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仲馬ちゃんの異常な日常茶飯事  作者: 神代 信明
2/2

仲馬ちゃんのバレンタイン

今日はバレンタイン、冴えない男子に幸あれ。

今日は2月14日、そう、バレンタイン。

この日のためだけに料理の得意な従兄弟にチョコ作りを教わって、

「作り上げたのが、このガトーショコラの山ですよ。」

「何で?」

目の前のラッピングされた箱の山。もちろん中身はガトーショコラ。美味しくできたものを量産した結果だ。

その前でどうしようか悩んでる私の隣で突っ込みをいれるのは弟の創午だ。185センチの高身長と細身でもがっしりしたボディにキリッとした顔で女の子たちはメロメロらしい。よくわからんね女の子は。この寝ぼけモヤシのどこが良いんだか。

話は戻って、去年までは市販品のチョコをクラスの皆に配っていたのだが、それではなんか物足りない、ということで今年から手作りだ。

材料は大量に揃えられるので家族の分、例の従兄弟の家族の分、羊子ちゃんの家族の分も合わせて作った。結果なのだが、

「どうやって持ってこうか、創午。」

「それなりのサイズの袋。」

「協力してよ、朝だけで良いから。」

「じゃあもう一個。」

「おk。今日の晩に追加で渡す。」

抱えるほどのサイズの紙袋(ガトーショコラ入り)を肩に担ぐ創午と共に学校へ。見られると恥ずかしい光景な気がするけど毎年のことになるとご近所も気にしなくなる。

校門につくと一気に視線が増える。チラではなくえ?!というものでもなく、「今年はなにかな」という視線である。

教室に入るとドアが閉められる。創午はチョコを置いて出ていく。ピリリとした空気の中、私はこう言う。

「ハッピィヴァレンタァイィン!」

瞬間クラスの皆が騒ぐ、狂喜に満ちた空間に変貌する。いつもは冷静な人も隣の男子とハグしたりしてる。

「ひとりひとつねー。」

「今年は手作りだよー。」

等といっている間に紙袋は空っぽに。ちらりと横を見るとチョコを持った女子が、

「仲馬ちゃんへ!私たちの気持ちです!」

顔を真っ赤にした女子たちからチョコを受けとる。

「うん、ありがとう。」

クラスの皆が笑顔でよかった。

この笑顔のために頑張ってるといっても過言ではない。



どうも、創午っていいます。姉の変な慣習についに巻き込まれました。

いつもはずぼらな姉も今回は全力でガトーショコラを量産してました。

結果、いつもの市販品に比べ体積が増え、運ぶのが困難になったところに、俺がすれ違ってしまいました。目があった瞬間、「死んだ」と思ったのは内緒です。

登校中は常に何かしらの視線を浴びます。視線自体はどうってことないけど、「ついに巻き込まれたか」という微笑ましい感じの笑顔が心にキます。

校門付近では級友にガン見されたり先輩方がじっと見てくるので胃の辺りが痛かったです。

ついに教室、ドアを開ける前からオーラが駄々漏れ、近寄りがたいソレに他クラスの皆さんはわざわざ遠回りする始末。

「姉さん、入るの怖い」

絞り出した声は姉には届きませんでした。無情にもガラリとドアを開けます。

瞬間、周囲の空気が冷えたのがわかりました。帰りたい。

ドアの近くでスタンバってた先輩がすぐさまドアを閉めます。

このままここにいると死にそうなのですぐに退散することにしました。ドアを閉めて、階段まであるいて、一段降りた瞬間。

「うぉおおおおおおお!」

「やぉっしゃぁあああ!」

「きゃぁああああああ!」

「イ"ェ"エ"エ"ア"ア"ア"ア"ア"!」

校舎が揺れました。最後のは俺です。マジビビった。



「やっぱりお前の姉貴か。」

クラスの友人に労ってもらってなんとか復活。

「ていうか相変わらずだなぁ創午。」

机の上の大量のチョコのことを言っているのだろう。

「お前のも入ってんだろ、柳虎。」

大半が空っぽになったソレの向かいにいる友人も女子から人気がある。女なのにな。

「あたしはチョコ苦手だからなぁ。全部やるよ。あたしからのバレンタインだ。」

あっそ、と言いながらまたひとつチョコの包装が空になる。

甘いのが大好きなんでね、全部ありがたくもらいますとも、ええ。


今回名前の出たキャラは全て黒野姓です。

言っておくと仲馬ちゃんは学級委員長です。

私はボッチです。がっでむ。

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