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第1章・4 妻オリビア   

それから程なくダニーとイザベラは結婚をした。人生最大の恥をかいたエドは、あの日以来2人と顔を合わせる事も出来なかった。


ダニーが仕事に行く時間に会わない様に。イザベラが洗濯を干す際に会わないように。まるでネズミが猫に見つからないように陰に隠れて生活をした。


ダニーの家から聞こえるイザベラの笑い声がエドの溜め息で家の空気をさらに重くした。

そんなエドを見かねて父と母が、隣町から1人の女性を連れてきた。


名前はオリビア。母方の兄弟の嫁のそのまた兄弟の婿の兄の嫁の・・・

まだまだ続くがエドも正確に覚えてない。親戚関係とは遠すぎて他人の方が近い。


「何て美しいんだ・・・」


エドは一目見てオリビアの事が好きになった。イザベラと違って大きな瞳。

髪はブロンズ?肌も雪のように白くエドと目が合う度にピンクに染まっていく頬!


何て愛らしいんだ〜♪


すぐさまエドはオリビアと結婚をした。人に見せびらかしたいほど美しい妻。控えめで器量も良く家事も料理も完璧!もう昼夜問わずエドはオリビアに首っ丈!あっという間に可愛い女の子まで授かったのだった。





美しい妻と可愛い子供の存在のおかげで恥も忘れて一気に社交的に変わったエド。何もかもがバラ色に見え感も冴え渡った。


「あいつには一目置いていたんだ」


エドが開発したアンテナのおかげで工場は活気に満ち溢れ、従業員の給料も2倍?いや3倍と上がり町中の男達もエドを絶賛した。仕事も順調。新しい商品の開発から販売まで。全てにおいて常にパーフェクト!


「近いうちに何もかもが機械化され、人材はいらなくなってしまう。だが、社長と言うのはココで働く従業員だけではなく、その家族全ての生活を任されているんじゃ。お前ならきっとできる!ワシが死んだら是非お前に・・・」とアンテナ工場の社長が機械化を推奨する嫁婿カーターの存在よりもエドを後継にと懇願した。


「エドったら本当に素敵ね〜♪」


町中の女達もエドを憧れの男として見るようになっていた。


「ワタシ将来エドのお嫁さんになるの」と幼子から。

「私がもう少し若かったら恋に落ちていたんだけどね〜」というおばあちゃんの言葉にまで「今でも十分美しいですよ。今夜君をさらって遠くに行きたいほどさ!」と口から次次に愛のメロディーを奏でた。そんな町中の人々を虜にするエドに最後の日が訪れる。

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