるよ。ていうか一緒に活動記録読んだじゃん」


「そうでしたね〜」


 深結芽は、笑って、それからその中身をつぶやいた。


「流れ星を見たらお願いごとをしたいと思って好きな男の子と空を見上げてたら、流れ星が流れたときにあせって、声に出して告白しちゃったんですよね」


「そう。まあそういう噂みたいな話を面白いから記録に書いたんでしょ」


「まあそうですね。でも、恋であせった結果、いい方向に進むなら、うらやましいですねほんと」


「……そうかもな」


 僕は小さくつぶやいた。


 僕は幼馴染のことが好きではないので、別に、幼馴染が前でイチャイチャしてようがあせらない。


 けど、あせるとしたら……。


「そういえば先輩! 明日は二人で学校にお泊りしましょうね~」


「えっ」


「先輩あせりすぎですよー」


 いきなり深結芽に、そう言われたりしたときだ。



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