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第6話 魔道師システア

しばらくしてアリスが目を覚ますと、見慣れた天井が目に入った。


ゆっくり起き上がり周りを見渡すとやはりそこは自分の部屋だった。


誰かが自分を家まで運んでくれたようだと、そこまで考えた所で自分の部屋の扉が開く、現れたのは青い髪の20代前半の女性だった。


彼女はアリスが起き上がっているのを見ると部屋に入ってきて話しかけた。


システア「目が覚めたようだな、急いでいたから君が持っていた鍵を使って勝手に入らせてもらったよ?」


アリス「あ、確かレッグベアに・・・」


そこまで言ったところでアリスは何かを思い出したように捲し立てた。


アリス「グゥは!?私と一緒にいたグロウウルフはどこですか!?」


システア「落ち着け」


システアがそう言うと同時に部屋の中にゆっくりとした足取りでグゥが入ってきて、ベッドの近くまでやってきた。


アリスはベッドから飛び降りてグゥに抱きついた。


アリス「よかった・・・ほんとによかった・・・」


グゥ「クゥ~ン」


システア「一通り怪我は治したからとりあえず心配はいらないだろう」


アリス「あなたが助けてくれたんですよね?ほんとうにありがとうございます!」


アリスは膝を付いてグゥを抱きしめながら礼を言った。


システア「いや、実際君を守ったのはそのグゥだ。グロウウルフは賢いから普通なら自分より強い相手とは戦わない、よほど君のことが大事だったのだろう」


アリス「はい・・・ありがとう、グゥ・・・」


アリスはもう一度髪の青い女性にお礼を言おうと思ったが、まだ自己紹介をしていないことを思い出し慌てて自己紹介をした。


アリス「あ、私はアリス、アリス=レファルです。アリスと呼んでください」


システア「私はシステア、システア=フローン、システアで良い、実は君を探していた。いきなりだが大事な話がある」


そう話を切り出そうとした時ぐぅ~とシステアのお腹が鳴った。


システア「・・・」


アリス「あ、もしよければ何かお作りします。助けてもらったお礼がしたいですし、話は食事の後でも」


システア「いや、うん、そうだな・・・頼む・・・」


家にあるリブナルの干し肉をスープにして、パンを用意する。随分と遅めの昼食だ。


グゥも端の方で同じ干し肉をかじっている。


時間はもう午後3時前というところか、この昼食だけで、2日分ほどあったアリスの家の食料は青い髪の女性たった一人にほとんど平らげられてしまった。


システア「美味いな、特にこの肉が良い、味付けが私好みだ」


アリス「あ・・・あはは・・・気に入ってもらえてよかったです・・・」


そしてお互い食べ終えたところでシステアが再び話し始めた。


システア「さっきの話の続きだが・・・」


アリス「確か大事な話があるんでしたよね?」


システア「ああ、君は・・・魔法をどう思う?」


アリス「魔法ですか?もちろんすごいと思います!水を出したり火を出したり!実は私、魔道師になるのが夢なんです!」


システア「ほお?魔道師ね・・・だがそれを名乗るにはそれなりに魔法を極めなければならないが・・・なにか得意な魔法でもあるのか?」


アリス「それが、私才能が無いみたいで全然魔法が使えないんですよね~」


と、そこでアリスはレッグベアに襲われた時のことを思い出した。


アリス「そういえば、システアさんが使っていたのって魔法ですよね!?あんな強力な魔法初めて見ました!レッグベアを一瞬で倒してましたよね!?」


レッグベアが現れたときは最低でも大の大人3人以上で戦うのが基本だ。


しかも、今回現れたレッグベアはかなりの大きさだった。


5人がかりでも安心できないだろう。


アリス「そんなのを一撃なんてすごいですよね!」


システア「まあ今回は不意打ちが成功したからな、それよりもアリス、君は魔道師になりたいと言ったな?その言葉は嘘じゃないな?」


アリス「え?もちろんなりたいです。でも・・・」


アリスが一言言い終わる前にシステアが力強く言った。


システア「よし、なら私の弟子になれ」


アリス「へ・・・?」


唐突すぎて一瞬思考が追いつかなかったアリスだがすぐに言葉の意味を理解した。


アリス「弟子・・・ということはシステアさんって、魔道師の方なんですか!?」


この世界で言う魔道師とは、魔道ギルドと呼ばれる組織から認められ、弟子をとり魔法を教えることを許可された人間のことを指す。


それ以外で魔法を使う人は魔法使いと呼ばれ彼らは弟子をとることは出来ない、さらに、ただの魔法使いと違い、魔道師にはいくつか特権があって、馬車の値段が安くなる、何か1つの依頼を別の人間と取り合いになっても優先して受けることができるなどをはじめ他にも様々な優遇がある。


(補足、生活に使うような簡単な魔法を教えるくらいなら別に許可は要らないため、アランが魔法を教えるのは問題ない)


ちなみに魔道師に正式に弟子入りを認められた人間は魔道師見習いとなり、特別にいくつかの特権を使用できるようになる。


システア「まあな、で?弟子入りするのか?」


アリス「も、もちろんです!私なんかで良いなら是非!」


システア「よし、なら出発の準備をしろ」


アリス「はい!・・・え?」


システア「ん?聞こえなかったか?出発だ、明日にはこの町を出る、旅支度をしておけと言ったんだ」


アリス「え?町を出るって・・・明日!?」


システア「私はこう見えて結構忙しい、この町での用事は済んだ、もういる意味が無い」


アリス「で・・・でも・・・」


システア「お前は魔道師になりたいと言っただろう、あれは嘘か?」


アリス「う、嘘じゃないです!でも・・・」


システア「よし、ならこうしよう、明日の朝まで待つ、私は町の宿に泊まっている、旅に出る決心がついたら私が泊まっている宿に来い、来なかったらこの話は無しだ」


そう一方的に言い終わるとシステアはアリスの住む小屋を後にし日も傾いた町への道を一人帰っていった。


アリスはしばらく呆然としていたがやっと我に返り言われたことを理解した。

そして・・・


アリス「いきなりすぎでしょう!?」


もうその場にいない人物に遅すぎた突っ込みをいれた。

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