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カトゥオール シアンティフク 10  作者: 双鶴


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科学部、最後の春

春の昼下がり。校舎裏の自転車置き場に、4人の科学部員が集まっていた。


「よし、今日のトリビア、いくぞ」

湊斗がスマホを構え、科学部SNSのライブ配信を開始する。


「自転車のチェーンって、実は摩擦じゃなくて“転がり”で動いてるんだ。ローラーが回ってるから、滑ってるわけじゃないんだよ」

湊斗の声が、スマホ越しに広がっていく。


「それ、誰が得すんの?」

陽翔が笑いながらツッコミを入れる。

「でもまあ、科学的には正しい。俺は好きだよ、そういう無駄知識」


「無駄じゃないよ。科学は、日常の中にあるんだから」

大翔が静かに言う。


「はいはい、理屈っぽい男子3人組は今日も元気です」

結菜がカメラに向かって笑顔を見せる。コメント欄が一気に賑わう。


「結菜ちゃんかわいい!」「科学部入りたいけど、もう3年だし…」「陽翔の毒舌、今日もキレてる!」


ライブ配信は、校内でもちょっとした話題になっていた。

科学部のフォロワー数は、ついに生徒会を超えた。


でも——


「新入部員、ゼロなんだよな」

湊斗が、スマホをポケットにしまいながら呟く。


「私たちが引退したら、科学部がなくなっちゃうね」

結菜の声が、春風に溶けていく。


「科学部って、俺ら4人の成長の記録だったのに」

陽翔が、自転車のペダルをゆっくり回す。


「高校3年分の記録、ここで終わるのか」

大翔が、理科室の鍵を見つめながら言った。


「終わらせたくないな」

湊斗が、ぽつりと呟いた。


その言葉が、4人の心に静かに火を灯した。


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