“恋をするにも手続きが必要になりました。”
20XX年、恋の手続きをするために市役所に行く人達が増えました。
結婚や離婚の書類を出す為ではなく、【恋愛】するのにも手続きがいるのです。
・・・では? 何故そうなったのか?
若者が“恋愛に全く興味がない”という人が増えたからです。
男女関係なく、パートナーを必要としなくても生活していける。
独りで寂しいなら、ペットが家にいる生活。
自分以外の人が家に居ると落ち着かない人達が急増したのです。
これを不安に感じた政府が、事務処理をしてしまおうと考えたのです。
政府が決めた事なら、一般市民も文句が言えないと踏んだのでしょう!
男女であれば、歳の差だろうが恋の手続きが必要なのです。
【出会いの場】を作り、いい恋愛をしてほしいと願っての事でした。
日本は少子化ですし。
高齢化が進んでいます。
このままいくと? 子供が1人もいない時代が来てしまう。
それに焦った政府が事務的に決めました。
ただ面倒くさい事に、“一目惚れ”しても市役所に書類を提出しないと
いけなくなりました。
どこの誰かも分からない人を好きになっただけで、書類が要るのかと?
問題にもなりましたが、今ではそれも当たり前になりました。
浮気や不倫、〇股、ホスト、ホステス、風俗、マッサージ、エロサイト
等々、、、。
恋愛している間は、【禁止】になったのです。
もし? ルールを破る者がいれば、裁判にかけられ罰金50万円を支払う。
*
・・・そして30年間、“恋”をした事がない僕も恋に落ちました。
彼女は23歳の女性です。
僕と同じ職場に移ってきました。
元々、彼女は違う部署で働いていたのですが今回僕の働く部署に移っ
てきたのです。
僕の心は彼女がいるだけで、ウキウキ・ドキドキしています。
今までに感じた事がない感情を僕は今感じているのです。
女性を好きになるという事は? こんなにもいつも見えてる
景色が変わるのだと知りました。
彼女の周りには、綺麗なお花がたくさん咲いて見えるのです。
キラキラしていて、僕の心臓は急速に早まります。
【ドクンドクン】という心臓の音がいつも以上に高鳴ります。
【恋って?】 ステキだな。 何故? 今までしてこなかったのだろう?
・・・そんな時、彼女の方から僕に話しかけてくれました。
『春野さん、少し聞きたい事があるんですけどいいですか?』
『えぇ!? 紫雨さんから僕に聞きたい事ってあるんですね。』
『そりゃ~ありますよ! 私はこの部署に来てまだ浅いですから。』
『・・・あぁ、そうか! そうですよね。』
『春野さん、なんか、ちょっと緊張してませんか?』
『・・・えぇ!? 少しココが寒いからじゃないですか?』
『あぁ! そうですよね、少しここ冷えますもんね。』
『・・・は、はい。』
『前から私! 春野さんの事、“イイ人”だと思ってたんですよ。』
『僕も、紫雨さんの事! “可愛い人”だなって思ってました。』
『えぇ!?』
『・・・い、いや? 皆、そう思ってるんですよ。』
『そう言ってもらえて嬉しいです!』
『本当に可愛いですよ。』
『・・・ありがとうございます。』
僕は完全に、彼女の事が好きになっていた。
でも? 彼女は僕にそれほど好意を持っていない。
・・・それでも、僕は市役所に行って【恋の手続きをした。】
手続きをすると? 市役所の方から彼女に連絡してくれて、お互いの
連絡先を交換したり、うまくいけば“ふたりでデート”もできる。
【どうか! 彼女と恋が叶いますように、、、!】
最後までお読みいただきありがとうございます。




