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第二ダンジョン  エネルギー不足

「協力者。ようこそおいでくださいましたキャメ」


俺とモンストゥル達が村に到着すると、亀型が出迎えてくれた。


「シャー」

語尾はともかく普通に話しかけてきたな。


「我輩の語尾が気になりますキャメ?」

「シャー。シャ、シャー」

しかもこっちはシャーとしか言っていないのに通じるのか。いや、語尾はキャラ付けと思っているから気にしなくて良い。


おそらく特撮を参照したメッセージのせいだろうからな。それを亀型のせいにするつもりはない。


「そうですかキャメ。弟達。お前達もよく協力者を連れてきたキャメ」

「「・・・」」


亀型は俺から視線を外すと、スライム型とキノコ型にも声をかけた。しかし、声をかけられた二体は返事をせずにただ頷いた。

この二体、道中でも発声の類いをしていなかったが亀型と違って喋れないのか?

【いえ、そういうわけではありません。ですが亀型と違って元々スライムとキノコには発声器官がありませんでしたから、どう会話して良いのかわからないのでしょう】

そういうことか。

【まあ、時間が経てば普通に話せるようになります】

そうか。どんな語尾になるのか少し気になるところだな。


「それではこちらにどうぞキャメ。すでに下準備は終わってますキャメ」

「シャー?」

下準備?

「はいキャメ」


亀型は俺に頷くと、俺達を村の中心。そこに掘られた井戸みたいな竪穴の前に案内した。


「このとおりダンジョンコアの設置場所は準備出来ておりますキャメ。協力者。後はこちらにダンジョンコアを落としてもらえばダンジョンが出来ますキャメ」

「シャ、シャー!」 

ああ、メッセージが命じていたのはこれのことか!

【そうです。ダンジョンコアを地表に設置擦るのはリスクが高過ぎますから、地下に続く穴を準備させました】

「シャ?シャシャー?」

地下?この穴何処まで掘ってるんだ?

「一応地下水脈の少し上まで掘り進めておりますキャメ」

「シャー、シャシャー」

地下水脈の少し上までってことは、この穴まんま井戸なのか。


俺は穴の縁から底を覗き込んでみたが、暗視の類いは持っていないので普通に底は見えなかった。だが、なんとなーく湿り気というか水気を感じたので、確かに地下水脈近くまで穴は達しているのだろうと思った。


それじゃあ、ここから落とすぞ。

【お願いします】


メッセージから了解をもらった俺は体内でダンジョンコアを生成。そしてそれを口から穴に向かって吐き出した。

吐き出されたダンジョンコアはそのまま穴の中に消えていき、少し経ってから何かにあたったらような音が下の方から微かにした。


「シャー?」

これで良いか?

【はい、問題ありません。後は森で倒した魔物達でも与えてダンジョン化出来るまで育てるだけです。あなた達、苗床にして吸収を見送っている魔物達を取って来てください】

「お任せくださいキャメ。弟よ、頼むキャメ」

「・・・」

こくり。


亀型は上を向いて頷くと、スライム型に声をかけた。

スライム型はそれに頷くと、森の方を向いた。

スライム型が顔の無い頭で森の方を()()いると、森の中からキノコが生えている魔物達を背負ったスライム達が次々と姿を現した。

そしてスライム達は穴の前までやって来て、バケツリレー形式でどんどん森からキノコの生えた魔物達の身体を穴の中に落としていった。

すると底の方で光の粒子がひっきりなしに舞った。


「シャー」

どうやら順調に吸収出来ているみたいだな。

【はい。モンストゥル達のおかげで効率よくダンジョンが成長しています。この調子でいけば明日までにはこの村の範囲くらいは完全に掌握出来そうです】

「シャー」

それはなによりだ。


それにしてもあっさり終わったな。まあ、困難が欲しいわけでもないから良いか。


そういえば一つ聞いて良いか?

【何ですか?】

ダンジョンコアも生きてるんだよな。

【はい】

ならダンジョンコアも限界突破したり、モンストゥル化出来たりするのか?

【答えはどちらもイエスです。ですが…】

ですが?

【一つのダンジョンコアを限界突破するよりも、限界突破素材にするダンジョンコアでダンジョンを量産した方が戦力的にもエネルギー的にも効率が良いです】

ああ、まあ、そうだな。


それはまあ、一つのダンジョンコアの性能を上げるよりかは、疑似餌を大量生産したりエーテリアルを生成出来るダンジョンの数を増やした方がお得だよな。


【なのでダンジョンコアを限界突破させるにしても当分は先のことになりますね。限界突破が前提のモンストゥル化も同じです】

当然そうなるよな。

【ですがダンジョンコアの限界突破やモンストゥル化という発想はなかったですね。今は一気に三体も作ってしまってエネルギーに余裕がありませんが、いずれ作れるようにエネルギーを貯蔵しておきましょう】

エネルギーがないのか?

【いえ、全体としてはいくらでもあるのですが、他のことで使用中だったり、使用先が決まっているものばかりなのです】

ちなみに何に使ったりしているんだ?

【そうですねぇ?私やあの方が呆けている間に出ていたトラブルの対処に使ったり、この世界の住人達の被害を受けた異世界への賠償などに主に使用中ですね】

異世界への賠償?この世界の連中、異世界に何かしてるのか?

【はい。非正規の異世界召喚で人拐いなどをしています】

非正規?

【はい。普通の世界を跨ぐ異世界召喚はその世界のトップ同士で交渉を行い実行するものなんです。でないと普通に人拐いですし、召喚された異世界によっては召喚対象者が環境が合わずに死んでしまったり、突然変異を起こすこともありますので】

突然変異?突然変異ってどうなるんだ?

【そうですねぇ?実際に起こった突然変異ですと、召喚対象者に付着していた常在細菌が殺人ウイルスに変貌してその世界の全生物の七割を死滅させた例や、人間から魔物に近い体質に変化した場合もありました。その結果迫害されて報復合戦になった場合もあれば、召喚先の世界で増殖して魔族ポジに落ち着いてしまった例もあります】

殺人ウイルスに外来種化か。自業自得ではあるが、悲惨だな。

【そうですね。勝手に呼び出しておいて安全確保もしていない。召喚された人間にとっては悲惨なものです】

あ、ああ、そうだな。


俺は召喚した連中の方を悲惨だと言ったんだが、メッセージ的には被害者以外は悲惨に思わないらしい。

まあ、自業自得だから当然なのか?例的には巻き添え喰って被害にあっている召喚者以外の連中も結構いるだろうに。



【まあ、そんなわけで拐った人の補填などでエネルギーを送ったりしているわけです】

他人の尻拭いは大変だな。

【そうですね。ですが私達が呆けていたせいで被害が広がっているので私達の責任でもあります】

監督責任とかいう感じか?

【そんな感じです。でももう一部手遅れなんですよね】

手遅れ?何か取り返しのつかないことが起きてたのか?

【ええ、まあ。私やあの方でもリカバリー出来ない類いのことがいくつか。そちらはあなたの伝で損切りしてもらいましたが…】

俺の伝?


神様っぽい二人に出来ないリカバリーを損切りさせられる奴ってなんだ?

というか、俺の伝?俺の交友関係はどうなっているんだ?


メッセージと会話していると俺の方が転生前からして人間なのか怪しい情報がそれなりに出てくるな。

・・・本当に俺、何者なんだ?



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