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森の仲間たち

森の仲間 アルマジーロ

作者: くものみね

アルマジロ、くるんぱ。

ごゆるりとお読みください。



ぼくがその子と逢ったのは、森の散歩道。

春になりかけの少し暖かい日。


その日は坊も朝から出かけていて、ぼくは1人でぶらり散歩をしてた。


突然、脇の方から何かが転がり出てきた。

見てみるとそれは、丸くて黄色い岩みたいだった。土埃を起てて転がってきたそれはちょうどぼくの目の前で止まった。そしてその岩から尻尾みたいなのがしゅっと伸びて、頭みたいなのがにょきっ。

びっくりしながら見つめていたら、黒々としたまん丸の目とぶつかった。

数秒の制止の後、その物体は挨拶するように右手を上げて見せた。

〟よっ!〝



それが、アルマジーロくんとの出逢い。

なつかしいね。

彼、はじめから無口だったなあ。


アルマジーロくん、寡黙なんだ。何も話さない。でも不便は無い。森のみんなもアルマジーロくんも、お互いが何を言いたいか不思議と分かるみたいだから。当のぼくも、彼の思ってることとか言いたいこと、なんとなく分かる。ほんと、摩訶不思議。



彼は一日の大半を土の中で過ごしてる。地面を掘って作られた家。それがまた快適。夏は涼しいし、冬は暖かい。整った素敵な家だよ。土の天井が落ちないか、時々心配になるけど。


彼はたまにぼくをその家に誘う。

首を傾げながら〟くるか?〝って目で聞いて、尻尾を揺らしながら家に連れて行ってくれる。

そのほとんどがぼくが不調のとき。

どこから嗅ぎつけてくるのか、アルマジーロくんはぼくを誘って、黙って隣にいる。当たり前みたいに、隣で尻尾を揺らしてる。無自覚なのか、そうじゃないのか。彼の思ってること、流石にそこまでは分からないけど、彼の隣は居心地がいいから分からなくてもいいかも。



今日はそんなセンチメンタルジャーニーな話で、おしまい。


アルマジーロくん、最近会ってないなあ。










きつつき少年とアルマジーロくんでした。

お読みいただきましてありがとうございます。

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