プロローグ、キャラクター作成
本編投稿です。
俺の名前は進藤尊(しんどう たける)どこにでもいる....とはちょっと言えない、高校生だ。
両親は子供のころに他界し、祖父に育てられた、この祖父ちゃんが普通じゃなかったんだ。
剣術の道場をやっていて、やたらと実戦的な剣術....祖父ちゃんや森田さんは「自動小銃を持った相手でも楽勝!弾丸なんぞ、刀ではじけばいい!」って言ってたけど、俺は子供のころから修行して、奥伝の2段まで修めたところだ...1対1で向かい合っていて、相手の得物が拳銃だったら....1、2発なら刀ではじける....くらいにはなっている。
つまり、皆伝まではまだまだ先ってことだ。
1年ほど前に祖父ちゃんも他界しちまった。それなりに貯えがあったので学校にも通えるし、しばらくは生活に困ることもない。
道場は、高弟の1人である森田師範に譲ったが、俺もなるべく顔を出し未だ修行は続けている。
「俺より強くなって道場はお前が継げよ、うちの子供たちは、剣術に全く興味ないからな」
と、森田さんは言うが、先のことはわからない。
一人になって、友達に進められて初めて見たロボットアニメにはまってしまい、いつかロボットを操縦してみたいと考え、AIプログラムやロボット工学なんかの本を読みあさるような夢見がちな17歳だ。
趣味はロボ、特撮、アニメ、ゲーム、ロボ、ゲームはロボの操縦シミュレーション、ロボの格闘、ロボの作成何でもやる。
今日は新作ロボゲ―の発売日ってことで、学校が終われば、ゲーム屋に直行するつもりだったんだ....。
「昼休みが終わるまでに戻れるよなー」
そう、放課後まで待って売り切れたら大変じゃーないか!明日からの3連休を、どうやってすごすのかと途方にくれてしまう。
ゲーム屋に入り、新作が平積みされている場所の右端の方に目当てのゲームを見つけると、山になっている。
ロボの地位はかなーり低いってことか?昼食も食べずに走って来たのに?....腹が減った。
上から2つ目を抜き取ってレジに持って行った。平積みのゲームとか本って何となく2つ目を取りたくならないか?
「お買い上げいただき、ありがとうございます」
レジのお姉さんの声を背中に聞きながら、ダッシュで学校に戻ると予鈴前だった。
「どこに行ってたんだよ」
クラスメートの朝野に聞かれた。
「新作ゲーム買いに行ってた」
こいつが、俺にロボットアニメを進めた友達だ。
「よくやるねー、昼飯も食わずに、で、なにを買って来たんだ?」
「これだ」
俺は、袋を渡した。
朝野はゲームの箱を袋から出すと。
「へー、珍しいな、ファンタジー系のゲームか」
「え?今日発売の『パーフェクトロボットだぜ!』だよ?」
「いやいや、『アルトガイストへようこそ~』って書いてあるぞ」
「....なんだとーーーーーーー!!!2つ目の罠か!!」
.........
クラス中の注目を集めた。
「放課後に交換てくる....」
「うん、ドンマイ」
放課後に朝野と2人でゲーム屋に来ると、店は臨時休業していた。
「俺の充実した3連休を返せ.....」(涙)
「まー、こんなこともあるよ」(笑)
「そうそうあってたまるかよ!今日から連休明けまで店主の都合で休みだぞ!3日間ロボ漬の楽しい休日のはずだったのに~、返せ―、俺のロボをかえせー!!」(大泣き)
「あー、進藤、ここで騒ぐと恥ずかしいからもう行こうぜ、それに、3連休ゲーム三昧って、どんだけ廃人だよ、その気力、体力はどこから来るんだよ」
「剣術で鍛えてるから、3日や4日の徹夜は苦でもない!!」
「はー、そんなことをするために鍛えたわけ?おまえは」
ため息をつきながら言う朝野
「そんなことって言うな!ロボの素晴らしさがわからんのか?!....うちの剣術なんか使う場面があって良いわけないんだよ(人殺しの技術だぞあれは)」
「おまえさー、.......ロボ物ばかりじゃなくて、たまにはファンタジーもいいんじゃないの?」
「いい笑顔で言うな、ひとごとだと思って」
「他人ごとだし」(大笑)
「はー、ま、これも何かの縁かもしれんし、やってみると楽しいかもしれん、それに、レシート受け取らなかったから、返品できないしなー」
昼休みの時間が短いからあせってたんだよなー。
「おまえ、返品できないのわかってて、俺を付き合わせたのか?」
「えーと、お前この店の常連じゃん?融通も効くんじゃないかと思ったのさ!」
「今日ならともかく、4日後じゃ無理だな、あきらめて、アルトガイストへ行ってこい」
「行ってこいって?」
「アルトガイストへようこそ~、だろ?行ってらっしゃーい」
「.......いってきま~~~す?」
「えーと、『MMORPGアルトガイストへようこそ~』をお買い上げいただきありがとうございます。アルトガイストは中世ヨーロッパ風世界で様々なスキルを使って冒険を進めていく多人数参加型のオンラインゲームです。....所謂剣と魔法の世界ってことか、どんなスキルがあるんだろうねー」
家に帰ってPCにゲームをインストールしながら説明書を読んでいくと、覚えたスキルで剣と魔法の世界で暮らしていくってことらしい。
「それにしても、えらく時間がかかるなー」
かれこれ30分もインストール画面のままだ、いかん、眠くなってきた.......
目が覚めると辺りは暗くなっていて、部屋を照らすのはモニターの明かりだけになっていた。
インストールは終わっておりキャラ設定画面になっていた、目をこすりながらモニターを見ると。
キャラクターネーム:タケル シンドウ
ステータス
HP:235
MP:200
器用:15
俊敏:45
知力:17
筋力:38
体力:42
精神力:41
スキル
総合剣術:LV7
格闘術:LV5
槍術:LV5
弓術:LV5
手裏剣術:LV5
家事:LV1
SSポイント:50
SSポイントをステータスとスキルに割り振ることができます。また、新たにスキルを取得しポイントを割り振ることができます。
「いつの間に、キャラクター設定したんだ?ってか、強すぎねーか?でも、家事がLV1とかまるで、俺本人みたいだな、しかも本名入れてるし、寝ぼけてたんだなハハハ」
思わず笑ってしまった。
「数値がバラつきすぎてるから初期値じゃないみたいだし....、でも、SSポイントの残り方が初期値みたいだし....?」
「とりあえず、取得可能なスキルのリストを確認してみるか」
「剣、槍、弓、杖、拳、格闘、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、治療魔法、料理、鍛冶・・・・へー、沢山あるもんだなー」
各種武器から魔法、料理などの家事、生産系、さらに聞いたこともないようなもの、これがスキルなのか?ってものまで様々なスキルが並んでいる。
「食通とか、ポイント使ってまで取るスキルなのかよ、笑える」
1人で暮らすようになってから独り言が増えてるな。
「ロボットが作れたりしないのかねー、これだけスキルあるんだし、それっぽいのがあってもいいよなー」
ファンタジー系のゲームなのにロボを探してしまうとは、まだ、わりきれていないみたいだね。
「お、これなんかそれっぽいかな」
俺は、オートマトンってスキルを見つけた。
「オートマトンって機械人形のことだよな、これってロボじゃね?」
説明文を読むと。
「オートマトン:機械式の道具を作る技術、自動人形に限らない。かーコンピューターとかないんだろうから、制御とかどうするのかねー、説明が簡単過ぎてよくわからんなー」
とりあえず、ポイントを振ってみると、取得するのに2ポイントLV2に上げるにはさらに2ポイントLV3に上げるには、また2ポイントこれで6ポイント使うことになるようだ。
「あまり、多くのスキルとれねーなー、LVも上げられないし....ってことはもう取ってある剣術スキルとかどれだけポイント使ったんだ?」
オートマトンをLV3に上げたところで、他のスキルも見てみると。
「記述魔法:魔法陣や魔法紋を魔力で描くか、あらかじめ刻印した物に魔力を流すことで発動させる魔法、全ての魔法が使えるが、各種の詠唱魔法で中級レベルとされる魔法までしか使えない。んー、さすがに全ての魔法がフルに使えるんじゃバランスブレイカ―だよな、魔法陣とか書くんじゃ詠唱より時間かかるんだろうし、でも応用は効きそうだな」
ポイントを振ると、取得に3ポイントLV2に上げるにはさらに2ポイント?LV3に上げるには、今度は3ポイントか?LVを1上げるのにこっちはバラつきがあるのか?
「・・・・2.5づつ必要ポイントが増えて、で端数は切り上げるのか?スキルによって必要なポイントが違うってことか」
「かなり複雑なポイントの振り方だな.....もしかすると」
俺は、スキルLVを戻していった、すると、オートマトンと記述魔法のスキルは消えてSSポイントが50に戻った、でも、剣術や家事スキルは戻らなかった。
「あれ?剣術とか、家事は消えないのか?初期値ってことか?バグか?」
「ま、いっか」
俺はスキルをクリックすると片っ端からポイントを割り振ってはもどすことを繰り返した。
「SSポイント51....やっぱり思った通りだ」
バグだ、例の「食通」がLV1あげるのに必要なポイントが0.9ポイントのようだ、LV9まで上げた時に9ポイント必要だがLV10に上げても必要なポイントは9ポイントだった、しかも、もどす時に10ポイント戻ってきた。
単純なミスだ。
その手のバグを探すなんてだれでもやるだろうし......オフラインのゲームでは......。
「単純なミスだけど、食通をLV10まで上げるようなやつがいないと見つからないバグだよな」
「運営に報告が行っても、修正は、早くても連休明けだろうし、....だといいな」
「バグ利用でアカウント停止くらっても、新しいアカウント作ればいい!」
ここは、力強く言う所ではないな。
「せっかくの3連休だ、夜が明けるまでSSポイント稼いでスキルに割りつけよう!そうしよう!運営が、「それは仕様です!気が付いた人へのボーナスです!」って言うかもしれないし、そうに違いないし」
窓から朝日が入ってきた。
「HP:1200、MP:2500、器用:50、俊敏:50、知力:50、筋力:50、体力:50、精神力:50、にして、と、キャラクターLVが上がるとこの辺は上がるのかねー?これで、カンストってことはないよな」
「剣術、格闘術、槍術、弓術、手裏剣術、家事はLV変更不可」
「オートマトン:7、鍛冶:7、モデリング:7、記述魔法:7、ゴーレム:3か、剣術のレベルを超えて上げるってのは何となく納得がいかないしな、ゴーレムは保険みたいなもんだし、こんなもんだろ」
キャラクター作成アイコンをクリックした。
「このキャラクターでよろしいですか。 (Y/N)」
Yをクリックっと。
「確認のためもう一度クリックしてください(Y/N)」
Yをクリックっと。
「あー、キャラの外見設定し忘れた!」
どうせ、アカウント停止くらうまでのキャラだからデフォルトでいいか、....あーあ、せっかくのMMORPGなんだから、金髪碧眼のイケメンが良かったかなー。
「魂魄の分裂を開始します。」
「アルトガイストでの身体作成を開始します。」
「分裂が完了しました。」
「身体作成が完了しました。」
「魂魄にステータス転写を開始します。」
「ステータス転写が完了しました。」
「魂魄にスキル転写を開始します。」
「スキル転写が完了しました。」
「身体に魂魄の挿入を開始します。」
「挿入完了しました。」
「初期装備装着開始します。」
「初期装備完了しました。」
「起動準備完了しました。」
「起動確認しました。」
徹夜明けの俺はここで意識を手放した。
1時間ほどして目を覚ますとモニターには。
「インストールに失敗。データを消去します。」
「もう一度最初からやり直してください。」
「ノーーーー」(大泣き)
俺の3連休は、まだまだこれからだ。
残った彼の3連休は始まったばかりです。
飛ばされた彼は、いよいよ次回からアルトガイストでの生活が始まります。