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 魔導蟲  作者: 七味とうがらし
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スタンピード

 俺は今飛行魔法で上昇している、次に向かうべき方角を確認している、セキの兄たちを探してるんだ、テンシンって街のギルドにいるらしいって情報は貰っている、確認していると行く先の村が魔物に襲われているようだ、


 「セキ、俺たちの向かう方向の村が魔物に襲われているみたいだ、先に行ってるから到着したら目印を出すからそこを目指して」  


 そう言って俺は飛行魔法で村へ、その後をセキが走ってついてくるがあっという間に引き離してしまう、


「飛行魔法か~いいな~」セキは羨ましそうに呟く、


 村まで来た、まだ村の中にまでは魔物は入ってきていない、そこには30人位の冒険者達とクレイモアを片手で振り回し1.5m程ある大きな盾で攻撃を防いでいる二人の冒険者がいた、前衛が堅い守りで凌いでいるけど、それも瓦解するのは時間の問題であった、魔物は軽く見積もっても500体以上いるみたいだ、


「助太刀するぜ!」俺はそう言って前に出る、


「ありがとよ! どうやらスタンピードの様だ 近くのダンジョンから湧き出てきてる、」


なんだか親しみを覚える感じの熊耳の獣人だった、


ちょいとファイアボールで狼煙を上げてセキにしらせておく、すると大きな火球が天に向かって伸びていく、これでわかるだろうと思いつつ魔物に攻撃開始する、


ゴブリン、オーク、コボルト、マンティス、鵺、牛鬼、がわらわら湧いて出てきていた、

大量の魔物の群れに向かってファイアバレットを連打する大量の高温の石礫いしつぶてが魔物を貫通していく、その時頭の中で声が聞こえるG・O・Dさんの声だ、


【コージィ気を付けて、ぬえがいるわよ、あの子達は鳴き声にスタン効果があるから要注意なのよ~】G・O・Dさんの念話だった、


【了解です、注意します】俺はそう答えて周囲を見渡す、


 体長5m位の牛鬼が3体迫ってくる、さっきの俺のファイアバレットを掻い潜って来た奴らだ、けん制しながら対峙する、


「ヒョ~ ヒョ~」トラツグミの声に似た大変に気味の悪い鵺の声だ、それが熊獣人の二人に向けられた、


その瞬間に熊獣人の動きが止まる、スタン効果が発動してしまったようだ、あれにかかると30秒は動けなくなる、この戦場では致命的な効果だ、


俺は3体の牛鬼と対峙して動けない状態、熊獣人以外の動ける冒険者に指示を出す、犬耳の冒険者と猫耳の冒険者が大剣を構えて熊獣人をフォローする、


「あと30秒だけ頑張ってくれ、その大剣の陰に隠れる様にすればある程度スタンは凌げるはずだ」


俺は牛鬼と睨み合ったまま動けない、そこへ牛鬼の首がコロコロと転がっていく、


その首のそばには袖なしの革のロングコートを羽織りハルバートを構えた熊が立っていた、


「助かった、サンキュー」礼もそこそこに次の獲物、厄介な鵺を倒すためファイアバレットを打ち込む、熊獣人二人もスタンが解けて戦闘を続行だ、


革コートの熊がファイアバレットを魔物に打ち込みながら近寄ってくる、


「その革コートに熊の姿オヤジなのか?」熊獣人が問う


「サキ、シキ、ぼくだよ~」


「「セキ」」なのか! 二人は驚いたように「その姿はどうしたんだ、それに今お前魔法を使っていただろ」サキとシキが問うたが、「説明はあとで~」緊張感もない間延びした口調で次の獲物に向かう、


 魔物の群れの後ろから一際大きな魔物がやって来る、スタンピードの原因はあいつがダンジョンの中で暴れてその他の魔物が恐慌状態に陥りダンジョンから出てきたらしい、


するとまた頭の中に声が響く


「コージィ、スタンピードはドラゴンが原因なんだけど、あの子は滅ぼさないでくれるかしらん、あんな子でもこの世界の調律に必要なのよね~」


「じゃあどうしたらいいんですか!」半分キレ気味に問う、


「あの子はおなか一杯になったら巣に戻るから、倒した魔物を集めて食べさせれば巣に帰るのよ、丁度産卵期だから食欲旺盛になってダンジョンの魔物を食べ始めたのね、それで逃げ出した魔物たちの群れがスタンピードしてきたのよね~」


「スタンピード対策として産卵期にはいったら大量に魔物を用意するとスタンピードは起こらないって事ですか?」俺が問う


「そうなのよ~この世界は全ての存在に意味が有るから滅ぼしてはいけないの、だから仲良くしてね~ そして付き合い方を考えれば上手く回っていくのがこの世界なのよね~」


俺たちは倒した魔物を集める、明らかにドラゴンよりも大きな質量なのに次々と魔物を飲み込んでいく、殆どの魔物を飲み込んだあとドラゴンはダンジョンに帰っていった、


セキが体をもとの姿に戻す、その変身途中をサキとシキが見守る、そして変身後にはファイアを使い爪の先に火を灯す


「「本当に魔法が使えるようになったのか、」」


「うん家族で使えないのはサキとシキだけだよ~」


「ダイとママがとりあえず帰ってきなさいと言ってたから帰った方がいいと思うよ、ママに魔法使えるようにしてもらえるから」俺は二人にそう告げた、


「ママが俺たちに魔法が使えるようにする事が出来るようになったのか?」


「うん、ママは誰でも魔法が使えるようにするすべを習ったんだ、コージィから」


「じゃあコージィ今すぐ俺たちに魔法を使えるようにしてくれ」サキが懇願するが


「今俺たちは旅の途中なんだ、魔法を使えるまで半年はかかるんだよ、その間にも精神力の修行が必要で付きっきりでやらなければならないんだ、」俺はそう答えて帰宅を促す、


「分かった、一旦家に戻るよ 俺たちはまだまだ冒険したいんだ、魔法使えるようになったら一緒に冒険に行こう」


「ああ、わかったそれじゃあ行先はギルドに託しておくよ、俺たちは香辛料を探しにちょっと南の方に行ってからその次は仲間を探して北方面に向かって行く予定なんだ」


「誰か知り合いを探してるのか?」シキが訊ねる、


「いや、まだあった事も無い見も知らない仲間を探してるんだ、」


「なんだ?それは」半笑いでシキが問う


「まあその件は帰宅して半年たてばわかるよ、答えはその時まで待ってみるといいよ、」


「ってことは魔法絡みって事なんだな?」


「ふふっ まあお楽しみって事で、」




 翌日、俺たちはテンシンの街のギルドに来ていた、サキとシキは報酬その他を全て弟のセキに譲ると一筆書いた手紙をセキに渡して早朝家に帰っていった、


報酬と俺の今回の緊急参加報酬も申請して証人として昨日一緒に戦っていた猫耳と犬耳の獣人の二人に証人となってもらった、


 っでよく見ると猫耳かと思っていたんだけど虎の獣人でした、猫獣人にしてはあの大盾を持って攻撃を防いでいたんだから大した膂力だなと思ってたんだけどね、それでもう一人の犬耳さんこちらも狼の獣人さんでした、


「飯は食ったのかい?」俺は二人に問う


「いや昨夜飲みすぎてさっき起きたばかりだ、」


「証人になってくれたお礼に飯でもどうだい?」


「おお、そうかいじゃあご馳走になるか、」と虎獣人


「セキ頼めるかい?」


「うん、なにがたべたい?」


「肉だな、」「俺も肉だ」狼獣人と虎獣人が揃って答える、


「わかった~おいしいお肉だね~」 セキはそう答えてギルドに併設されているキッチンへ入り厨房を借りられるように交渉する、お昼まではまだ時間が有るので使用許可をもらい、使用料と言いながら銀貨1枚渡すと早速作業にかかる、


 この世界の金銭の価値は石貨、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の順になっている、石貨が10円相当で鉄貨が100円銅貨が1000円、銀貨が1万円、金貨が10万円相当、白金貨が100万円相当になってます。


 お金の単位はG=ギルダン、国によって通貨単位が違うけど、ギルド共通通貨として流通していてこちらの方がどの国でも流通できるので重宝がられています、


材料をアイテムボックスから出して下ごしらえ、俺用の肉はかなり叩いて柔らかく調理してあるようだ、獣人用はわざと固くして歯ごたえを付けている、そしてこの地方独特のスパイスも付けダレに入れて焼き上げる、一方は薄味一方は少し濃いめの味付けだ、


「おまたせ~、これがコージィので、これが虎の獣人さんでこれが狼の獣人さんのぶんだよ」


同じ見た目の料理なんだけど全部味と肉の堅さが違うんだ、これは味割りっていう技なんだけど食べ比べないと解らない技なんだよね、


「く~このガッツリ感がたまんね~な、このゴブ肉美味いな~」虎獣人談


「いや~この絶妙な香りが食欲を増すね~」狼獣人談


セキはニコニコしながら感想を聞いていた、


「そういえば今更なんだけど、名前聞いてなかったな、俺はコージィ・コーナ そしてシキとサキの弟のシキだ」


「俺はマレー見ての通りの虎獣人だ」


「俺はカイってんだよろしくな」


「そういえばシキとサキはどうして急に実家に帰ったんだ?」カイが尋ねる


「ああ、魔法がつかえるようにするために実家に行ったんだよ」


「「なんだってー!?」」


「あいつら魔法使えなかっただろ、後から魔法使いになんてなれるのかよ!」俺はマレーに激しく肩をつかまれ揺さぶられている、


「なれるよ~」 セキが激しく揺す振られてる俺の隣でファイアを使い爪の先に火を灯す、


「どうすれば、何をすれば魔法が使えるようになるのか教えてくれ、」二人が懇願してくる


ここはGODさんとのお約束も有ることだし、提案してみる、


「俺たちと半年ばかり一緒に旅ができるなら魔法が使える様サポートするよ」


「「マジかよ~」」


「じゃあ第一の試練から始めてもいいかい?」


「「おう、何でも言ってくれ」」


「じゃあ魔法が使える臨月の妊婦さん探してきて、それとギルドに加入してる子で魔法使いになりたい若い冒険者の女の子を18名かな」


「「解った直ぐに探してくるぜ」」二人はあっという間にギルドを飛び出していった、


っで俺たちもギルドに魔法使いになりたい若い女の子の募集の張り紙を出す、


【求む魔法使いになりたい若い女の子】なんだか怪しい貼り紙を貼りながらギルドの受付嬢の下にいく、「ここのギルドの魔法使いってどの位いるの?」と尋ねる、


「このギルドに魔法使いは5人しかいないんですよ、魔法が使える人は実入りのいい仕事についてしまうから」残念そうに受付嬢は答える、


そうだよね~アイテムボックスがあって魔法が少しでも使えれば稼げるからね~、人材不足はどこも一緒か~ 


 このギルド職員の受付嬢の女性はミンメイさんと言って年齢は25才魔法が使えない未婚の人族である、当然この人も魔導蟲手術の対象ですね、


 この人、後に【魔法使いの育成法】や冒険者の冒険譚の書籍を作る大手出版社ミンメイ書房を立ち上げていくのはまた別のお話で、





 俺は昨夜夢を見たんだ、そこにはいつものGODさんがいて


「ドワーフの子を探してちょうだい、それでこれを作ってほしいのよん」といわれて細い針の付いたガラスの筒があった、


「これは注射器というのよん」そう言って俺に手渡す、細い針には穴が開いていてその中を液体が通るようになっていた、


「これを使えば切開手術しなくても簡単にできるのよ~それで今まで使っていた薬液を初乳に混ぜて注入すれば手間もかからないわよ~」


「でもGODさん、そんな細い管なんて造れないですよ、」


「あらあらや~ねその為にドワーフの子をさがすんじゃないのぉ~」


「はいっ了解しました!」納得いった俺は元気に答える、


ってことで次探す人はドワーフさんです、










続く

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