表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/73

第四話  幸福と・・・

頭の中が真っ白。


っていうか薔薇色??


なんか働かない。


ついさっき出来た彼氏、

天也の事で頭ン中はいっぱい。


一時間前までは(一時間も話してた!!)

嫌で嫌でしょうがなかったのに、

今はサイコ―って感じ♪


配達ミスした人と、

人使いの荒いママのおかげ。


「ただいまぁ〜。」


いつの間にか家に着いていた。


「あら、帰ってきたの。」


親の言うせりふかァァっ。


今更だけど。


フツーは一時間も帰って来なかったら心配するでしょ?


隣に郵便物届に行っただけなのに。


やっぱうちの親は変わってる。


「やっぱ隣だったよ。」


一応報告。


が、

「何が?まったくおかしな子ね。」


はいぃ?


何言っちゃってんの?


自分が置いてこいっつったんだろーがっ。


「手紙だよ、手紙っ。」


「あぁ〜。そう。

あ、ご飯食べなさいよ?

冷めるから。」


そ、そんだけ?


はぁ・・・。


損した気分。


でもいいの。


今日は許しちゃう。


「私いらない。お腹いっぱいなの。」


天也の事で。


胸がいっぱい。


「ふ〜ん。じゃラップしとくから空いたら食べなさい」


軽い。


なんて軽いの。うちの親。


ま、いいけど。


私は部屋へ行きベットへダイブした。


ばふっという音と包まれる感じは小さい頃から大好き。


だからベットを買うときはこの音と感じの良い物を選ぶ。


「天也・・・大好きだよ。」


全長2mのイルカの抱き枕を、

ぎゅっと抱き締めて呟いたりしてみる。


何も知らない人から見たら、

私も変人、だよね。


そこは認める。


ぐぅぅぅ。ぎゃっ。


そう言えばお腹空いてたァ。


良かった。


誰にも聞かれてない。


セーフ。


「ママー、お腹空いた。」


「勝手に食べなさい。」


・・・そう言うだろなぁって思ってたよ。


「うん。勝手に食べる。」


ニヤリ。勝ったぜ。


「あ、やっぱり、私飲むから付き合いなさい。」


自由だなぁ。


ってゆうかね、私未だ未成年だよ?


飲ます気?


「ハイハイ。」


一応返事する。


「あんたは食べてればいいから。」


がくっ。


「イケるクチでも明日学校でしょ。

また呼び出し食らうの嫌だから。」


じゃあ休み前ならいいの??


あ、そうだ。


私もダメだ。


二日酔いになったらヤバイ。


明日から天也と一緒に行くし。


初日から悪いトコ見せちゃいけない。


多分あの人は、

私の過去の行いなんて知らないだろうから。


知らないなら知らないままでいて欲しい。


消える訳じゃないから、いつかばれる。


でもその日までは、

ただのお嬢様だって思っていて欲しい。


それ位は許してくれるよね、神様。


―チュンチュン。


「聖音っ。起きなさい。

遅刻するわよ。」


ママの声。


私は朝は苦手な方だから、

起こしてもらわないと無理。


ママの声と一緒にやってきたセロリが、

私の顔を舐めた。


「うぅん。おはよう。

セロリ。あ、今何時?」


「7時過ぎよ。

早く起きて、準備しなさい。」


「ふぁい。」


まだちょっと寝ぼけてます。


なんかぼぉーっとする。


しかもなんか緊張する。


だって・・・。


―「行って来まーす。」


元気良く家を出た。


すると門の前に、天也がいた。


昨日の私服とはまた違って、

めちゃくちゃ格好いい♪


「ごめん。待った?」


ヤバっ。


私、思った以上に天也の事好きなのかも。


「今来たトコ・・・つーか、聖音、かわいい。」


「なっ、何言ってんの?!」


照れちゃう・・・じゃなくて、可愛くなんか無いしっ。


「制服が、でしょ。」


ちょっとひねくれてみる。


天也は、

「制服、じゃなくて聖音。」

ってちゃんと訂正してくれる。


そうゆうとこ、好き♪


はい、すいません。


ノロケです。


流してください。


「じゃ、行こ?遅刻しちゃう。」


「おう。行こうぜ。」


そう言って歩き始めた時だった。


「聖音?誰?その人・・・」


声の主は聞き間違えるはずない。ママだった。


「ま、ママ?!」


なんで・・・。


「聖音の様子がおかしかったから、

何かあったんだと思ってたのよ。

それで後つけようって・・・誰なの?」


私がおかしかった?


見てもないくせに。


こんな時だけ・・・。


黙り込む私をよそに天也は口を開いた。


「あ、俺、隣に越してきた、

朝日奈天也っていいます。

聖音とは・・・。」


「昨日から付きあってんの。

もういいでしょ。

遅刻するから。」


時間もあったし、

自分の口で言いたくなって、

はっきりと言った。


「そうゆうことです。」


天也は私の言葉に肯定した。


「アンタ、昨日会ったばっかでしょう?!

どういうつもりか、

はっきり言いなさい。」


んーもうっ。


耐えられそうにないわ。


「いい加減にしてよっ。

ママにはカンケーないッ。

付き合うくらいいいでしょ!?

天也を責めないでっ。」


「・・・俺、昨日初めて会った訳じゃありません。」


えぇ?!


どうゆう事??


「俺が初めて聖音を見たの、

こっちに転校の事で色々あって、

引っ越してくる前に一度、

下見ついでに来たんですよ。

その時にすっごい可愛い子を見ました。

可愛いって言うより綺麗って言った方があってるな。

制服着てなかったら、

同い年としか思えない。

凛としてて、

話し掛けちゃいけないような雰囲気を持ってた子。」


「それが、私?」


私、そんな雰囲気持ってるの?


「うん。

でもその子が隣に住んでて、

まさか尋ねてくるなんて思ってもいなかったよ。」


確かに。


「知らなかった。

私はてっきり初対面だって・・・。」


そうだよ。


一目ボレだし。


「だけど一目ボレは、事実だから。

聖音の事、マジですっげぇ好きだ。

聖音は?」


そんなの・・・。


「・・・当たり前な事聞かないで。

じゃなきゃママにこんなに抵抗しないよッ!

天也、大好き!!」


・・・言っちゃった。


言っちゃったぁ。


でも気持ちいいー。


なんかすっきり。


そしてママは、

「そう・・・。

じゃ天也さん、

うちのバカ娘をよろしくっ。」

だって。


がくっ。


そんなにあっさり?


じゃあ最初っから口出さないでよねっ。


「たっ、天也ッ。やばいよっ。遅刻・・・」


携帯は8時30分をさしている。


聖プリンシアの始業時間はこの辺では一番遅い、

45分からだけど、多分15分では間に合わない。


四葉も一緒だったと思う。


遅刻覚悟だし。


ってゆうか、

私は今まで自由にやって来てるし、

遅刻しても平気で何も言われなくなってるし、

いいんだけどね。

天也はそうゆう訳にはいかないでしょ。

天也は私みたいなのとは人種が違うんだから。


「天也、先行っていいよ?

天也の足なら間に合うだろうしね。」


私はいいから。


「聖音、早く行くぞ。まじで遅刻だぜ?」


どうして?


「た、天也っ。

遅れちゃうよ?

私、足遅いから・・・」


「一緒に行くっつったろ。

ンな事気にしねぇよ。

つーか、

歩くスピードの速い女なんて、

めったにいねぇ。」


天也・・・。


ごめん。そうだね。


「遅刻したっていいし。

俺、バスケ馬鹿になれなかったから、

違うトコで馬鹿しねェとな(笑)」


やっぱり優しいんだね、天也は。


私は周りから白い目で見られてきた人間だから、

こんなに優しくしてくれる人はいなかった。


凄く、その優しさがココロにしみる。


「何泣いてんの?

俺、なんか嫌な事した?」


私の目には大粒の涙。


「・・・違ッ!何もしてな・・・」


私の言葉を遮って、

天也は私を抱き締めてくれた。


そしてこう言った。


「聖音、大好きだよ。

大事にすっから。

愛想尽かさないでくれよ。」


大きな体なのに妙に優しくて。


私の涙腺は決壊。


涙が止まらなくて。


こんなに思ってもらうの、初めてで。


ママやパパからもこんなに思われたことない気がする。


―結局、2人揃って、大遅刻。


私は泣きすぎて目が真っ赤で、

いつも以上に近寄りがたかったのは事実。


天也は、偶然にも、

自習で、遅刻扱いにはならなかったらしい。


羨ましいっ。


―私は幸せいっぱいで、

これから起こる事を微塵にも思ってなくて。


ただひたすら、幸せを噛み締めていたんだ―。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ