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キノコの恐怖

イノシシ達の方はスライム型が圧勝、もう一方の大きな鷹の魔物。途中で名前を確認したらハンターホークという名前の魔物らしい。このハンターホーク達は何故か俺狙いで襲いかかってきた。

蛇が好物なのだろうか?

まあそれはともかく、俺狙いで来たため俺を抱えているキノコ型のモンストゥルが相手をしていた。


俺は最初スライム型よりはキノコ型の方の戦い方をなんとなく想像出来ていた。

その理由としては、スライム型の素材となったスライム達はすぐにミニチュアバブルタートル達と仲良くなっていた為、俺はスライム達の戦い方を知らなかったが、歩くキノコの方の戦い方は見ていたからだ。

なので俺はどうせこのキノコ菌型モンストゥルは胞子をばら蒔いて苗床にする戦い方をするんだろうと単純に想像していた。

・・・想像していたのだが、現実はある意味想像出来ていなかったスライム型よりも酷かった。


ハンターホーク達は空から一気に下降し、モンストゥルが抱えている俺を強襲する戦法を選択した。

それに対してキノコ型がどうしたのかというと、()()()()()()()()()()()()

言葉にすると微妙で、実際の光景もかなり微妙だった。

なんせ突然キノコ型の身体に生えているキノコの一部が震えだし、その傘から大量の胞子を吹き出しながらこちらに向かって来ていたハンターホーク達目掛けてミサイルのように飛んでいったのだ。


最初の一回は自分に胞子がかかって苗床にされるんじゃないかという恐怖を感じる暇もなく目が点になった。

なんせ単純に胞子をばら蒔くのではなく、胞子の放出を推進力にしてキノコが空を飛んで行くのだ。誰だって予想外過ぎて呆然となるに決まっている。


そして飛んでいったキノコが。いや、キノコに急襲された下降中のハンターホーク達がどうなったのかというと、普通に撃墜された。いや、あれを撃墜と呼んで良いのかは謎だが。 

なんせキノコがハンターホーク達に命中した瞬間にキノコが爆発。キノコが粉々になり中から大量の胞子がハンターホーク達の体表にばら蒔かれ、そして次の瞬間にはハンターホーク達の全身から生え出す大量のキノコキノコ。

ハンターホーク達はあっという間にキノコの苗床にされ、そのまま栄養を絞り尽くされて骨と皮になって俺達の周囲にボトボトと落ちてきた。

これを撃墜と言っても良いのだろうか?


ちなみに二回目以降に胞子がかかる危険に気がついたが、俺からキノコが生えることはなかった。

さすがに苗床にする対象は選んいるらしい。

まあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()…。

俺以外。森の木々の方には滅茶苦茶生えてたからなぁ~。

キノコから噴射された胞子は風に乗り拡散。地表にたどり着くとそこで着床。着床した場所。木々や魔物なんかから栄養を吸出しまたキノコキノコの大量発生。普通の森だったのに気がついた時にはキノコの森に変貌していたからな。

しかも森に着床して生えたキノコは生えた先でもキノコ型の制御下にあったらしい。

途中からはキノコ型からではなく森からキノコミサイルが無数に発射されていたからな。そしてまたその噴射された胞子で広がるキノコの森。


まったくどんな侵略。いや、汚染平気なんだか。ひょっとするとこのキノコ菌型モンストゥル一体で世界が終わってしまうんじゃないかとわりと真剣に思った。



まあ、さすがに途中でキノコの森の拡大は止めさせた。

もう一番近い村は滅ぼしているが、わざわざ異常な状況を今拡大させる必要がなかったからだ。

いくらいけないことがなさそうでもキノコはキノコ。焼かれたり除草剤を撒かれたりしたら普通に枯れるだろうからな。

俺は下準備や手札はちゃんと用意してから挑む主義なのだ。


そうキノコ型に説明してキノコを飛ばすのは止めさせたわけだが、キノコ菌型の恐るべき。いや、おぞましい能力は他にもあったのだった。

キノコミサイルが使えなくなったキノコ型は、さんざん仲間が撃墜?されているのにまだ襲ってくるハンターホークの一羽の首根っこを掴むと、掴まれて暴れるハンターホークの脳天にキノコを突き刺した。するとハンターホークの身体が激しく痙攣し出し、しばらくすると唐突にそれがおさまった。

キノコ型はそれを確認すると、ハンターホークを解放した。

解放されたハンターホークは大空に舞い戻ると、何故か再度こちらを襲うのではなく、空にいた仲間の方に襲いかかった。


なんで同士討ちしだしたのか疑問に思っていると、メッセージが答えをくれた。

それによると、頭に突き刺したキノコがハンターホークの脳に菌糸を張り巡らせ、ハンターホークを乗っ取ったかららしい。

つまりハンターホークはキノコの操り人形。いや、キノコゾンビにされてしまったのだ。

ある意味苗床にされるよりも悲惨なことになってしまった。


というか、モンストゥル達の性能が恐ろしい。

血を洗い浄める殺人泡亀に、変形増殖する補食スライム。さらには他の生物や植物を苗床やキノコゾンビに変えるキノコ怪人。

どいつもこいつもやたら殺傷能力が高い。あるいは向こうの特撮怪人よりも怪人をしているかもしれない。

そして当たり前のことではあるが、向こうみたいなご都合展開による救済はこの世界ではない。

怪人が倒されても怪人の餌食になったものは元に戻ることはない。

亀型に殺された連中はダンジョンの糧になっているし、イノシシ達もスライムを生み出す為のエネルギーとして消費された。キノコの餌食になったハンターホーク達も干からびている。

モンストゥルの行いの結果は不可逆なことをちゃんと意識しておかないとな。


そう俺は心に刻んだ。


そして俺達はそんな騒動を巻き起こしつつ、目的地の村に到着した。



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