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ボス現る

少し短めです。

 「おい!ギード!どうした?何があった?」


 リオンの嫌な予感は当たっていた。


 やはりゴツイ集団はリオンの目の前でうずくまっているスキンヘッド男の仲間の様だった。


「す、すまねえ、リーダー。このガキの攻撃にやられちまった」


 スキンヘッドの発言に、俺は何もしてない、こいつが勝手に殴りかかって来ただけだと反論しようと勇気を振り絞って言葉を発した。


「いや、俺は「強いっスよ。もっとも、そこに転んでる奴は雑魚過ぎて話にならないっスよ。もうコケコケっスねぇ~。情けないっス!」


「ああん?お前がギードをやったのか?」


 ギードより一回りガタイが大きいリーダーと呼ばれた男は、ゆっくりとリオンを見下ろすように睨んだ。


「違う!俺がやったんじゃない!「俺っちがやる前に自分ですっころんだ間抜けっスよ。コケコケ。弱い奴はすぐ吠えるっスね」


「てめえ!俺達を侮辱するのか!」


 リーダーの怒声にリオンは、いつもより少し多めに失禁してしまった。


 もちろん先ほどしっかり風を通して乾かしていたので、今回の少し多めの日にも対応できた。


「俺は侮辱するつもりはない「ただ、ただ事実を言っただけっスよ。事実を言ったら侮辱っスか。コケコケ。それは申し訳なかったっス。謝るっス」


「もう許さねぇ。新人だから大目に見てやろうと思ったが俺達にもプライドがある。ここまで侮辱されたらBランク冒険者パーティーの面子が丸つぶれだ。覚悟しろよ」


「少し待ってください。話を聞いてください」


「何だ?何か言いたい事でもあるのか?」


「俺はあんたを侮辱した訳じゃない。全部この頭の上にあるピンクの塊がじゃべったんだ」


「ああん?頭の上だぁ?そんなもんがしゃべるのか?」


 リーダーと呼ばれていた男はリオンに近寄り、マジマジとピンクの塊を見つめた。


 厳ついデカい顔が間近に迫ったため、リオンは思わず仰け反ってしまった。


 しかし、ピンクの塊は愛らしいぬいぐるみの様にドテッとリオンの頭の上に鎮座していた。


 よくよく見るとゴツイ男に見つめられて、ピンクの頬が若干赤く染まっているようだったが……ここから新たな恋の始まりとはならなかった。


「なんだ。ただの不細工なオーク鳥のぬいぐるみじゃないか。これがどうしたんだっていうんだ」


 オーク鳥と馬鹿にされたヤキトリが怒り狂うと思ったリオンは、内心ニヤリとした。


「………………………」


 リーダーの男は暫くヤキトリを見つめていたが、焼き鳥は微動だにせずにいた。


 リオンは早くしゃべれとヤキトリに念を送った。


「………………………」


 しかし、リオンの願いも虚しく、ヤキトリは一切しゃべる事はなかった。


「何もしゃべらないみたいだな。これでお前も満足だろう。さあこの落とし前はどうつけてくれるんだ?」


「おい!豚鳥!何黙ってるんだ。なんかしゃべれ!」


 リオンはリーダーの男に睨まれ、焦って頭の上にあるピンクの塊に詰め寄った。


 傍から見ていると、ぬいぐるみに何か話しかけている危ない人である。


「おい!返事しろ。このままだと俺が、とんでもない事になるだろう」


 しかしリオンの叫びも虚しく、ピンクの塊からは何の反応もなかった。


「お前の一人芝居も見飽きた。そろそろいいか?カタつけさせてもらうぞ」


 リーダーの男が首をポキポキと鳴らしながら、ニタリとリオンを睨んだ。


 その顔を見たリオンは思わずチビってしまった。


 言い訳すると漏らしたのはほんの少しだ。


 なぜなら先ほど多めの放出を行っていた事が功をそうしたようだ。


「ここはギルド内ですよ。揉め事なら訓練場で行ってください。訓練場なら冒険者同士のイザコザは、例え命を落としても不問となりますので」


 揉めていたリオン達の間に、先ほどのギルド受付嬢が入り、その場での暴力行為を止めた。


「そうだな。ここで暴れたら俺達も冒険者ランクを下げられるからな。よし、小僧!訓練場で今から決闘だ!」


「いや、俺は「コケ!少しだけ助かったスね。どうせすぐに死ぬっスよ。残りの人生を精々楽しむっス」


「おうおう!小僧の癖に威勢だけはいいな。お前こそ死ぬ覚悟は出来てるんだろうな?」


 リオンはどうにかして危機を乗り越えられないか考えながら、どうしたもんかと周囲を見回した。


 するとワクワクしているスイと目が合う。


 そんなスイはビシッと手を上げてリオンに発言の許可を求めてきた。


「リオン君!僕も活躍したいのだ。僕だけ忘れられている気がするのだ。ズルいのだ。ズルいのだ」


「お、おう!じゃあ俺の代わりにスイが決闘をするか?」


 リオンは閃いたとばかりにスイに決闘を押し付けてやろうと、恐る恐る彼女に提案してみる。


「いいのだ?嬉しいのだ。頑張るのだ。決闘なのだ!決闘なのだ!」


 ニコニコと楽しそうな顔をしていたスイだが、急に黙ると左の掌で両目を塞ぐようにし、変なホーズを取った。


 リオンは命の危機をスイに押し付ける事が出来て、内心で安堵する。


 本当に下種な主人公であった。


 左手が降ろされると凛々しい目付きをしたスイが、リーダーの男に指を突きつけて名乗りを上げた。


「僕はリオン君に仕える闇黒騎士スイ=ハルファなのだ。我が主の名誉のため、この決闘受けてたつのだ!安心するんだ。手心は加えてやるのだ」


 スイの言動を聞いたリーダーの男は、もうブチ切れ寸前だった。


 辛うじてギルドからのペナルティーを受けたくないという思いだけで何とか留まっていた。


「分かった、女!決闘相手はお前でいい。死んでも恨むんなら、その情けない男を恨めよ」


 死の危機が回避されたためか、リオンはリーダーの罵声も一切気にならなかった。


 リオンはもう自分が当事者じゃないので気楽なもんで、心に余裕が出たのかネルの方を見た。


 リオンは構えているのが辛くて腕を下げていたが、ネルは未だにリオンの左腕にセミのように張り付いていた。


 ネルの頭はリオンの指の側にあり、リオンが腕を下げると自然と逆さの状態になっていた。


 ネル自体は平気そうにしていたが、ワンピースがめくれており、幼女パンツが丸見えだった。


 リオンはそっとワンピースの裾を引っ張って、幼女パンツが見えないようにして、ネルに話しかけた。


「ネル、今回はスイに決闘を譲ってよかったのか?」


「いいの な。ねぇねは一人では戦わないの な。戦う時はリオンの武器としてなの な」


「そ、そうか」


見た目は社会的批判を浴び、破壊力は一撃で街を破壊してしまう魔剣ネルに、リオンは苦笑するしかなかった。


「今の姉弟愛のパラメーターは99パーセントまで上昇しているの な。そして明日、手に入る伝説の秘宝でパラメーターは100パーセントになるの な。ふっ!ねぇねの余裕って奴なの な!」


 ネルは小さい鼻の穴を膨らませ、ぷすーと鼻息を荒くした。


「伝説の秘宝?」


「そうなの な。今はリオンでも教えられないの な。手に入ったら見せてあげるの な」


 嫌な予感がするリオンだったが、事なかれ主義のためネルにそれ以上問いただす事はなかった。


「あ!だから明日は、ねぇねは半日ちょっと出かけるの な。寂しいかもしれないけど我慢するの な」


「ねぇね、明日いないの?」


 ネルが明日いないと聞いたリオンは、ある名案が閃いた。


「どうしたの な?ねぇねが明日いないと聞いて寂しいの な?だったら止めるの な」


「駄目だ、ねぇね!明日は伝説の秘宝を手に入れて、それを俺にしっかりと見せてくれ!楽しみにしてるから」


 リオンは明日自分の思い付きを実行するため、いつものデマカセをネルに言い放った。


「のぉぉぉぉなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!ねぇねはリオンのために頑張るの な。楽しみに待っているの な」


 リオンは自分の欲望に目がくらんで、将来に自分に起こるであろう不幸に全く気付いていなかった。


 ちなみにネルは未だにセミの様にリオンの腕に張り付いており、またワンピースがめくれ幼女パンツが見えていた。


【次回予告 スイちゃんに封印されし邪龍封印の解ける時が来たっス……ところで邪龍と主ってどっちが強いっスか?】


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