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Case 1-6


「では、反省会を始めよう」

「はい、先生」


 琴子が帰った研究室で、織宮と佐伯は「M to D」の前に座っていた。机の上には、琴子に記入してもらったアンケートが挟まれたバインダーも置かれている。


「今回は初回だということもあり、プログラムの時間は我々が考えたが.....30分では少し短いかな?」

「そうですね.....アンケ―トでは『ちょうどいい』と答えられていますが、今後のことを考えると少し伸ばしたほうが良いのかもしれません。ですが........データが少ないと30分では厳しい場合が......」

「では固定せずに柔軟に対応することにしよう」

「それでいきましょう」

「では次はアバターについてだ。どうだろう佐伯君。佐伯君から見ておかしな点はなかったかい?」

「うーーんと、強いて言うのであれば、少し歩き方に違和感がありました。あと、細かいことになりますが、服の質感が思ったより反映されていないというか....」

「まったく細かくないよ。『再開』にリアリティを持たせるためには重要だ。ではその点については.....」


 互いが明るくない分野程別の視点で見ることができる。細かい話し合いから「M to D」の設定まで、反省会は夜遅くまで続いた。






。。。。。。。。。。。。。。。。







再開から数週間後、琴子は大学のオープンキャンパスに向かっていた。何本目かの電車に乗り換え、目当ての大学の最寄り駅の名を、車内放送が告げた。

「えっと、・・・大学前....ここだ」


 スマホに表示された案内図を見ながら席を立ち、混雑した車内をドアへと歩いた。



「あっ、すみません!」


 と、琴子の背中に誰かがトン、と触れ、すぐに謝る声が聞こえた。



「....え」


 混雑した社内であるから、人がぶつかるのはいつものこと。しかし、琴子はその声に聞き覚えがあった。


 数週間前に、とある空間で聞いた声。


 恐る恐る振り返ると、同じ日に見たアバターとほとんど変わらない姿をした二人の女子高生が立っていた。

 手には、同じ大学のパンフレット。


「.......霞! 遥香!」

「えっ、まさか、こと、こ....?」


 琴子は満面の笑顔で、驚きと喜びが混ざったような親表情の親友達を見た。





()()()()、2人とも」









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