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カラスの朝

作者: 青木 誠

初投稿

アスファルトの上。一本のソーセージが、湯気を立てながら横たわっていた。

道端に、ソーセージ。どうも普通は見ることのない組み合わせであるし、それが道路に至った経緯も気になるところではある。たが、ここではそのソーセージを電柱からじっと見つめている、一羽のカラスに注目してみよう。


このカラス、最後にモノを腹に入れたのは2日前。腹はもちろんスカスカであり、今すぐにでも目前の獲物に飛びかかりたったのだが、ちょうど対面にいるもう一羽がそれを躊躇わせていた。地面に転がるあの獲物にありつくには、戦闘は必至。戦う他ない。彼は睨みを利かせ、威嚇する。相手もそれを察したようだった。空気が張り詰める。戦いが、始まった。

嘴で、爪で。あらん限りの力を尽くし、彼らは戦った。たかがソーセージと言うならば笑うがいい。それが彼らの戦う理由なのだ。

戦いは激しかった。アスファルトの上には赤いシミと、抜け落ちた羽が重なった。


彼の勝利で、決着がついた。逃げ帰った二羽よりも、彼の怪我の方が具合は酷かったが、それでも彼は勝ち取った。ようやく獲物の前に降り立つと、ソーセージの後ろに彼を見つめる二つの瞳があった。人間の少年である。彼は瞬間、新たな敵の可能性を危惧したが、雰囲気からそれが無いことを感じ取った。どうやらこの少年は先の戦いを見ていたようで、小さく口を開けながら彼を見ていた。彼はそんな少年を尻見に、獲物を咥え羽を広げ、横を掠めていった。


黒いランドセルを背負った少年は、小さくなっていく彼の姿をしばらく眺めていた。そして振り返り、また、歩き出した。彼は、少し笑っていたかもしれない。

解りづらい点とか、指摘してもらえると嬉しいです。酷評バッチコイ!

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