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福見福子の最終定理 第1章 始まりの仮説  作者: 黙定六
始まりの仮説
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第肆話 Formula

 V = 4/3・πr^3


 結界の強さは球体の体積を求める公式で求めることができる。rは半径だが、ここに守護数を代入すればいい。結界の強さを表す単位はAkだ。

 守護数40の俺は、


   4/3 × π × 40の3乗 ≒ 268082.57Ak


 大男の言う『82』が本当だったら、


   4/3 × π × 82の3乗 ≒ 2309564.88Ak



 結界を半径1mに展開した場合、俺の結界の強度が約27万Akなのに対し、奴は約230万Akになることを表している。


 一方で、結界は面積を縮めることで、密度を高めることが可能だ。

 俺が結界の全てを半径25cmまで縮めてこぶしを固めた場合、25cmは1mの4分の1なので、結界密度は4の3乗倍で、64倍となり、約1700万Ak/Vまで上がる。

 奴は密度を上げられないので、230万Ak/Vだから、俺が圧倒しているように見える。


 しかし、ビビりまくって縮こまっているこいつの結界を強引に叩き割るには、もっと、結界を集中させる必要があるのだ。


 結界同士が衝突した場合、互いの結界密度の比率により、それぞれの結界が負うダメージの強さが決まる。

 密度5Ak/Vと密度10Ak/Vの結界が100の力で衝突した場合、密度5Ak/Vの方が67、密度10Ak/Vの方が33のダメージを負うという具合だ。


 元々の結界総量が俺の9倍近くある相手の結界を破壊するためには、激突点の結界密度で9倍以上勝っていなければ、あいつの結界全部を破壊できないのだが、半径25cmの結界で1700万Ak/Vまで密度を上げても、半径1mのあいつの9倍


 230万Ak/V × 9 = 2070万Ak/V


には届かない。元々の結界総量が違いすぎる。


 さっきのストレートの一撃は、確かに奴の結界に、俺のよりも大きなダメージを負わせたのだが、あのまま続けていても、先に壊れてしまうのは結界総量で劣る俺の方というわけだ。


 しかし、守護数40の制御力では半径25cmくらいが限界なのだ。

 守護数一桁の奴らは、結界を数cmやそれ以下にまで圧縮できるらしい。そんなので1点突破を食らったら、守護数上位の奴らでもただでは済まないはずだ。だが、俺にそういう芸当はできない。


 さて、結界を叩き割れないのならどうするかだが、ぼちぼち、次の手が向こうからやってくるはずなのだ。

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