表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日常生活

作者: ヒロ

新作・日常生活です。


短編ですが最後まで楽しんでもらえたら、うれしいです。

 僕、相川武雄あいかわたけおの日常生活は毎朝7時に始まる。今日もいつも通り7時に起きた。まずはカーテンを開けて朝の陽の光を浴びる。う~ん、やっぱり朝の陽の光は気持ちいいな~。それから着替えを済ます。パジャマから制服に着替えた僕は2階の自分の部屋から1階のキッチンへと向かう。そう僕は1人暮らしをしているのだ。


「さて今日の朝は何にしようかな?」


 冷蔵庫には卵が残っている。そうだ、この卵でスクランブルエッグを作ってマヨネーズと絡め、パンにはさめて食べよう。そう思って、鼻歌を歌いながら調理を開始した。調理をしながら時計をちらっと見る。7時15分…家を出るのは7時50分だから、まだ余裕がある。


「よし! できた!」


 7時25分、朝食の時間だ。パンにかぶりつく。うん、今日もなかなかの出来だ。朝食を済ませ、今度は洗面所へ向かう。僕は毎朝、朝食を済ませてから歯磨きと洗顔を済ませるんだ。今の時間は7時35分、僕は歯磨きと洗顔を素早く済ませる。時間は7時45分、ちょうどいい時間だ。


「いってきます!!」


 7時50分、僕は家を出て学校に向かう。途中、友人の田原優たはらゆうと会い、一緒に雑談しながら登校した。いつも優と話している雑談が僕は大好きだ。話の内容は特に無い。いつもその場で考えるんだ。今日のテーマは…


「なあ武雄、昨日の試合見たか?」

「え? テレビで中継してたの!? 見忘れたな…」

「昨日なんて逆転に次ぐ逆転で面白かったぞ」

「うわー見れば良かった…」


 僕は今、野球にハマっている。優によると昨日はテレビ中継があったみたいだ…昨日はテレビなんて見なかったしな~。そんな話をしているとあっという間に学校に到着した。8時5分。教室にはクラスメイトが早くも登校している。


「おはよ~」


 そして再び雑談タイム。いつも朝は、朝のHRホームルームが始まるまでを過ごしている。気がつけば担任の中村空なかむらそら先生がやってきた。


「はい。静かに。今日の連絡をします」


 中村先生は淡々と連絡事項を話していく。


「今日も1日、頑張りましょう!!」


 そう言って中村先生の話が終わった。さあ僕にとって問題はここからだ。勉強嫌いな僕は授業を真面目に受ける気など全く無い。


「1時間目は数学か…優、どうする?」

「もちろん受けるわけないだろ。俺に朝っぱらから子守唄を聞けってか」

「そうだよね~」


 いつもこんな感じで授業前はサボることを考えてばかりいる。あとで職員室に呼ばれることなんて考えていない。ただ単純に授業をサボりたい、それだけだ。

『キーンコーンカーンコーン』

チャイムが鳴り、数学の富川将司とみかわまさし先生が入ってきた。


「じゃあ、まずは出席を取るぞ」


 そう言い、富川先生は生徒の名前を呼んでいく。


「相川」

「はい!」

「おっ…何かいつもより元気だな。やっと数学にやる気を出してくれるようになったか」


 富川先生は何を言っているのだろうか。僕の笑顔の意味は『授業に出ない』という意味なのに。そうしているうちに富川先生は出席確認を終え、授業に入った。僕は優に視線で合図を送る。すると優は静かに頷く。それが合図となった。僕と優は静かに教室を出る。周りがくすくすと笑っていた。


「おい! 相川、田原、何をしているんだ!!」

「やべっ! 見つかった!」

「優、早く逃げよう!」


 僕と優は全速力で逃げた。まあいつものことだから慣れてるんだけどね。


「ったく、あいつらは仕方ない奴らだな」


 そんな富川先生の言葉が聞こえる。僕らは無視して廊下を走り抜けた。








 僕と優は、いつも通り屋上へと来ていた。サボりに最適な場所だ。なぜなら先生は絶対に来ない。それに…晴れの日の景色がすごく綺麗で、気持ちいい。雨の日は…まあ想像つくよね…。


「いつ来ても気持ちいいな~」


 今日は晴れだ。いつもにも増して気持ちがいい。ほんとここは最高の場所だ。


「武雄、今日もずっとここにいるんだろ?」

「うん。あたり前だよ。僕は授業に出る気が無いからね」


 そう言って、僕はニコッと笑う。『おいおい大丈夫か?』みたいな顔で優が見てる。


「そんな顔してるけど、優だって授業出ないでしょ?」

「まあな」


 いつも優は『授業に出るのか?』と聞いてくる。まあ僕の回答は全く変わらないんだけどね。


「じゃあちょっと寝ますか」

「そうだね」


 そう言って、僕と優は寝転がった。気持ちいい風が吹く。昼寝(?)には絶好の環境だ。いつしか僕たちは、ぐっすりと眠っていた。


「おい! 起きろよ!」


 う~ん、誰だ? こんなに人が気持ちよく寝ているのに起こすやつは…そう思いながら僕は、ゆっくり目を開けた。


「う…うわ! 浅尾! いつからここに!?」


 そこに居たのは友達の浅尾陽太あさおようただ。いつもその日の全授業が終わったら屋上にやってくる。『今日は早いな』、そう僕が思っていると…


「ったく、お前らは…いつまで寝てるんだよ。もう今日の授業終わったぞ」

「えっ? いつの間に…」

「ほら、いつもの手紙だ」


 浅尾は、そう言って僕に1枚の紙をくれた。まあいつも通り…


『相川武雄、田原優、必ず職員室に来るように』


 たった1つの文だけが書かれていた。予想通りだ。


「お前ら、いつも職員室に呼ばれてるけど…そんなんで大丈夫なのか?」

「大丈夫。いつも怒られて、もう慣れたから」

「それって大丈夫って言わないぞ…」

「まあ職員室に行ってくるよ」


 僕は、そう言い浅尾と別れ、優と職員室に向かう。職員室には例のごとく、学年主任で生活指導の田中靖たなかやすし先生がいた。


「やっときたか、バカ2人」


 僕らの姿を見るといきなり、そう言った。


「いやだな~先生、僕たちはバカじゃありませんよ?」

「ここまでやっといて、今日もバカじゃないと言うか…」


 先生は僕らを呆れてような目で見ている。それから先生の説教は2時間におよんだ。











 先生からの説教が終わって、やっと職員室から出ることができた。


「あーあ、いっつも田中の説教は長いよな~」


 いつもの帰り道、優が愚痴のように言った。


「そうだね~今日も2時間、説教だったもんね」

「学校ってめんどくさいな…」

「うん。まあ、家にいても暇なだけだけどね」


 そんな話題も無い話をしながら帰る。先に優の家に着いた。


「じゃあ、また明日な」

「うん。また明日」

「武雄…俺、明日は授業出るわ」

「えっ?」

「じゃあな」

「ちょっ…」


 優に理由を聞ける時間なんて僕には無かった。優は、すぐに家の中に入って行ってしまったから。さっきまで珍しく学校の話をしているなって思ってたら、まさか『授業に出る』なんてことを言われるとは…。どうかしたんだろうか? そんなことを考えてる内に自分の家に着いた。


「ただいま~」


 誰もいない部屋に言う。夕食を作り、食べ、風呂に入り、蒲団を敷き…いつもの僕の1日が終わりを告げようとしている。あくまでいつも通りの僕の1日だ。でも…


『武雄…俺、明日は授業出るわ』


 いつも通りの1日の中で今日は、いつもと違う何かが生まれていた。僕は何かが変わる…いや、何か変わらなければならない気がした。

読んでくださってありがとうございます!


ちょっと強引に終わらせてしまいました。『時間経過早いよ』って思った方、すみません。話も何かめちゃくちゃですが許してください…。


何かありましたら、感想とかいただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 読了。 ラストのその後が気になりますが、伏せてあるからこその良さもあるなぁ……中々難しい複線回収の葛藤というか欲望を抱きました(笑 余談ですが、バカツートップの話って好きですw さらに…
[一言] 知り合い以外の小説を読むのは初めてで、 爽やかな学園ものを読んだのも初めてだったので何もかもが新鮮でした。 わざわざ伝言ではなくメモを残した先生が好きです^^ 中途半端な感想になりました…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ