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【完結】乙女ゲームの表と裏  作者: あまつ冴
3 嫌がらせと騎士
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嫌がらせと殿下

 生徒会入りしたことで、ますます嫌味を言われクラスも他のクラスでも針の筵状態に。そして、とうとう…教科書とノート、カバンも見るも無残な状態に。机には罵詈雑言が書かれていた。友達もいないから愚痴を言ったりできない。

 ……もしかして、この嫌がらせ………【悪役令嬢】イザベラ!?証拠はないけど、イベントどおりなら、生徒会の後からだから、タイミングは合ってる。イザベラは公爵。私ではどうにもできない。


 ザッオールに会ったときに、涙が出てしまった。抱きしめて慰めてくれた。嫌味を言われていること、嫌がらせをされたこと、すべてはなした。もしかしたら、その主犯はイザベラではないか、とも。


 推測の話も信じて、イザベラに怒っていた。こんな話も頼れるのもザッオールだけだ。


 ザッオールは私とともに、図書室のイザベラのもとへ行った。

「なんですの?お二人揃って」

言語本をめくりながら、落ち着いた声で問いかける。

「リリアーナが嫌味を言われてるのは、お前のせいだろ!」

……ニュアンスが違う気がするけど、私の代わりに怒って行ってくださっているのが、嬉しい。

「教科書を破いたのも、お前が指示したんだろ!」

「………なんのために?」

イザベラはこちらを見ず、本を見ている。動揺も焦りもみえない。

「オレと仲良くしているから、嫉妬したんだろ」

「生徒会でいっしょだからと、いちいち嫉妬しません。嫉妬は狭量な人がすることです」

ザッオールは手に力が入り怒りに震えている。

「オレもそうだと、言いたいのか…?」

「そのようなこと、言ってませんよ。…まぁ殿下がそう思ったのなら、そうなのかもしれませんね」

怒りをあらわにし、強く噛み締めるとイザベラに掴みかかる。

「き、貴様!」

すかさずナナが間に入り、ザッオールの手を受け止める。

「殿下、落ち着いてください。他の者も見ています」

掴まれた手を振りほどくき、舌打ちをした。

図書室にいた生徒はどよめき、1番近くにいた生徒は外野の中に逃げ込んでる。


 この騒動で、嫌がらせされた私と庇ってくれたザッオール。イザベラは嫌がらせに関与したことが噂され私には味方ができ、イザベラが肩身の狭くなるイベントだ。


「実際!私の私物は壊されました!」

「私がしたという証拠かなにかありますか?」

ここは乙女ゲーム、あなたは【悪役令嬢】だから、嫌がらせはあなたしかない!でもしているところも見ていない、イザベラの私物は落ちてない。

「あいまい、ですね。リリアーナ嬢」

フェルディオが近寄ってきた。

「殿下も、憶測で動いてはいけませんよ。王族ならなおさら」

「うるさい!」

モブなのにザッオールに意見している。どういうポジションなの?

「続けるなら。場所、変えませんか?」

さわやかな笑顔だけど、圧がある。


笑顔イケメンの一言により、図書室から移動することになった。イザベラも騎士もついてくる。

「あ、そうだ。以前言っていた『手合わせ』をしよう」

ザッオールの提案に、剣の訓練場に向かった。


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