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カトゥオール シアンティフク 10  作者: 双鶴


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そして伝説へ

上映会当日。体育館のスクリーンには、科学部が総力を挙げて制作したアニメ『トリビア・ラビリンス』が映し出されていた。


「犯人、まさかのあの子だったとは!」「科学トリビア、めっちゃ面白かった!」

「結菜ちゃんのキャラデザ、神すぎ」「科学部、すごすぎる…!」


観客の反応は上々。SNSのライブ配信も同時に行われ、コメント欄は賑わいを見せていた。


湊斗はステージ袖でそっと息を吐いた。

「これで、科学部の最後にして最高の作品になったな」


陽翔が肩をすくめる。

「でもさ、結局…新入部員はゼロかもしれない」


大翔が静かに頷く。

「上映会は成功。でも、科学部の未来はまだ空白だ」


上映会の翌日から始まった“新入部員募集中”の1週間。

部室前には、手作りのポスターとQRコード付きのアニメ紹介が貼られ、4人は交代で部室に待機した。


「今日もゼロか」

陽翔が、椅子に座ったまま天井を見上げる。


「まあ、予想通りだな」

湊斗が苦笑する。


「でも、アニメの再生数は伸びてる。コメントも増えてる」

結菜がスマホを見ながら言った。


「科学部に入りたい、とは書いてないけどな」

大翔が静かに言う。


そのとき、部室の扉がノックされた。


「お疲れさま。上映会、ほんとうに素晴らしかったわ」

佐伯先生が、にこやかに入ってきた。

「科学って、こんなに面白いんだって、みんなに伝わったと思う。あなたたち、かっこよかったよ」


男子3人は、少し照れたように顔を見合わせた。


「先生にそう言われると、なんか…報われた気がする」

湊斗がぽつりと呟く。


「私もそう思うよ」

結菜が笑顔で言った。

「湊斗も陽翔も大翔も、ほんとにかっこよかった。科学部の誇りだよ」


そして、ポスターを外しながら、結菜は静かに言った。

「科学部の歴史って、私たち4人の成長の歴史だったんだね」


湊斗が頷く。

「高校3年分の記録、ここで終わるのか」


陽翔が笑う。

「モテなかったけど、科学ではモテたな」


大翔が静かに言った。

「科学は、残る。僕らがいなくても」


結菜は、ポスターをそっと畳みながら言った。

「科学部は、伝説になったね」


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