日常生活
新作・日常生活です。
短編ですが最後まで楽しんでもらえたら、うれしいです。
僕、相川武雄の日常生活は毎朝7時に始まる。今日もいつも通り7時に起きた。まずはカーテンを開けて朝の陽の光を浴びる。う~ん、やっぱり朝の陽の光は気持ちいいな~。それから着替えを済ます。パジャマから制服に着替えた僕は2階の自分の部屋から1階のキッチンへと向かう。そう僕は1人暮らしをしているのだ。
「さて今日の朝は何にしようかな?」
冷蔵庫には卵が残っている。そうだ、この卵でスクランブルエッグを作ってマヨネーズと絡め、パンにはさめて食べよう。そう思って、鼻歌を歌いながら調理を開始した。調理をしながら時計をちらっと見る。7時15分…家を出るのは7時50分だから、まだ余裕がある。
「よし! できた!」
7時25分、朝食の時間だ。パンにかぶりつく。うん、今日もなかなかの出来だ。朝食を済ませ、今度は洗面所へ向かう。僕は毎朝、朝食を済ませてから歯磨きと洗顔を済ませるんだ。今の時間は7時35分、僕は歯磨きと洗顔を素早く済ませる。時間は7時45分、ちょうどいい時間だ。
「いってきます!!」
7時50分、僕は家を出て学校に向かう。途中、友人の田原優と会い、一緒に雑談しながら登校した。いつも優と話している雑談が僕は大好きだ。話の内容は特に無い。いつもその場で考えるんだ。今日のテーマは…
「なあ武雄、昨日の試合見たか?」
「え? テレビで中継してたの!? 見忘れたな…」
「昨日なんて逆転に次ぐ逆転で面白かったぞ」
「うわー見れば良かった…」
僕は今、野球にハマっている。優によると昨日はテレビ中継があったみたいだ…昨日はテレビなんて見なかったしな~。そんな話をしているとあっという間に学校に到着した。8時5分。教室にはクラスメイトが早くも登校している。
「おはよ~」
そして再び雑談タイム。いつも朝は、朝のHRが始まるまでを過ごしている。気がつけば担任の中村空先生がやってきた。
「はい。静かに。今日の連絡をします」
中村先生は淡々と連絡事項を話していく。
「今日も1日、頑張りましょう!!」
そう言って中村先生の話が終わった。さあ僕にとって問題はここからだ。勉強嫌いな僕は授業を真面目に受ける気など全く無い。
「1時間目は数学か…優、どうする?」
「もちろん受けるわけないだろ。俺に朝っぱらから子守唄を聞けってか」
「そうだよね~」
いつもこんな感じで授業前はサボることを考えてばかりいる。あとで職員室に呼ばれることなんて考えていない。ただ単純に授業をサボりたい、それだけだ。
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴り、数学の富川将司先生が入ってきた。
「じゃあ、まずは出席を取るぞ」
そう言い、富川先生は生徒の名前を呼んでいく。
「相川」
「はい!」
「おっ…何かいつもより元気だな。やっと数学にやる気を出してくれるようになったか」
富川先生は何を言っているのだろうか。僕の笑顔の意味は『授業に出ない』という意味なのに。そうしているうちに富川先生は出席確認を終え、授業に入った。僕は優に視線で合図を送る。すると優は静かに頷く。それが合図となった。僕と優は静かに教室を出る。周りがくすくすと笑っていた。
「おい! 相川、田原、何をしているんだ!!」
「やべっ! 見つかった!」
「優、早く逃げよう!」
僕と優は全速力で逃げた。まあいつものことだから慣れてるんだけどね。
「ったく、あいつらは仕方ない奴らだな」
そんな富川先生の言葉が聞こえる。僕らは無視して廊下を走り抜けた。
僕と優は、いつも通り屋上へと来ていた。サボりに最適な場所だ。なぜなら先生は絶対に来ない。それに…晴れの日の景色がすごく綺麗で、気持ちいい。雨の日は…まあ想像つくよね…。
「いつ来ても気持ちいいな~」
今日は晴れだ。いつもにも増して気持ちがいい。ほんとここは最高の場所だ。
「武雄、今日もずっとここにいるんだろ?」
「うん。あたり前だよ。僕は授業に出る気が無いからね」
そう言って、僕はニコッと笑う。『おいおい大丈夫か?』みたいな顔で優が見てる。
「そんな顔してるけど、優だって授業出ないでしょ?」
「まあな」
いつも優は『授業に出るのか?』と聞いてくる。まあ僕の回答は全く変わらないんだけどね。
「じゃあちょっと寝ますか」
「そうだね」
そう言って、僕と優は寝転がった。気持ちいい風が吹く。昼寝(?)には絶好の環境だ。いつしか僕たちは、ぐっすりと眠っていた。
「おい! 起きろよ!」
う~ん、誰だ? こんなに人が気持ちよく寝ているのに起こすやつは…そう思いながら僕は、ゆっくり目を開けた。
「う…うわ! 浅尾! いつからここに!?」
そこに居たのは友達の浅尾陽太だ。いつもその日の全授業が終わったら屋上にやってくる。『今日は早いな』、そう僕が思っていると…
「ったく、お前らは…いつまで寝てるんだよ。もう今日の授業終わったぞ」
「えっ? いつの間に…」
「ほら、いつもの手紙だ」
浅尾は、そう言って僕に1枚の紙をくれた。まあいつも通り…
『相川武雄、田原優、必ず職員室に来るように』
たった1つの文だけが書かれていた。予想通りだ。
「お前ら、いつも職員室に呼ばれてるけど…そんなんで大丈夫なのか?」
「大丈夫。いつも怒られて、もう慣れたから」
「それって大丈夫って言わないぞ…」
「まあ職員室に行ってくるよ」
僕は、そう言い浅尾と別れ、優と職員室に向かう。職員室には例のごとく、学年主任で生活指導の田中靖先生がいた。
「やっときたか、バカ2人」
僕らの姿を見るといきなり、そう言った。
「いやだな~先生、僕たちはバカじゃありませんよ?」
「ここまでやっといて、今日もバカじゃないと言うか…」
先生は僕らを呆れてような目で見ている。それから先生の説教は2時間に及んだ。
先生からの説教が終わって、やっと職員室から出ることができた。
「あーあ、いっつも田中の説教は長いよな~」
いつもの帰り道、優が愚痴のように言った。
「そうだね~今日も2時間、説教だったもんね」
「学校ってめんどくさいな…」
「うん。まあ、家にいても暇なだけだけどね」
そんな話題も無い話をしながら帰る。先に優の家に着いた。
「じゃあ、また明日な」
「うん。また明日」
「武雄…俺、明日は授業出るわ」
「えっ?」
「じゃあな」
「ちょっ…」
優に理由を聞ける時間なんて僕には無かった。優は、すぐに家の中に入って行ってしまったから。さっきまで珍しく学校の話をしているなって思ってたら、まさか『授業に出る』なんてことを言われるとは…。どうかしたんだろうか? そんなことを考えてる内に自分の家に着いた。
「ただいま~」
誰もいない部屋に言う。夕食を作り、食べ、風呂に入り、蒲団を敷き…いつもの僕の1日が終わりを告げようとしている。あくまでいつも通りの僕の1日だ。でも…
『武雄…俺、明日は授業出るわ』
いつも通りの1日の中で今日は、いつもと違う何かが生まれていた。僕は何かが変わる…いや、何か変わらなければならない気がした。
読んでくださってありがとうございます!
ちょっと強引に終わらせてしまいました。『時間経過早いよ』って思った方、すみません。話も何かめちゃくちゃですが許してください…。
何かありましたら、感想とかいただけるとうれしいです。