第1章・1 ダニーとの再会
「はぁ〜これから
どうすればイイのか・・・」
エドは深い溜め息をついた。
働いていたアンテナ工場が機械化で、人材がいらなくなり突然クビになったのだ。
「クビになったって、オリビアに言ったら・・・
あ〜どうすれば良いんだ〜!」
恐妻の怒り狂う光景を思い浮かべて、エドは家に帰るのが怖くなった。
「あ・・・・雨」
どのぐらい時間が経ったのだろうか。もう夜も更けていた。
「ここは・・・どこだ?」
足が向く方へ彷徨い歩いた事も思い出せない。
雨はどんどん激しくなったけど雨宿りする気力もエドは失っていた。
雨に打たれながら階段に座り込みただうつむいていたその時だった!
「エド?エドじゃねえか〜!?」
「やぁ・・ダニー・・・」
ダニー!?驚いてエドは我に戻った!
「ダニー!どこに行っていたんだ!!みんな心配したんだぞ!!」
「悪い悪い・・・ちょっとな・・」
「ちょっとじゃないよ!どれだけみんな心配したと思ってるんだ!」
「まあそう怒るなよ・・・」
「え〜?1週間もどこに行ってたんだ!探したんだぞ!
工場が終わって疲れてるのにさあ!俺は・・・」
ふと気が付いたらエドはダニーに肩を抱かれ導かれるように歩いていた。
エドは暗くて何も見えなかったけど、
電灯もない真っ暗な路地をまるで猫のようにスルリスルリ。
ぼんやりとオレンジ色の明かりがともるドアが遠くに見えた。
「あそこに行こう」
「ちょっと待ってくれ!俺お金ないし」
「イイってことよ!今夜は俺のおごりだ」
おごりってお前・・・。
ダニーは扉を開いた。