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第4話 護衛わんこ?

ティオとリスターが再び歩き始めると後ろからローブ姿の人が近づいてきて二人に話しかけた


システア「君たち、少しいいか?」


話しかけられたため二人が後ろを向くとローブを深く被った怪しい人間がいた。


あまりの怪しさに二人とも思わず眉をひそめた


ティオ(教会の入り口ですれ違った・・・)


リスター(やっぱり怪しすぎるだろ・・・)


そんな二人の胸中を察してかシステアはすぐに自己紹介をした


システア「いやすまない、決して怪しいものじゃない、私の名はシステア、少し用事があって教会を尋ねたのだ。実は君たちの友達の中に銀髪の女の子がいたはずなんだが彼女はどこに行ったか分からないか?」


一応自己紹介をされたのでまだ警戒しつつも名乗り返す


ティオ「ティオです。」


リスター「リスターだ。なんでアリスを探してるんだ?」


システア「う~む、彼女に少し大事な話があってね」


リスター「大事な話ね~、じゃあもう一つ、なんで教会に来てた訳?」


システア「あの教会のアラン神父に用事があった」


リスター「じゃあアランのおっちゃんの客人ってやっぱりあんたか」


ティオ「それなら言っても大丈夫かな?」


リスター「まあそうだな、アリスは一足先に家に帰ったぜ」


ティオ「門の方に向かったけど今からなら走れば間に合うんじゃないかな?」


システア「そうか、感謝する」


システアはそう言って門の方に向かおうとしたがそこでリスターが話しかけた


リスター「アリスの家の場所、わかるか?森に続く道に沿っていけば着くぜ」


システア「道に沿ってだな、感謝する、それでは」


それだけ言ってシステアはまた早足に町の出口に向かった


リスター「森の近くにも魔物が出るのに大丈夫なのか?」


ティオ「まあそんなに強いのは出ないし大丈夫なんじゃないかな?」


そう言って二人はしばらくシステアの後姿を眺めていた


そして場所は変わって門の前、端のほうで大人しくお座りをする狼のような生き物がいた。


グロウウルフといわれている生き物で、銀色の毛並みに鋭い牙と爪を持った魔物だがそんな獰猛そうな外見とは裏腹に知能が高くプライドも高い、しっかりと敬えば主を護るため他の魔物とも戦ってくれる実に頼もしい存在である。


そんなグロウウルフに近づく少女がいた。


グロウウルフはその少女の姿を見るなり立ち上がり近づいてきた。


アリス「グゥちゃんお待たせ~」


グゥ「グゥ~」


グゥはアリスの足元に擦り寄ってきて唸っている、待たされて少し不機嫌そうだ。


ちなみに大きさは大型の犬ほどもあるのでかなり迫力があるがアリスは慣れた手つきで頭を撫でて謝っている


アリス「ごめんね?怒ってる?」


グゥ「ウ~」


アリス「今度市場でおいしいお肉買ってあげるから許して?」


グゥ「ウォン!」


やっぱり分かりやすいな~、などと心の中で思いつつ微笑むアリスだった。


ちなみにこの辺りで主に食べられる肉はリブナルという大人しい魔物で大きさは牛くらい、全体は茶色で頭に2本の角を持っている、ミルクも採れるし肉も少し硬いが味は悪くないため結構人気がある


アリス「よし!それじゃあ帰ろっか?」


グゥ「ウォン!」


そしてアリスとグゥは町の門を抜け少し先にある森の中にある小屋に向かうのだった。


それから少しして門の前にシステアが到着した。


システアは辺りを見渡したがアリスらしき少女はいないためこれからどうするかを考えていた。


システア「さて、追うか、一旦宿に戻って昼食を取るか・・・」


時刻は午後1時を回っていた。さすがにこのまま町の外まで追いかけるのかどうか迷っていると

近くにいた若い旅人が二人組みの自警団に何か話しているのが聞こえてきた。


若い旅人「森の近くを通ったときレッグベアの鳴き声を聞いたんだ」


中年の自警団「レッグベアか、厄介だな、普通ならもっと森の奥にいるものなんだが・・・」


彼らの言うレッグベアとは、外見は普通の熊とそう変わらないが一回り大きく、脚力がかなり発達していて力も強い、この辺りでは最も厄介な魔物だった


若い自警団「あの森には採取目的でよく人が出入りしますからしばらくは立ち入りを禁止にしましょう」


中年の自警団「しかたないな、多分群れからはぐれてここまで出てきたんだろう、俺から団長に報告を入れておく」


その話を聞いたシステアはすぐにアリスの後を追うことにした


システア「やれやれ、これじゃあ昼飯は後回しだな・・・」


そう呟くとシステアはローブを深く被りなおし一人、少女を追いかけ森に向かった


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