>>>>プロローグの前
『まずこの乙女ゲームの始まりは入学式。入学式には攻略対象キャラと【悪役令嬢】もいる。教室へ行くとき、教室、オリエンテーションで攻略対象キャラと会う』
簡単な解説図を指差しながら、流れを教えてくれる。乙女ゲームと無縁な生活をしていたから、さっぱり分からんが、プレイヤーの説明を聞くしかない。
『で、オリエンテーションが落とし穴。ほとんどのプレイヤーが勘違いしてるんだけど、全攻略対象キャラと会うのはこっちじゃなくて[入学式]のほう。ただ…クロムエルが見つけにくくて、全員見つけたら、この後のオリエンテーションで別イベントが起こるのよ!』
ヘビーユーザーなだけあるな。ただの乙女ゲームでこんな引っ掛けいるのか?
『見つけにくいクロムエルは殿下の側近なので、舞台袖のちょっと奥にいるのよ。ヒロインの席から見える位置なんだけどね。それに気づかないプレイヤーがほとんど!』
【別イベントってなに?】
ふふふ……不気味な笑い声。
『隠しキャラ登場イベ!』
隠しキャラ!?
『まあ、それは置いといて…』
置かれた!?
『オリエンテーションは出会いイベと思われがちなんだけど、それは違って、このイベで会えたキャラと剣と魔法分岐で攻略対象キャラが絞りこまれるわけ。ゲーム進行分岐イベよ。プレイヤーが勘違いする理由が、ここで全員に会える確率が高くって、ほぼほぼ全員に会えるからよ』
え?落とし穴作っといて、そこゆるゆるかよ。さすが乙女ゲームだな…?
『ここからが本番!ヒロインには殿下を攻略してもらう』
【………】
『まず、ダイタナ。この子は方向音痴でおっちょこちょい。自分の教室がわからず迷っていたところでヒロインと出会う。…、の〜で〜、教室までの案内係に教室までのルート変更、ダイタナが迷わないよう付き添いをつける』
方向音痴はおっちょこちょいにはならないよ。でも、出来事がわかっていれば、回避することも誘導することもできるのか…。
『次は、ウイルズ。ヒロインのクラス担当…を強引に変える!お金でも積んだら大丈夫でしょ』
【!だめです!そんなところでお金と権力を使わない!もしばれたら、断罪とか没落とかなるでしょーが】
『じゃ、あなたにお願いしようかしら』
あ、しまった…こっちが狙いか。
【はい、私の人脈で変更させます】
『で、オリエンテーションへ向う途中、ヒロインは他の令嬢に嫌味を言われている時にアーサーが助けてくれる。アーサーはねぇ、イッチバン人気の高いキャラなのよ。ビジュも声もよくてー』
酔いしれてる?戻ってきてー
『はっ!アーサーは騎士団の訓練に行ってもらうわ』
じゃぁ、ヒロインはいびられたままになるのか。
『そこで、【悪役令嬢】が登場。一応味方アピールしたらいいんじゃない。めんどくさいけど』
めんどくさいって言ったー。ホントは平凡な乙女ゲーム大好きな女の子だもんね。
『最後に殿下にくっついてるクロムエルはどうあっても会わせない方法はない。しかし殿下は[剣]クロムエルは[魔法]。たぶんヒロインは[魔法]を選ぶわ』
【根拠は?】
『ゲーム公式で、[剣]と[魔法]どっちを選ぶか、のアンケートで魔法が多かったの!しかも女性はほとんど魔法よ』
それでも…すごく、不確かな確率になるのでは?その自信がわからない……
『ヒロインが[魔法]を選べば、確実に殿下ルートよ…ふふふ』
自分がプレイヤーに徹するのか。まだ始まったばかりだというのに。
『キャラの中にオールマイティなのがいて、それが教師のウイルズなのよ。ウイルズはヒロインが選ぶ選択で[剣][魔法]が変わるのよ。ただし、進行分岐イベがきちんとできればの話』
イベが正しくできて、会えていれば攻略対象に、会えなければ、ただのキャラになるのか。
『日常ではヒロインと会わないし、私のすることも多いし』
【そんなに殿下嫌いなんですか?】
『ゲームでも好きにならなかったな。実物はもっと最悪。見た目いいのに、中身がクソよ』
【…で、次のイベはなんですか?】