プロローグ
初めて書いてます。
お手柔らかに
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黒と金で豪華に彩られた部屋。
その中には白い棺桶があって、僕は、いや、僕の身体だったものがそこにある。
周りを囲むのは全身真っ黒い服を着た人たち。
知り合いの少ない僕の葬式にこんなにも人が来るとはな。
この景色を見るのは人生で二度目だろうか。
いや、僕は死んでいるのか。
じゃあ、この景色ははじめましてだ。
人生は泡のようだ。
何かをしようとすれば簡単に弾けてしまう。
これは僕がこんな、胸に穴の空いた死体になるまでの話だ。
「こんにちは。 今日のニュースをお伝えします。」
そんな声で目を覚ます。
テレビをつけたまま寝落ちしたみたいだ。
「電気代たけーんだぞ。ふざけんなよ。」
そんなことをつぶやく。
テレビにはおっさんの顔。
殺人で逮捕だと。
最悪なモーニングコールだ。
テレビを消すと、自分の顔が反射する。
全く、ブッサイクな顔だ。
別に親を恨むわけではない。
というか親がいない。
5年前に事故死。
僕が中学1年生の頃だ。
でも僕は知っている。
あれは事故火災なんかじゃない。
放火だ。
「上野瑞希」
父が最後に残した言葉だ。
それを口にしたとき
「あれ、晴。起きてたの?」
姉が起きてきた。
「テレビつけたの姉貴だったのかよ」
「あれ?マジ?消したと思ったんだけどな。ごめんよ」
「電気代高いんだよ」
僕の姉。進藤なつみ。25歳。
僕をここまで育ててくれた姉だ。そして可愛い。
僕はシスコンらしい。
というのも放火から大半の人間を信用してないから、好きになれるのは姉だけだ。
ふと姉をみると、まだ6時なのに着替え終えていた。
「やば、もうこんな時間。私もう家出るから、朝飯適当に食べていて〜。あと歯磨けよ」
いや磨くわ。子供かよ。そっちこそちゃんと支度してからいけよ。
「いってら」
このようにして僕たちの一日は始まる。
ありがとうございます。続きお楽しみに