【プロットタイプ】貴方に使って欲しいの
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
瑠衣→(←←←←←←)鏡花。
みたいな小説。
好きな相手に渡すものって悩むよね〜。
好きな人というのは、些細な物事であっても、一喜一憂してしまう。其れは何か贈り物をする時であっても。ああだこうだ考えて、結局買ってしまうという。例え今、物凄い金欠であっても。
貯金箱の中身を確認し、物凄いピンチである事を自覚した。今月はあと僅かである為、自分が少しだけ我慢すれば、難なく乗り換えられる壁。其れでもなんだかんだ散財を繰り返すので、油断はならなかった。
「我慢出来ないお前が悪い」
貯金箱を眺め見て、悶える私を見て何かを察したのだろう。瑠衣が自業自得という視線を向けて来た。紛うことなく事実なので、否定は出来ない。
其れでもやはり、放浪というのは辞められないものである。漢方の、独特の匂い漂う本の街を訪れて、行きつけの雑貨屋に顔を出す。此処は雑貨の回転率が早く、行く度に違う小物が並んでいる。ただ見るだけでも十二分に楽しい場所であった。
そこで、あるものを発見した。彫刻を模した金属の栞。其れは透明感があり、ステンドグラスを思わせる様な繊細さがあった。
暫く考える。瑠衣は執筆も好きだが、読書も相応に愛している。そもそも技量を上げる為に、気に入った本を何度か読み直すのは珍しい事では無い。
送ったら……喜んでくれるだろうか? 無愛想に『悪くない』と声を掛けるだろうか。
しかし此処で脳裏を過ぎったのは、今月の残金である。切り詰めれば何とか乗り越えられる。けれどもそうでなくては、かなりギリギリ。
迷って、彷徨って、店内を歩く。熱が冷めるのを待った。冷まそうとした。けれども。
「お願いします」
来週は映画見ないようにしよう。美術館行かないようにしよう。病院にかからない様にしよう。美容院は今月行ったから、来月は大丈夫。最悪自分で切る。先月分の繰り越しで買ったから、大丈夫。多分。……多分。
鏡花の放浪癖は今に始まった事では無い。意外と繊維なところがあり、周りの環境に左右されて系統が容易く変わってしまう。だから其れに至る為の環境に重きを置いている。だからどれだけ放浪しても、此方が止められる権利はありはしない。
そんな鏡花が帰ってくるなり、何かを押し付けた。
「はい。お土産」
「お前、金欠だろ?」
そう聞いても何も答えは帰って来なかった。ただせっせと荷物の整理を行っている。
改めて、渡された物を見ていると、金属製の栞だった。ギリシャの彫刻を模した様な、縁どりに、透明な蜜が注がれたステンドグラスの逸品。
悪くない。元より美しい物は好きだ。目を奪われて、離せなくなるぐらいには。
栞を押し付けた翌日、瑠衣は気に入りの小説をパラパラと捲っていた。しなった本の頁を押し付ける様に、きらりと輝くのは私が渡した栞。
「気に入った?」
「……悪くない」
好感触の様だ。瑠衣は率直に褒める事自体少ないので、これは彼なりの褒め言葉である。
あのさ、瑠衣。私が死んでも其れ、使ってね。本を読む時思い出してね。だから金属製の選んだんだから。
今月、色々ありました。
花粉症だから医者にかかり、映画を二回見て、ちょっとお高いレストランに行き、友人が探していたグッズを回収し。
……金欠です。というか何時も金欠です。
マイナージャンルの大ファンなのが功を奏しているだけです。
グッズ展開な〜い( '-' ) ヲタ活出来な〜い( '-' )
冒頭通り、鏡花は金欠です。でも油断すると危ないくらいのもの。
瑠衣が見掛けたら、間違いなく購入しそうな品を見せされて、買わずには居られなかった話。
喜んでくれるかな。使ってくれるかな。使う度に思い出してくれるかな。私が死んでも偲んでくれるかな。
そんなクソデカ感情が乗じて、メタル製の栞を購入しました。
そう思っていても、渡す時に面と向かって向けられるのは、やっぱり重いじゃないですか。
其れに其れを『いや、別に』『要らねぇ』とか言われると立ち直れないじゃないですか。
だから渡す時はぞんざいなんですよ。
※瑠衣はネコちゃんなので、使われなくても、まー猫だし。で済ます気でいます。そう言い訳します。
瑠衣が率直に褒める事は少ないです。だから『悪くない』と言うのは、『結構良いじゃん』という意味。
だから最後は湿度びっちゃびちゃな感情向けてます。
記憶に残るぐらいだと嬉しいだろうね。