表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/68

エーテリアルと蛇になったわけ

うーむ。


近くによって観察してみたが、駒のダンジョンスネークは眼以外は生きている自分と質感から何から同じように見えた。

まあ、眼だけは無機質というか、生気が感じられないから、そこだけは人形っぽい感じが出ているが。

それとも自分も蛇になったせいでそんな眼をしているのだろうか?


【いいえ。眼については駒だからです。どれだけ外が同じでも魂や意識までは複製しませんから】


ああ、そう。

それを聞いてなんか安心した。さすがにこんな眼はしていたくないからな。

にしても、ピースマスターの駒ってやたらリアルなんだな。説明文からボードゲームの駒辺りを想像してたんだが。


【もちろんやろうと思えばそんな非生物型の駒も作成出来ますよ】

ああ、そうなのか。・・・いくつか確認しても良いか?

【なんでしょうか?】

あの時見た説明文には記載がなかったが、ピースマスターの駒を作成する為や使用する為に何か消費しないのか?こう、魔力とか体力とか。

【それは当然消費します】

やっぱりか…。それで、具体的には何を消費するんだ?

【明確な名前がないので単純にエネルギーと呼称しますが、エネルギーを消費します】

エネルギー?漠然とし過ぎじゃないか?

【と言われましても、所詮どのエネルギーも人が細分化して名付けているだけですし。気になるようでしたあなたが名付けてください。基本的にあなた固有のエネルギーですから、誰からも文句はきませんよ】

そうなのか?うーむ?そうだなぁー…。


ここはモンスターなんかがいる世界なんだから、横文字の名称が良いよな?あとは自分的にもピンとくる感じで、エーテルとかか?けどそれだとひねりがないよなぁ?・・・良し!


なら《エーテリアル》とかでも良いか?

【構いませんよ。同音の言葉はこの世界にはありませんから】

そうか。ならこれからはそのエネルギーをエーテリアルと呼称する。

【わかりました。それでは少しエーテリアルについて説明させてもらいます】

頼む。


【まずはこのエーテリアルの位置づけですが、先程言ったとおりあなた固有のエネルギーという扱いです。他に同じエネルギーを扱えるのは提供元のあの方だけです】

オンリーワン的なエネルギーってことか?

【そうです。次にエーテリアルの性質ですが、ぶっちゃけると万能代替エネルギーです】

万能で、代用出来るエネルギー?どういう意味だ。

【言葉のままです。まずは駒を動かす為のエネルギー。駒はエーテリアルにより先程のような生物的な動作を可能にしています】

ああ、かなり違和感なく動いていたな。


後ろから見ていた感じ、駒と知っていなければ普通に生きているように見えた。


【また、生物型なら体温を再現する為にカロリー(熱量)に変化したり、(オーラ)精神波(サイコキノ)などの生物特有のエネルギーを再現したりもします。というか、エーテリアル一つで駒が行う全ての動作やスキルの発動・使用・維持する為のエネルギーとして扱えるのです】

それなら確かに万能な代替エネルギーだな。


異世界ものだと魔力万能説みたいな扱いと同じか?


【次にこのエーテリアルの生成方法ですが、あなたの中で自動生成されるものと、あなたが生成したダンジョンコアが吸収した魔物などをエネルギー変換して生成するものの2パターンあります】

俺が生成したって付けるってことは、ダンジョンコアの本来の仕様じゃないってことか?

【はい。あなたが生成したものにだけ付く機能です。そして話しはようやく最初の質問に戻りますが、エーテリアルの消費についてです】

ああ。

【エーテリアルは駒の作成時及び駒の稼働中延々と消費されていきます。その為貯蓄が少ないとすぐにあなたがバテて駒は強制停止します】

常に消費する?けど、さっきはバテなかったが?


とくに疲れるとか、何かを消費している感覚はなかったが…?


【それは駒が作成したダンジョンの方からエーテリアルが供給されていたからです。ちなみに今回は泉に降り注いでいる光とその熱をエーテリアルに変換して消費しています】

そうだったのか!?・・・というか光を変換って、太陽光発電かよ!!

【まあ、変換機構は違いますが結果はそんな感じですね】

そうか。

【そうです。そして明言しておきますが、エーテリアルの基本的な消費はダンジョンからしてください。ダンジョンスネークは非力ですので、バテたら一貫の終わりです。わかりましたね!】

・・・わかった。

にしても、何でダンジョンスネークというか、俺をこんなに安全圏に押し込めるような能力仕様になってるんだ?


ダンジョンコア作成による拠点作成能力。それに反比例するようなダンジョンスネーク(本体)の脆弱性。

ピースマスターによる駒作成能力による間接的な戦闘能力。それに付随するエーテリアル消費による肉体疲労。


なんかまともに戦わせないような構成だよな?まあ、環境支配能力やら汎用性のある融通の利く能力でもあるけどさ。

それに、そもそも何で人型じゃなくて蛇に転生何だ?モンスター転生ならスライムとかドラゴンが定番なんじゃないのか?

【記憶が連続していないせいで忘れているのですね】

うん?この転生先とかってちゃんと話し合って決まったものなのか?

【ええ。人型でないのは強さの上限がそちらの方が高いからです。人と犬とかだと道具無しで戦えば犬などの方が強いですから、スキルなども込みにするとモンスターの方が最終的に強いのです】

ああ、まあ、それはありそうだな。

【次に蛇に転生させたことですが、これはあなたと類似点やこじつけられる点がそれなりにあったからです】

類似点にこじつけられる点?俺ってそんな蛇っぽかったか?

【生まれが巳年で夏生まれのせいか寒さに弱く、水遊びや泳ぐことが好き。卵や鶏肉が好物で、ハムスターを飼っていたことがある。視力が弱く、鼻も利きづらかった。あとは蛇や龍などのモンスターが好きで、とくにヒュドラなんかの多頭のモンスターが好きだったそうです】

ああ、うん、まあ、それだけ並べられると自分が蛇っぽい気がしないでもないかな?


蛇の餌と好物が同じ扱いってのは気になるが、確かにこじつけようと思えば類似点にはなりそうだな。


というか、ひょっとして単純に俺の好みで転生先が選ばれただけか?

【一応転生先の参考にはしていますが、兼ね合いもありますからあなただけの希望というわけではありません】

ああ、そう。

【ちなみに好みで選ばれたのは特殊能力のピースマスターの方です。こちらはあなたが自分で選択というか希望したものですよ】

えっ!?そうなのか!!

【はい。直接戦闘するのは不安だから、応用の利く間接的な戦闘手段を選んだと言っていましたよ】

ああ、そういうことか。


確かにそう説明されると俺だとそんなチョイスをしそうだな。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ