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プロローグ 穏やかな日々

新しい小説を投稿します。長編を予定しています。最後にはざまぁな展開が待っていますがしばらく先です。

「私は勇者様と共に行くからもう話しかけてこないでね」


「兄貴は無能なんだから邪魔しないでよ!」


「勇者様のほうがあなたよりも素晴らしいのです。あなたは寂しく暮らしたらどうですか。」


 とある中規模の村に住む俺ことアレンは、幼馴染のミリアとユリィ、義妹のアイナに馬鹿にされていた。錬成士のジョブ持ちである俺は、勇者の介入で数少ない味方を失った実感した。

 

 えっ!?なんでこんなにも心が冷めているのかって?それは何となくいつかはこうなるだろうなと思ってあの時から隠れて準備をしていたからだ。心が冷めて¨無¨の境地に入っている自分にも今は驚いているぐらいだ。


 何故ここまで俺が村のみんなから馬鹿にされているか。そして何故錬成士が冷遇されているのか。話は数年前まで遡る。世界への復讐の準備を始めたあの日に………






 --3年前--


「なあアレン。明日はいよいよあの日だよな。」


「俺たちは度のジョブになるんだろうな。」


 その日俺は、仲のいい友人たちと釣りに出ていた。


「なんでもいいんじゃないかな。そこまで影響はないみたいだし」


「ははっ、言えてるな。」


「こんな田舎じゃそこまで関係ないか。」


 俺たちの住んでいるヘキサ村は明日。二年に一度の14歳、15歳の少年少女にジョブの診断を下す儀式を予定していた。現在15歳の俺も対象の一人であり、明日の儀式について話しながら釣りをしていた。


「兄貴ー!」


「おやっ?アイナちゃんが来たぞアレン。」


「いつ見ても可愛いよな~」


 釣りをしていると俺の義妹のアイナが俺のほうへ向かってきた。


「どうしたアイナ。」


「ユリィちゃんが手伝ってほしいって」


「わかった。すぐに向かうよ」


 どうやら俺の幼馴染のユリィが用があるみたいだ。ひとまず向かうか。


「悪いなお前ら。」


「いいっていいって」


「ユリィちゃんの手伝いをして来いって!」


「二人とも兄貴に付き合ってくれてありがとう!」


 釣り道具を片付けた俺はアイナと共にユリィのところへと向かった。


「くっそー!なんであいつには美少女が3人も近くにいるんだよ。」


「アイナちゃんを始めとしてユリィちゃん、そしてミリアちゃんもいるしなぁ~」


「あっでも、ユリィちゃんに関しては別にいいかな。」


「確かにユリィちゃんの手伝い=重労働だからな。」


「羨ましいけどあの重労働は嫌だから複雑なんだよな~」 



 釣り道具を家に戻した俺はアイナと別れて教会にいるユリィのもとへ向かう。そして、教会の扉を開けて中に入った俺はユリィに話しかけた。


「ユリィ何か用か?」


「あっ、アレン来てくれたんですね。」


「ユリィの頼みだからな。できる限り応えるよ。」


「ありがとうございます。最近は村の男の子はあなたしか手伝ってくれなくなってしまいましたからうれしいです!」


 清楚な美少女のユリィは村でも人気者の一人だ。しかし、何故か村の男子はユリィの手伝いをしない。それはなぜか………。


「それではまずあそこのピアノを動かしてください。」


「……わかった。」


 重たいピアノを始めとして、女神像などの重たいものをひたすら運ばされたり……


「次に教会の補修などをお願いします。」


 本来なら彼女の父親である神父がやるべき日曜大工をやったり………。ちなみに神父は鬼のようにこき使ってくるユリィから逃げるために村長のもとにいます。


「アレン!あなたの手料理を食べさせてください!」


 ユリィに食事を作ってとお願いされたり……。とまあ、とにかく鬼のようにこき使ってくるので村の男子は嫌がってユリィの手伝いをしなくなったのだ。今では趣味でやっている俺だけが手伝いをしている。


「おう、アレン。ついでに俺の分の食事を頼む。」


食事を作りだしたら今まで逃げていたユリィの父親が姿を現して食事を作れと言ってきた。正直腹が立つけど支度している最中なので何も言わなかった。




 ユリィと神父に食事を提供した俺は自宅に戻ることにした。自宅に戻るとアイナが待っていた。


「おっそーい!早く食事作ってよ!」


「お前なあ。たまには料理の一つでも覚えろよ……。」


 アイナは村では人気者の美少女。しかし家では愚昧と化していたために、俺がお世話をしていた。俺の義父はモンスターにやられて亡くなっており、義母は病気で寝込んでいる。そのため俺は義母のお世話を後ですることになっている。


「あっそうだ、ミリアちゃんが一緒に食事をしたいって!」


「ミリアが!、分かった連れて来いよ。食事の支度はするから。」


「了解!兄貴ちょっと待ってよね。」


「ただし、明日は料理を一つでも覚えること………って、あいつ逃げやがった。」


 アイナは要領はいいのだが、何故か料理になると逃げだすのだった。ため息をつきながら、俺は夕食の支度をしだした。




「ミリアちゃんを連れてきたよーー!」


「アレン、世話になるわね。」


 義妹がミリアを迎えに行って30分後、ちょうど料理を作り終えた時に二人は戻ってきた。………手伝うのが嫌で遅く帰ったな。けどまあいいか。


「アレン、今日の食事は何かしら?」


「義母さん降りてきて大丈夫なの?」


「今は大丈夫よ。」


 昨日よりは体調が平気そうな義母の分の料理を提供して食事を開始した。


「今日はシチューだね。」


「アレンってほんと料理上手いよね。」


「うんうん、兄貴の料理は最高だよ!」


「ありがとよ。」


 義母は病になって家事ができなくなってしまったため、俺とアイナで家事を分担している。……のだが、アイナは義母の世話はするがそれ以外のことは逃げ出している。隣の家に住むミリアも同じようなもので、彼女の両親はすでに亡くなっており俺達と一緒に生活をすることが多い。


「明日は、ジョブ診断だね。」


「どんなジョブになるか楽しみね。」


「確かに俺たちの運命を左右するからな。」


「あなた達なら大丈夫よ。どのようなジョブが診断されても生きていけるわ。」


 義母は俺たちにそういうと食器を置いて義母の寝室へ向かった。


「ご馳走様。アレン美味しかったわ。」


「兄貴がいればいつでもおいしい料理を食べられるね。」


「あのな、少しはお前らも覚えろよ………って逃げるなよ………。」


 ミリアとアイナは俺の言葉から逃げるようにアイナの部屋に向かっていった。残された俺は食器と調理器具を片付けて自分の部屋に向かった。隣のアイナの部屋では楽しそうな声が聞こえてくる。義母はすでに眠っているため、俺は本を一冊読み終えてから就寝した。明日のジョブ診断でいいものを引き当てることを願いながら目を閉じた。


 この時の俺は気が付いていなかった。自分のジョブは錬成士というハズレであり、これがきっかけで俺の運命の扉が開きだしたことに………。

次回はジョブの診断が下されます。また、ここから先は一話ごとに少々長くなります。


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