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異世界デバッガのベリーイージー冒険譚  作者: イ尹口欠
レダ・サイベリウム

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 休日の今日、私とリナリーは秘伝書の解読をしていました。


 基本的な構造は魔術のスクロールと同じに見えますが、構文や単語は見たことのないものが多く、秘伝書同士を見比べながら意味を類推するしかありません。


「もっと多くのサンプルが欲しいですね。そう思いませんかサトミさん」


「……つまり、私たちが使う以外の武器術の秘伝書も集めろ、ということですか?」


「サンプルを集めるにはそれが最も手早いと思いますが?」


「そうですねえ……」


 休日に戦闘なんてしたくはなかったのですが……。

 リナリーがやる気ですし、私も秘伝書の解読はしたいのでメンツを集めてマシンキャプテンを狩ることにしました。



「まあ私たち後衛の強化が元々の目的だから付き合うけれど……久々の休日にドロップ狩りをすることはないと思うのよ」


「まったく同意見ですが、明日から合同探索となるとしばらく進展がなくなりますから、やるならやっぱり今日かなあと」


 ギルマはショッピングを中断されたことにややご機嫌斜めの様子。

 まあ休日出勤をお願いしているので、当然ですが。


「残るマシンソルジャーの武器は、斧、メイス、棍、銃ですね」


「ジュウ? それはどのような武器ですか?」


「銃は……見れば分かるのですが、飛び道具です。弓の進化系だとでも思って頂ければ」


「そうですね、実際に戦えば分かるでしょう」


 ゲーム『闘争のロストグリモア』の銃は火薬式ではなく魔法式です。

 魔力を消費して弾丸を撃ち出すタイプで、魔力が尽きない限り弾切れがないスグレモノですね。

 生成できますが、この世界にない武器なので自重しています。

 銃をギルマに渡せば攻撃手段を獲得できるのは分かるのですが、同時に盗まれたりしたら面倒なことになると思ってしまうのですよ。


 さてキャシーの弓術〈溜撃〉は弓を引き絞った状態を保つほど威力が上昇していくというタメ技です。

 開幕からギルマの〈アクア・ジェイル〉とリナリーの〈ヒートアップ〉で動きを封じられたマシンキャプテンを一方的に射殺、自爆させるというえげつなさ。

 簡単にドロップを得られるのであっという間に16本の秘伝書を入手できました。


 銃については「何が弓の進化系ですか、まったく違うじゃないですか!」とリナリーから怒られましたが、飛び道具という点で似たようなものだと思うのですが……同意は得られませんでした。


 さて目的を果たしたら速やかに借家に座標遷移します。

 そもそも今日は休日ですからね。

 私とリナリーは趣味で秘伝書の解析をやりますが、それ以外のメンバーはめいめい休んでもらわなければなりません。


     ◆


「ギルマ、少しいいですか?」


「ええ。なにかしら?」


 夕食後にギルマを引き止めました。

 ついでにエステルがついてきましたが別に構わないでしょう。


「明日の合同探索、レダさんのパーティメンバーはレダさん以外は3人とも男ですが、大丈夫ですか?」


「ああ、そのことね。大丈夫よ。前にサトミから貰ったサークレットが効果あったみたい。男を見てもなんとも思わなくなったわ」


「ああ、あれ効果ありましたか。それなら大丈夫そうですね」


 ギルマには精神異常を無効化するサークレットを渡したありましたが、どうやら夜魔族の衝動を抑えることもできているようですね。


「でも直接、話したり触ったりしたらどうなるか分からないから、できるだけ気をつけているのよ。大抵はエステルが守ってくれているけど」


「ああ。私がギルマ様に男を近づけはしない」


 なるほど、心強いですねえ。

 ともかく合同探索に問題がなければそれでいいです。


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