プロローグ 『授かりの儀』での出来事。
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「おい、雑魚クレス! さっさと荷物運べよ!!」
「誰よりも弱いんだから、それでちょっとはトレーニングになるだろ?」
「ぐ、ううう……!」
同い年の奴らが、口々にボクのことを罵っている。
小馬鹿にするように笑いながら、面倒な役割や作業はすべてこちらに押し付けてくるのだ。生まれつき身体の弱かった自分は、周囲から色々なことが遅れている。だから下手に逆らうこともできないし、やり返すこともできなかった。
今だって、荷物持ちという雑用をやらされているのだから。
「そういや、そろそろ『授かりの儀』だな」
「そうだったな。まぁ、俺らの上下関係には変化ないって」
「その通りだな! へへ!」
彼らの笑い声を聞きながら。
ボクは数日後に迫った『儀式』のことを思った。
「『授かりの儀』か……」
――『授かりの儀』とは、成人とされる十五歳の春に行われるもの。
神々から一人前の大人と認められると共に、その者にとって必要なスキルを授かるのだ。もっとも、それらはどれも魔法の下位互換のようなものばかり。だから誰も、あくまで通過儀礼としか考えていなかった。
それはもちろん、ボクだって同じ。
どうせ使えないスキルを与えられて、また馬鹿にされるに違いなかった。
「……だったら、期待するだけ馬鹿らしいよ」
そう思っていた。
件の『儀式』当日になるまでは……。
◆
「……次、クレス・オーデル!」
「はい……!」
神官長に名前を呼ばれ、ボクは祭壇の前へ。
そして片膝をついて頭を垂れ、慣例に倣って神々への感謝を述べた。するとボクの身体は光に包まれてる。胸の奥が温かくなるような感覚があって、次に目を開けると――。
「ん……?」
微かな目眩。
それと同時に周囲――いいや、世界全体の動きが緩慢になったような錯覚に陥った。このような話は誰からも聞いていない。ボクは自分の身に何が起きたのか、それを考えた。
すると脳裏に、聞き覚えのない女性の声が響いてくる。
これが、みんなの言う『神々からの信託』というやつか。
『貴方には特別なスキル――【倍速化】を授けましょう』
……【倍速化】だって?
そんなスキルは、今まで聞いたことがない。
考えていると女神の声は、続けてボクを鼓舞するように告げるのだった。
『貴方はこれまで、多くの辛酸をなめてきたはず。生まれてすぐに母を亡くし、父に捨てられ、弱き身体で幾人からも不遇な扱いを受けてきた。ですが、貴方は心優しかった』
これまでを労うように、優しい声色で。
『だからこそ力の使い方を間違えないと信じ、託しましょう』――と。
それを聞いて、光は収束した。
ボクはゆっくりと立ち上がって、確信するのだ。
「この、力は……」
――間違いない。
他の追随を許さないものである、と。
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