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 魔導蟲  作者: 七味とうがらし
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幻影レストラン

 それは探しても探しても何処にあるのかわからない、そして誰もたどり着くことが出来ないと言われている、それはごくまれに街に現れて伝説を残して又消えてしまうと言われる、昨日はそこにあったのに探しているとその翌日には300kmも離れた別の場所で現れたとの報告もある、在りえない、まさに幻影のようなレストラン、


 解っていることは3人組と言う事らしい、炎の魔術師と氷の女王にそれを率いる幻影魔王の3人で完璧なコース料理はもちろんの事、どんな食材でも最善の調理法で素晴らしい料理を出してくる、そして全ての客を満足させる、そんな料理がこの世にあるのかと思わせる程らしい、


またある村での逸話で氷の女王のデザートに惚れこんで白金貨10枚で引き抜こうとした貴族がボコボコにされたりとか、炎の魔術師のスープを専属の料理番にしようと画策した国の王が1万の兵を差し向けて兵隊と王が全員ボコボコにされたとか、金でも権力でも動かない、ただ美味なるものだけを追い求める崇高なる一団、それが幻影レストランと呼ばれる移動レストランだ、俺は【戦う食いしん坊】と呼ばれている用心棒家業の傭兵だ、必ずどんな事が有っても幻影レストランで腹いっぱいになるまで食い尽くすと心に決めた、俺の名はドイ・モーリャ、この世界を剣一本で渡り歩く傭兵冒険者だ、



 

その男の独白よりひと月ほど前に遡る、


 「今日はここで宿を探すか、」俺は皆に伝える、「うんわかった~」「あいよ」返事が返ってくる、


「たまには高級な宿もいいな~、この辺りは温泉が出るんだろ、温泉宿で一泊、う~んいいね」


 って事で温泉目指して移動する、鄙びた温泉宿を発見、風情が有っていい感じの宿だ、部屋に案内されて荷物を置き早速温泉へ、


なんだか変なおっさんが俺たちを見ている、いや俺たちじゃない、ランの事を見ているんだ、あのおっさん、ランも訝し気におっさんを睨んですぐさま女湯に入っていった、


「ウホッ 今のショートカットの赤髪の少女、可愛かったの~、儂はここまで胸がときめきくのは久しぶりじゃ、儂の視線に気が付いて熱い眼差しを返してくれたのじゃ、きっと儂に気が有るに違いない」


ああ~通報案件だよこれ、たまにいるよね、こんな人所謂ストーカーって人ね、


 俺とセキは温泉につかりっぱなしでのぼせて休憩室で倒れてます、そこへランがアイスクリームを持ってきてくれました、前に北の酒蔵のおじさんの所で作り置きしていたやつだ、


「く~~~美味い、最高だ~」「うんおいしいねこのアイスクリーム」そう言ってるとものほしそうな顔したおっさんがこっちを凝視してるんだよ、


 ランがうっとうしそうにおっさんを睨む、 おっさんってば なんか余計にほっぺが赤くなっていますよ、そんなにコレが食いてえのか、とランが呟く、うっとおしいおっさんにアイスクリームを与えてこの場を去るように伝えた、それが仇となり余計に付きまとわれる事になったんだ、


おっさん完璧に勘違い&自分の都合よく物事を解釈する


「おお~なんという美味さじゃ、あの少女の儂への愛の甘き囁きが聞こえるようじゃ」


「欲しい、あの少女が是が非でも儂のものにして見せるぞ」


うわ~危険な人だった、


 儂はこの一帯の土地の領主じゃ、金も地位もある、連れの二人には金を渡し【お前はあの二人に売り飛ばされた】と伝えて、寛大な儂が愛の手を差し伸べる、うむ、いい筋書きじゃろ、これであの少女の心は儂に傾く、完璧な作戦じゃ、ふぉふぉふぉ


俺に大事な要件が有ると言われて俺はいまおっさんの館にきている


なんだか目の前に金がつまれてます、白金貨10枚程ですねこれは、


「この金でその少女をかう...いや開放するのじゃ、そして儂があの少女をたすけて(儂が)幸せに暮らすのじゃ」


今【かう】って聞こえなかったか?このおっさん、しかもなんだか心の声が漏れ出していたような、


やはり通報案件だよこれ、


「それでおっさん、その金でランを売り渡せっていうのか?」


「いや売り渡すのではなく、この金で少女を開放して儂にperoperoさせ...いや立派なレディになるまで養おうといっておるのじゃ、悪い話ではないじゃろう?」


「俺は仲間を金で売るような事はしないんだよ、話はこれで終わりだな、俺は帰る、」


そう言って屋敷を出ようとした所10人ほどの用心棒の一団が俺を囲んできた、さっきの領主が声をかけてくる、


「おとなしく金を受け取って去ればいいものを、 お前たち、やっておしまいなさい、」


「「「「へい!お館様」」」」


「お前を始末してあの少女はこれで儂のもんじゃ~ふぉふぉふぉ」


なんかスゲーむかつくおっさんだな、ちょっとお仕置きしないといけないようだなこれは、

俺は用心棒の一団の足元に泥沼を作った深さ1.6m位の奴だ、ほぼ首だけだして動けなくしてみた、そして領主のおっさんの目の前に移動


「俺を始末するって言ってたよな、俺を殺すと言う事はお前も殺される覚悟が有って言ってるんだろうな?」俺は領主に問いただす、


「そんな事をすればこの王国がだまっていないぞ、きっとお前たち全員追いつめられて極刑になるのだぞ」


「お前の言葉に正義ってものが何処にも入ってないな、自分の欲望だけで生きた結果を思い知るがいい」とりあえずボコボコにしてから泥沼に放り込む、


「今回の慰謝料としてさっきの金は貰っていく、」と言って懐に白金貨10枚を入れる、


貰いすぎたかな?と思ったので、「ちょっと多く貰いすぎたかもしれないからおつり代わりに酒を奢ってやるぜ」


俺はアルコール度数96のココロコを一杯おっさんの口に流し込む、おっさん白目をむいて寝ちまったよ、サービスで用心棒の一団にも奢ってやった、全員白目をむいて寝ちまったよ、


宿に戻った俺は「ココロコが売れたよ白金貨10枚でかってくれたぞ~」とランとセキに報告だ、


「そんなに高く買ってくれたんだ、大儲けだね、」ランが言う


「ああ俺の特別接待で飲ませてやったからな~」特別接待は俺たちの隠語でボコにしたって事だね、


俺は言う「さあ こんな所はさっさと出るに限る(追手が来ないうちに)


ランが「1日軽くジョギングでもしようか」(距離を一気に離してしまおう)


そしてセキ「次は前から行きたかったエルフの国だね、どんな料理があるのかたのしみだったんだ~」


 あれから三日ほど走ると大きな城郭都市が見えてきた、その脇にへばりつくようにスラム街らしきものがある、


「あそこじゃね?」 「うん、そうみたいだね~」 「いい酒あるかな」


 城郭の門でギルドカードを提示して身分確認の後城郭の中へ、早速この街のギルドへ行く、情報収集の為だ、国の内情を知るのには一番手っ取り早いからね、


っで情報を聞き出す、この国はエルフ至上主義でエルフ以外はかなり見下されている、それはエルフの殆どが魔法を使える為だ、使えない物との間には格差が有る為差別が酷いらしい、


 国内情勢は5年前に第一王子が生まれたと同時に その姉である当時10歳だった第一王女が亡くなってしまう、そこから荒れ始めているらしい、王女専属の宮廷騎士団が王女は健在だと言っているのだ、国葬も終わっているというのに、 それで跡目争いの後の確執が渦巻いてるんだなと理解する、


 俺達はギルドお勧めの宿を探し宿泊費を前金で1週間分10万5千ギルダンを払ってから荷物を部屋に、アイテムボックスに殆ど入れてるが手ぶらで旅をしてると怪しまれるからね、最低限の【見せる為の荷物】は持っているんだ、


 荷物を置いて市内を散策、エルフ自体はこのエルフの国であっても個体数が少ないんだ、けどね、街は発展していて綺麗で住みよい街になっている、交易も盛んなようで至る所に店舗が軒を連ねている、ここで商材確認だ、何がこの街では売れているのかリサーチ開始だ、各個別に別れてリサーチする事に、


 セキは当然レストランに行くそこら辺のでっぷりとした裕福そうなおっさん捕まえて情報を聞き出している、ランは酒屋巡りだ、俺はてきとーに散策だな、すると、


「おーいそのガキ捕まえてくれ~」との声がする、汚いボロを纏ったガキがハムを一本抱え俺を追い越していく、取り敢えずハムをガキから取返し追ってきた肉屋のオヤジに渡す


「取り返しておいたぞ、」そう言って俺はハムをオヤジに渡す、


「おお、すまねえな兄ちゃん有難うな、」そう礼を言って去ろうとしていた所に俺が質問する、


「おやっさん、こんな綺麗な街に浮浪者とか結構いるのかい?」


「いや、あいつらはスラム街の連中だ、この国の棄民って奴だよ犯罪者の家族とかだな、本人は何も罪がねえんだが親が罪人になると一家全員がこの国から捨てられちまうんだよそれで棄民となってどこにも行くところがない連中が作った街がスラム街って所なんだよ、」


「だからこの城郭都市の中はわりかし治安がいいんだね、」


「ああ、そういう事だまあたまにこんなこともあるけどな、」肉屋のオヤジは苦笑いしながら去っていった、


 俺は散策を続けるがピンと来る商材が見つからないままふらふらと裏路地へ、


さっきのガキがレストランの残飯を漁っていた、俺は気まぐれに商材の燻製肉の塊をガキに放り投げる、両手に残飯を握りしめたまま燻製肉を口で空中ジャンピングキャッチ、


 俺はさっき疑問に思った事が有ったんだ、あのスラム街からどうやって城郭都市に入るのかだ、門番が必ず身元確認してるわけだから棄民は誰もが身元保証されてないはず、本来なら入ってこれないはずなのにと思い、


「おいお前はどうやってこの街に入って来るんだ?」


ハムスターのように頬を膨らませ肉を口に突っ込んでいる、もごもごとオレノニクダ、カエサネエゾ!と言っているようだ、やがて口の中の肉が無くなり、


 「それは言えねーな、言えば塞がれちまうからな、」


そう言ったガキの目の前にもう一本燻製肉をちらつかせながら、


「俺は旅の行商人だ、役人なんかに言わねーよ、」


「そうかい じゃあ、この肉美味いから信用するよ」


言ってる意味は解らないがどうやら教えてくれるらしい、この街の裏情報をたっぷり仕入れる、街の景観とはうらはらに随分きなくさい街だったな、


俺は城壁近くの廃屋の裏にある枯れ井戸を案内された、ここ降りていけば外に出られる、とガキは


「オレはセラってんだ、肉くれた兄ちゃんの名前はなんてんだ?」


「俺はコージィ・コーナって言う旅の行商人だ」


「コーナ...って言うのか、美味い肉ありがとな、じゃ~な」言いながら枯れ井戸に消えていった


ん?と思いながら俺はセラを見送った、


宿に戻る頃にはもう夜の帳が下りていた、二人とも俺を待っていたようだ、


「すまない待たせたか、」


「そうでもないよ~それよりごはんたべにいこうよ~」「オレもそれに賛成だ」


セキがもう店を決めているらしい、すたすたとセキが進んでいく


「ここだよ~」と指さされたその店には準備中の看板がかけられ、店の中が荒れていた、


「セキ本当にここでいいのか?」


 店の状態を見て急にセキは店の中に飛び込み叫ぶ


「ヅイおじさん!」そう叫び店のカウンターの中にいる熊獣人に駆け寄っていった、


そこにはテンシンのギルマスとうり二つの熊獣人がいた、


三角巾で腕をつって各所に剣で切られた跡がある、


「だれにやられたの!」「ナナおばさんは大丈夫なの?」俺はセキが激昂して感情を顕わにする所を始めて見た、



「いや、あいつらにはかかわらない方が良い、悪いなセキ、明日には店を開けて飯食わしてやっからな」


おれが「セキ今日の所は立て込んでるようだから明日出直そう」そう言ってセキを表に引っ張っていく、


「セキ、早速行動だ、犯人と何故ここを襲撃したのかを調べてそいつらを叩き潰す、おじさんにはバレないようにな」


「うん わかった~」「あいよ」二人からの気合いの入った返事を聞いて指示を出す、


「二人はスラム街のセラっていうガキに事情を話して情報を拾ってきてくれ、その時そいつに飯を食わしてやってくれないか?材料は俺がいくらでも出す、」


「俺の名前をそのガキに教えておいたから、何かあったら俺の名をを出せ、頼んだよ」


そう言いながら俺は裏路地に消えていく、


さてと、静かな落ち着ける場所を探して精神統一しないとね、


今俺はGODさんに騙りかけています、 GODさん教えてください


「やっとたどりついたのね まってたわよ~んっでこの国の事ね、今回の旅をする目的の一つだったのよね~ この国の宰相が国を乗っ取り軍事国家にしようとしてるのよ、それをやめさせようとした者たちは棄民にされてしまったの、あと魔法が使えない人への差別がひどすぎるのよね~ぷんぷん、それで今回のコージィの指令なんだけど、魔法使いを増やしてね、それから既得権益にしがみついて差別もやって魔法の拡散を阻る者にお仕置きしてほしいのよねん♪ 貴方のご先祖さんのミケーネ・コーナのやったようにね」


「ミケーネ・コーナのように? ですか...わかりました、あとセキのおじさんと店に被害を与えた奴らは何者なんでしょう?」


「あれは只の地上げ屋なのよね、でも既得権益者が絡んでるから元から叩き潰すといいわよ~」


俺は心置きなく暴れられる許可をもらったみたいだ、とりあえずセキ達と合流だ 


かなりの食材を使って神速の早さで料理を作っていく二人がいた


あちらこちらで料理を絶賛する雄たけびが聞こえる


「「「うま~い」」」 「「「うますぎる~」」」


ここはスラム街の広場、なんだかどんちゃん騒ぎしているよ、そこには辛気臭い奴なんか一人もいない、ただ食って飲んで喜びに満ちた人達がいた、


「コージィ今来たの?」


「ああそうだけど、何この騒ぎは、」


「うん なんだかね、伝説の救世主がこの街に来るんだって」


「じゃあ胸に七つの傷でもある人が来るのかな」と意味不明の言葉が出る


「へ~そんなのが来るんだ」と言いつつ俺も酒樽を出して、振る舞い酒をする、


「セキ情報は拾えたかい?」


「うん犯人が分かったよ」


「じゃあ早速潰しに行こう、」


「とりあえず変装していくか、後の行動に制限かかると嫌だからな、」


と言う事で3人とも白衣でマスクと帽子で変装した、地上げ屋が更地にするとか言ってたから俺たちが先に地上げ屋とそれに関連する建物全て更地にしてやろう、


土属性の魔法を使って、と思ったが更に嫌がらせのブーストをかける、更地を泥沼に仕上げてみた、50m位深いから何も出来ない土地になったね、


満足げにセキが戻って来たランは泥沼の上に薄い土の膜を作っていた、この落とし穴死ねるよ絶対、


作業も終わったので宴のスラム街に戻る、セラが駆け寄ってくる


「兄ちゃんありがとな、みんなにまでこんな美味い飯を作ってくれて、」


「セラこそ情報ありがとな、おかげですぐに仕事がかたずいたよ、」俺たちは宿に戻ろうとすると


「兄ちゃん大事な話が有るんだ」


セラはそう言って俺たちを引き留めた






続く


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