第24話 二人の炎使い
少し時間は戻り、静かな森の中を歩く影が3つ
銀色の髪の少女と青い髪の女性、そして一匹の狼。
静かな森の中、少女の話す声が森に響いていた。
アリス「どうして二人を一緒に行動させたんですか?」
少女の問いに対し、女性の方は静かに息を吐くと静かに口を開いた。
システア「リックは別にミナのことを嫌っている訳じゃない、寧ろ彼女のことを誇らしくさえ思っている、表には出さないがな、そしてミナが自分に魔法を教えてくれようとしていることを嬉しくも思っている」
そこまで話すと彼女は一度口を閉ざした。
アリス「それなら何も問題ないんじゃ・・・」
アリスがシステアに問いかける、だがシステアは静かに首を横に振る、そして話の続きを始める
システア「確かに、普通なら教えてもらい即解決だ。だがリックは自分には才能が無い、特に火の魔法に至っては到底姉には追いつけないと思い込んでいる」
アリス「実際はどうなんですか?」
アリスが問いかける、するとシステアは僅かに口の端で笑みを見せながら答える
システア「いいセンスを持ってる、だが火系統にいたっての話だ。だからあいつには水は向かない」
システアがはっきりと言い切る、まさに確信を持って、事実のみをキッパリと告げると言う淡々とした口調で
アリス「それと今回の別行動と何の関係が…」
アリスが言い終わる前に、森に何かの爆発音が響く、それは空に向かって放たれている火玉が上空で爆発した音だ。そして、その音は今回の目的の相手の発見を知らせる合図でもあった。
システア「話は終わりだ。向かうぞ!」
言い終わる前にシステアは音の方角へと走り出す。
アリス「ま、待ってください!」
グゥ「ウォン!!」
続いてアリスとグゥもその後に続き走り出した。
ミナは上空に断続的に火玉を飛ばしていた。
しかし、ある程度続けた所でそれをやめる
ミナ「これだけやれば後は戦闘の音を頼りにここまで来れるでしょ!」
リック「姉さん、来るよ!油断しないで!」
ミナとリックはお互い並び立ち、目の前から迫る魔物の大群に相対する、少しずつ近づいてくる魔物の大群、その羽音だけで頭が痛くなるほどの騒音だった。
ミナ「うるっさ!こいつらって集まるとこんなにうるさいの!?」
ミナがリックに大声で問いかける、それに対しリックもミナに声を張り上げ答えた。
リック「確かに!これは10や20の数じゃないね!大方どこかに巣でも作って繁殖したんじゃないかな!」
ミナ「じゃあ巣から何とかしないとまずいよね!」
リック「確かにそうだけどまずはこの大群を何とかしないことには始まらないしね!後のことはその時考えよう!!」
リックがそう答えると同時に、手の中に小さな火の玉を作り出す。
そして出来た火の玉を敵の大群に向ける、すると腕から高速で離れ5つに分散するとそれぞれ別の敵を追尾して着弾した。
リック「とりあえず数を減らす!!」
ミナ「うわ!またコントロール良くなったね!!」
リック「そんなことはないよ、それより姉さんも!」
ミナ「よぉし!お姉ちゃんも良い所見せちゃうぞ~!」
そして、ミナは真剣な表情を浮かべ、静かに息を整える、そして向かってくる敵を前後左右見事にかわしながら言葉を紡ぐ。
ミナ「巻きつき!焼き尽くせ!容赦なく!!」
彼女が高らかに叫ぶと同時に彼女の腕から炎の鞭のようなものが現れた。
その鞭は生きているかのように波打ち、そしてあまりの熱で歪んで見える。
彼女は鞭を近くにいた一匹の魔物に向かって振るう、その鞭はまるで蛇のように対象を一瞬で捉え巻きついた。
その瞬間、魔物は一瞬で黒くなり、ぼろぼろに崩れていく。
ミナ「久々だけどいい感じ♪」
少し黒い笑みを浮かべる姉に、弟は心の中で静かに呟く
リック(相変わらず悪趣味だ。なにか変な願望なんてないよね・・・?)
など、少し姉の心の心配をする弟を他所に、楽しそうに鞭を振るい魔物を殲滅していくミナ。
それを見て小さなため息を吐いて加わるリック、一方的な虐殺はしばらく続いた。
リック(あれ?僕の目的ってなんだっけ…)
ミナ「♪~」
お久しぶりです。
蒸発したと思われても仕方ないペースの投稿でごめんなさい
少しずつでもきっと書いていきます。
本当にごめんなさいorz