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第九話  告知

ドクンドクンドクン・・・。


さっきから、心臓がうるさい。


平気な顔して座ってるけど、

ドキドキして、心臓が痛い。


これじゃあ聞く前に死んじゃうって・・・。


センセイは黙ったまま。


ママは下向いて、

多分涙を抑えてるんだと思う。


そうさせてるのは私。


分かってるの。


でも、ね。


平気そうにしてなきゃ、

私、暴れるかも。


自分の体のことだけど、

聞いたらきっと、堪えられない。


そんな気がする。


だから、言い出せない。


「ちゃんと話してください。

私は大丈夫」


って言えない。


「・・・朝日奈さん。

話しましょうか。」


沈黙を破ったのは、センセイ。


ママも覚悟を決めたのか、

やっと私に顔を見せた。


・・・目、赤いね。


そんなに泣いたの?


ごめんなさい。


「・・・はい。ちゃんと話してください。

隠しても治るもんじゃない。」


私はグッと力を入れた。


爪が刺さって痛いはずなのに、

痛みを感じない。


「・・・。」


ママは何も言わない。


私と同じように堪えてるんだ。


「朝日奈さんの病名は・・・」


また心拍数が上がった。


苦しい。


ドキドキなんて可愛いもんじゃない。


破裂寸前だよ・・・。


センセイため過ぎだし。


「・・・急性骨髄性白血病です。」


急性骨髄性・・白血病?・・・何それ・・?


白血病?


嘘でしょ?


・・・・・。


「白血病というのは、

昔は治らない病気でした。

でも今は違う。」


私の中でも不治の病だよ。


「朝日奈さんの場合もそうです。

骨髄移植すれば、治りますよ。」


骨髄移植が必要?


骨髄移植って何?


「辛い日々になるけれど、

一緒に頑張りましょう。

治して、元気になりましょうね!」


どんな表情したらいいのか分からなくて、私は呆然とした。


ママはきりっと前を向いてた。


迷いも何もなく・・・。


―「お〜聖音、おかえり。」


病室に戻ると、

天也がいつもと同じ明るい笑顔で迎えてくれた。


今の私には、少しキツかった。


「・・・天也、ごめん。」


「どうした?暗い顔してさ。」


私、そんなにひどい顔してる?


「今日は・・・帰って。」


私、ひどいこと言ってる。


分かってるの。


でも、

でも・・・天也の明るい顔、

今は直視できない。


心配かけたくない。


弱いって思われたくない。


一緒にいたい。


だから、言いたくないけど・・・

今日はもう・・・帰ってほしい。


「・・・わかった。今日は帰るよ。

また、明日な。」


そう言うと立ち上がって、出て行った。


天也の後ろ姿がとても切なかった。


ごめんね。


天也が悪い訳じゃないのに。


八つ当たりもいいとこだね。


明日はきっと、笑って話せるから・・・許してね。




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