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異世界デバッガのベリーイージー冒険譚  作者: イ尹口欠
レダ・サイベリウム

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 ダンジョンから出ると、受付カウンターに何やらパーティがひとつ、たむろしていました。

 こちらを見ると、こそこそと何かを話しています。

 なんとなく嫌な感じですね。


「おかえりなさい。ご無事でなによりです」


「はい、ただいま。今日は第三階層でしたが、シェイド以外は問題なかったですね」


「ああ、シェイドは確かに苦戦される探索者が多いですね。魔術で対処できないと最悪、死者が出ます。そういえば地図は買われていきましたけど、階層別の魔物総覧も売っていますよ」


「え、そうだったんですか? 気が付きませんでしたね。幾らです?」


「銀貨4枚です。お買い上げになりますか?」


「もちろん買います。それとこれ、今日の分です」


 私はインベントリから魔物の換金部位を取り出しました。

 するとカウンター横でたむろしていた探索者たちが色めき立ちます。


 ああ、そうか。

 コイツらは空間魔術の使い手である私を勧誘しに来たんですね。

 道理でリナリーたちがピリピリしていると思いましたよ。


 会計を終えると早速、向こうのリーダーらしき男が話しかけてきました。


「やあ、初めまして。俺はCランク探索者パーティを率いるグレイ・メルシーだ。凄いね空間魔術……上位属性をふたつ持っているなんて」


「はあ」


「今どの辺りを探索しているのかな。ウチは今、第十五階層だけど……どうかな、ウチのパーティに移らないかい? 稼ぎも良くなるし、戦いは俺たちに任せればいいからさ」


 この辺りでエステルの槍にかかった手にチカラが入りました。

 キャシーは私がどうするのか観戦気分ですね。

 ギルマは冷めた感じで……リナリーはなんかこう、内心でブチキレてそうです。


 さて、話しかけられる前からオブジェクト探査をかけていたので連中のレベルは分かっています。

 私とギルマよりは高くて、しかし他の3人より低いですね。


 ……移る理由がまったく、見いだせませんよ?


 しかし良い情報でした。

 私たちでも第十五階層までは行けそうです。


「すみません。そのうち追いつくと思うので、移籍する理由がありませんね」


「…………あ゛あ゛?」


 急に取り繕っていた表情が剥げ落ち、あからさまに凄んできました。

 まったくこれだからチンピラは!


「こっちが折角、穏便に声をかけてやってるのに……お前らFランクが調子に乗ってんじゃねえよ。追いつく? 100年後くらいの話か?」


「いやあ、1ヶ月くらいじゃないですか?」


 多分、実際には2週間くらいですけど。

 あ、でも第八階層辺りから距離的に日帰りができなくなるので、もっとかかるのかな?


「少なくとも、実力なら現時点でも追いついていますから、そのうち第十五階層でしたっけ? 私たちでもたどり着けちゃいそうですね」


「……面白いじゃねえか。現時点で俺たちと戦える気でいるだと? 言ったからには証明して見せてくれるんだろうな、お前らの実力をよぉ」


「もちろん、そちらがFランクに負けても大丈夫なら」


「テメエ……」


 あちらさんの顔が引きつっていますね。

 まあなんとでもなるでしょう。


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